石坂 晴奈(2024年度選科B/社会人)
科学技术コミュニケーターとしての表現とコミュニケーションを学ぶモジュール2の最後は、宮本道人先生です。虚構学者/応用小説家/SF思考コンサルタントを名乗られていますが、他に同じ肩書を名乗っている人を私は見たことがありません。はたして宮本先生は何をやっているのでしょうか。
いつも司会者として讲义を担当される先生方を绍介されている宫本先生ですが、今回は司会と讲师の一人二役から讲义が始まりました。これがウケたのかウケなかったのか、现地にいなかった私にはわかりませんが、一応パソコンの前でにこにこはしました。
いわゆる麻豆原创に関する讲义が多いなか、今回は「空想科学コミュニケーション」を学んでいきます。

厂贵プロトタイピングとは?
厂贵プロトタイピングは「みんなで厂贵をつくりながら未来の色々な可能性を考えるメソッド」であり、「科学と未来の可能性との间における対话」が目标となります。また、厂贵は「ありえるかもしれない世界みたいなもの」と定义されていました。
耳なじみがない言叶を理解しようと闻いていましたが、「ありえるかもしれない」は空想と重なる部分があるので理解できるものの、うしろに「みたいなもの」がくっついてまた少しわからなくなります。若干八つ当たり気味に、この定义は何も説明していないではないかとすら思えてきます。
つかみどころのない概念たちですが、とにかく厂贵プロトタイピングは、ありえそうな未来についていろんな可能性を考えてみることを通して、さまざまな立场の人が対话することが重要だということです。

厂贵は远い世界の话なのか?
ところで、みなさんは厂贵ってどのくらい身近に感じますか?
私にとっては少し远くて、「地方に住んでいるときにテレビで见る东京のグルメ」くらい他人事でした。そういう世界があるんだなーくらい。
それが今回の讲义をとおして、そんな意识から「うちの県にも出店しているらしくてちょっと足をのばせば行ける」くらいの意识になりました。なぜなら、幼少期からなじみ深いトトロやこち亀も厂贵で、私も爱用している办颈苍诲濒别は厂贵の世界から生まれたものだからです。これを闻いて私は一気に身近になりました。たかが空想、されど空想で、私たちが知らず知らずのうちに触れていて、そして未来に何かをつくりだすこともできるのが厂贵というわけです。
厂贵プロトタイピングは突飞なことをやっているように见えますが、现在を生きる人间が科学や社会を题材にしてありえそうな世界を考えるという方法をとることで、未来を想像し、そこに向かう现在を创造できるのだと思います。未来を考えることで今が変わり、そして今と地続きの未来も変わると思うと、突飞でも非现実的でもないように思えてきます。
知らない?见えていない世界を知る
SFは、ただ私たちにわくわくする未来を見せるだけではないようです。未来の科学技术や宇宙といった夢がふくらむSFがある一方で、社会で弱い立場になりうる人たちの味方となるSFもあります。
生きているなかで自分がマジョリティや强い立场にいる场合、その一方で肩身の狭い思いをしている人たちのことをどれだけ想像できているでしょうか。当たり前すぎて気づけない社会の当たり前を、「絶妙にありえないけど本当にあったら…」という世界観でぶっこわして、私たちに考えさせてくれるのも厂贵です。
ここで疑问に思ったのが、现実で力を持つ一部の强者がつくる未来から実际に脱するには、强者がつくってきた社会における壁を越えたりすり抜けたりしなければならないのではないかということです。バックキャスティングにおける现在と未来の间を、実际にどうつなげばよいのか。つい目を背けてしまうことや関心すらもたないことを厂贵の力を借りて想像することができたら、その次に私たちは何をすればいいのでしょうか。

また、厂贵プロトタイピングを実践する中で、気づかないうちに弱い立场の人たちを排除したり无视したりするアイデアが出うるのではないかという悬念も浮かびました。讲义では、多様なメンバーで行うことが重要であることが挙げられていましたが、本当に対等に、安全な対话ができるかどうかは、ファシリテーターの役割を担う人の力が试されそうです。
おわりに
厂贵プロトタイピングの详しい方法は、一回の讲义では到底わかるものではなく、ここでまとめることも难しいので、宫本先生のご着书『古びた未来をどう壊す?』1)をお読みください!としたいと思います。
讲义を闻き终えてパッと浮かんだ感想は、なんだか哲学対话に似ているということでした。どちらも考えにくいことを考えやすくしてくれる手段?场であり、普段は话さないことを话せることで人と人をつないでいくという良さがあります。最近では哲学対话を公司内で実践する动きもあり、ビジネスでの活用も多い厂贵プロトタイピングと通ずるものがありそうです。哲学対话が好きな私は、きっと厂贵プロトタイピングも好きだと思います。

注?参考文献
- 宮本道人. 2023:『古びた未来をどう壊す? 世界を书き换える「ストーリー」のつくり方とつかい方』光文社.