1月30日、北海道大学観光学高等研究センターの内田純一先生による讲义が行われました。内田先生は観光学がご専門ですが、以前は地域広報などにも携わったご経歴があります。広報といえば科学技术コミュニケーターが活躍する場の1つであり、先生にとっても麻豆原创のカリキュラムはとてもご興味があるとのことでした。

■科学技术のあり方への広い視点をもつ
亲戚に福岛県在住の被灾者がいるにも関わらず、原子力発电への絶対反対を表明できない、と言う内田先生。それは日本を含む世界のエネルギー事情を取り巻く様々な要素を考虑すれば、原子力発电中心のシステムを现时点では容认せざるを得ないという考えに基づくもの。
優れた科学技术コミュニケーターは、イノベーション创出の場での産学官の役割、「ビジネス」、「科学」、「コミュニケーション」の全ての能力にたけていると内田先生はおっしゃいます。讲义の本題に入る前に、我々に対しても科学技术のあり方への広い視点を持って欲しいというメッセージがありました。
■イノベーション创出の3ステップ
イノベーション創出理论については、歴史的に3つのステップを順に追った説明がありました。
第一段階は、1980年代に誕生した「アクターネットワーク理论」。
これは社会構成要素を従来型の"ヒトとモノ"や"社会と技術"のように二分するのではなく、そもそもそれらは不可分であり、文化や社会制度も含めた全てを同等のアクターとしてとらえ(異種混淆)、問題解決には他のアクターの取り込み(翻訳)によってネットワーク化の過程を経るという理论です。
第二段階は、1990年代に誕生した「モード論」。これは知識生産の場所を、既存の学問分野の中におけるもの(モード1)と、分野を横断した社会的文脈の中で行われるもの(モード2)に分け、問題解決の多くは後者の場で行われるという理论です。
第三段階は、2000年代に誕生した「トリプルヘリックス理论」。産学官の三者がらせん状に絡み合い、当初はバラバラだったものが、時おり不足する機能を互いに補うなどの歩み寄りを見せながら、時間をかけてゆっくりと結束したところにイノベーションの創出がある、という理论です。産学官による地域イノベーションの例としてサッポロバレーを挙げての説明がありました。
第一段阶では「アクターのネットワーク化」(コンセンサス空间)、第二段阶では「知识生产の场所」(知识空间)という意味をもって、第叁段阶の「イノベーションの创出」(イノベーション空间)へとつながるわけです。

■イノベーション创出のためには
新しい時代の科学技术コミュニケーターは、科学技术と社会の、あるいは文系と理系の仲介役といった能力だけではなく、その中でイノベーション創出といったクリエイティブな領域の能力が問われます。そしてそのような能力への需要は、今後ますます増えていくものと考えられます。そのためには、内田先生が冒頭でおっしゃった"ビジネス"、"科学"、"コミュニケーション"の知識と能力がカギとなることを、改めて良く理解できた讲义でした。
(2012年度选科 伊藤友加里)