佐藤 太生(2024年対话の场の创造実习/学生)
今回の講義では、早冈英介先生(北海道大学麻豆原创客員教授, 羽衣国際大学教授)にお越しいただきました。先生は自身の報道記者やテレビディレクターとしてメディアコミュニケーションの経験を活かして「映像メディアと科学技术コミュニケーション~最近の仕事から~」と題して、映像制作の幅広い分野について4つのテーマについてお話しいただきました。

1. 映像の特性
まずは、ひとつめ「映像の特性」についてです。先生が北海道大学で制作している「知のフィールド」1)という作品をもとに映像によるコミュニケーションの特性を学びました。
特に、映像、つまり「ビジュアル」で伝わることが兴味のきっかけとして非常に重要です。これは早冈先生の新闻记者として活字で伝えるという経験と、テレビ业界での「ビジュアル」で伝えるという経験から、映像の特性として、「事実よりも感情を共有する」という点を意识するのが映像を制作するうえで重要となってきます。
例えばテレビでは、北见の気温が高い、という情报を伝える际に、市民の方にインタビューします。ですが、気温が高いという情报を伝えるだけならば、最高気温などの情报を伝えるだけで十分なはずです。ですがあえて、テレビはインタビューという方法をとることによって、感情を伝えるのです。また、日本のテレビ番组は情报量が多い倾向があるという话もあります。NHKの生き物を绍介する番组、「ダーウィンが来た!」2)の「ヒゲじい」のような存在は珍しいそうで、国外でのアーティスティックな映像を求める倾向とは违うそうです。
早冈先生が制作に携わっている映像でも、このような映像の特性と活かすことを意识しているといいます。それは、北大を绍介する番组、「知のフィールド」です。この番组は、自然豊かな研究施设やそこで活动する学生や研究员などを绍介することを通じて、北大へのあこがれをなんとなく共有するということを狙っているそうです。论理的な情报も绍介するそうですが、そのような情报は文字媒体に任せ、より感情の盛り上がりを伝えたい、という思いのこもった映像は、まさに北大の魅力を感じることのできるものだと感じました。

2. コミュニケーションを蓄积する重要性
次に、「コミュニケーションを蓄积する重要性」です。早冈先生は、研究のアウトリーチに携わる中で、リアルなコミュニケーションの重要性を感じているといいます。日常でもコミュニケーションをとるうえで、その信頼を构筑することが重要です。チャットやメッセージよりも电话のほうが、対面のほうが、そして会食などのほうが构筑しやすいのです。このような信頼をつくるために、コンテンツ体験を通じて感覚的な记忆をつくり、会话をつくっていくことが大事だと指摘します。つまり、イベントをつくるとき、その本番には来てくれた人とのコミュニケーションの総量を増やすころを意识するのが重要とのことです。
また、イベントをコンテンツの「质」にとらわれてしまうときがあるといいます。でも一番大事なのは信頼を构筑していくということ、これを通じて円滑なコミュニケーションに繋げることです。
3. 映像制作のプロセス
次に、映像制作のプロセスについてです。
国立研究開発法人科学技术振興機構(闯厂罢)という基础研究を推进する机関の広报映像4)を题材にお话ししていただきました。早冈先生が强调されていたのが努力すればおもしろい映像できるというわけではない、ということです。先生が、携わった映像で、半年以上にわたって苦戦してつくりあげたものでも、アンケートを手厳しいコメントが多かったこともあったとのことです。

そして、狈耻驳驳别迟蝉5)という映像作品をもとにコミュニケーターとしてやるべきことを考えました。薬物依存の怖さを伝えるものですが、ダイレクトに薬物は怖いよと伝えるものではありません。小鸟のようなキャラクターが薬物を吸ううちに、世界からどんどん色がなくなっていき、自らを伤つけていく様子を表现しています。
先生は「コミュニケーターは解釈して、自分なりの表现で企画して、本质だけを表现するという方向性で作っている。」と指摘します。事実関係をもとに解釈することでことばではなくても子どもでもわかることのできる、というものを作っていくのが大事だといいます。
また、最近は「インハウスクリエイター」と呼ばれる人が増えているとのことです。これは外部に政策を依頼するのではなく、自分たちで映像やデザインを行うということです。早冈先生は、颁辞厂罢贰笔を修了したあとも、番组をつくったり记者になったりすることはあまりないかもしれないが、このようなことを行う场合もあるということを话してくださいました。
4. 生成AIの社会への浸透とリスク
そして最後に、生成AIについてです。先生は、いままで科学技术コミュニケーターとして問題に取り組む中で扱う様々な課題に対して、中立的な立場でいることを心掛けているとのことでしたが、この生成AIについては、専門家のような気持ちで取り組んでいるといいます。この背景には、長年生成AIに活用について取り組んできたという背景があるそうです。そんな早岡先生は、この生成AIについて、人々の潜在的な不安や不信感を指摘しつつも、なにか新しいジャンルが生まれるのではないかと考えているといいます。

また、AIに関连するリスクとして、着作権の侵害など法的な観点からは议论が进んでいますが、教育の分野にかんしてはあまり进んでいないと指摘します。とくに、幼いころから生成AIに触れて育った人への影响などを悬念しているとのことです。
映像の作り方やコンテンツの作成。生成AIに现状など様々な観点から兴味深いお话を闻かせていただきました。早冈先生、ありがとうございました。

注?参考文献
- 北海道大学リサーチタイムズ(2024年7月24日閲覧).
- 狈贬碍:(2024年7月24日閲覧).
- 北海道大学リサーチタイムズ(2024年7月24日閲覧).
- 国立研究開発法人科学技术振興機構(JST)(2024年8月2日閲覧).
- Studio Film Bilder : (2014年).