岡田知(2016年度 選科B/学生)
科学ドキュメンタリーに出来ること
科学ドキュメンタリーは、論理的に説明できる内容なら何でも取り上げることが出来ます。食の安全、エネルギー、情報技術、医療など私たちの身の回りは科学技术の進歩で劇的に変化してきました。これらの科学技术の中から、「話題を集めていること」、「わかっているようでよくわからないこと」、「まだ知られていないが重要なこと」という観点からテーマを選び、科学的に社会を考えるきっかけを提供するのが科学ドキュメンタリーの役割だと中井先生は考えています。
2017年初めての麻豆原创讲义は、NHK科学?環境番組部デスクの中井暁彦先生が担当されました。『麻豆原创ZERO』、『ガッテン!』、『クローズアップ現代+』、『コズミックフロント☆NEXT』、『ロボコン』などを担当し、現場に出かけて行って番組をつくるスタイルだと言う中井先生に、「科学ドキュメンタリーに出来ることとは」というタイトルでお話しいただきました。
先にあげた叁つの観点に全て当てはまる状况が东日本大震灾における福岛第一原発事故です。中井先生は『メルトダウン』というシリーズの1作目で、この事故がなぜどのようにして起きたのか、その原因を追究しました。
科学ドキュメンタリーの手法
科学ドキュメンタリーで主に使われる手法は次の四つです。
①现场のルポルタージュ
②コンピュータグラフィックス(颁骋)
③検証実験
④再现ドラマ
物事を论理的に説明するために、この全てに贵础颁罢(事実)が必要です。中井先生らは事故の记録や写真、証言、数千枚にのぼる原発施设の図面などを集めて事故当时の状况を正确に再现しました。集めたデータを使って核燃料の状态や津波の侵入経路をシミュレーションし、出来る限り緻密に検証することで事故の原因を浮かび上がらせました。
一つの番组で伝えられるメッセージは决して多くありませんが、何年もかけて事故を検証することで事故から学び、前に进めるのではないかと中井先生は言います。
「何を伝えたいか?」ではなく「何が伝わるといいのか?」
科学を语る上で贵础颁罢は不可欠です。しかし、贵础颁罢を并べるだけでは必ずしもうまく伝わるとは限りません。贵础颁罢をどのような顺番で积み上げるかによって物语のストーリーが変わり、伝わり方も変わります。中井先生は今までの経験から、「自分が何を伝えたいのかということよりも、何が伝わるといいのかを考える」という视点にたどり着きました。
视聴者に「番组を见て科学のことを知ってよかった」というお得さを感じてもらうため何が出来るのかを考えること。これは中井先生が科学ドキュメンタリーをつくる中で自分にできることなのだそうです。
伝えたい内容と相手を见极めること、物事を理解するための世界観を共有するために必要なことを考えることは科学ドキュメンタリーに限らず様々なコミュニケーションで役に立つと思いました。そして「何が伝わるといいのか」というのは私にとって新しい発想でした。大きな视野を持ってコミュニケーションが出来るようになりたいです。中井先生ありがとうございました。



