9月7日にはモジュール5「多様な立場の理解1」の讲义が始まりました。第一回目は、江戸川大学メディアコミュニケーション学部 教授の隈本邦彦さんに、「科学ジャーナリズムの现状と课题」と題してお話しいただきました。
レポート:叁ツ村崇志(本科?北大理学院物性物理学専攻修士课程1年)
想定外ではなかった东日本大震灾
まず隈本さんは、东日本大震灾の时のメデイアを例に挙げてお话ししてくださいました。
震灾后には、大地震、大津波、原発问题のすべてが「想定外」であったかのように报道されていましたが、その中には「実际に想定外であること」と「想定内だったもの」があったそうです。歴史を见れば、过去にマグニチュード9レベルの大地震や、大津波が起こっていたことは明らかですし、また原発问题に対しても、阪神大震灾后に石桥克彦さんが「原発震灾」という言叶を使って危険性を指摘していました。これらの事実から、今回の出来事がすべて想定外だったとは言えないことが分かります。
今回、すべて「想定外」であったかのような报道がなされてしまった理由として、隈本さんは记者の勉强不足があるのではないかと指摘しました。小规模な灾害の时には、灾害について勉强している灾害担当の记者が取材に行くのですが、今回の震灾のような大规模灾害の时には多くの记者が必要になるため、普段、灾害を担当していない记者も、全国各地から取材に行きます。普段灾害を担当していない记者たちが书いた、过去の事例や科学的根拠の検証が不十分な记事が灾害报道として取り扱われた结果、すべて「想定外」であったかのような报道の一因なのではないか、というのです。
科学ジャーナリズムの现状と課題
东日本大震灾の时の报道にみられたような记者の勉强不足は、日本の科学ジャーナリズムにおける问题を反映しているとのことです。
科学に関わるニュースは昔に比べて非常に多くなってきています。その上、その内容は日々高度化、多様化しています。しかし、より難しい内容を伝える必要があるにもかかわらず、それを伝える記者への教育は変化がないと隈本さんは指摘していました。科学記者を育てる環境は「on the job training」つまり、慣れるしかないという状況だそうです。自分で良く勉強し、良い取材先に育ててもらえると、良い記者に育つ。このような現在のシステムを、隈本さんは「良い記者自然発生説」という言葉で表します。科学記事の重要性が増し、その内容が高度化していく中では、科学を批判的に見る力や影響力と正確さのバランスを考慮する力が科学記者に求められているのです。しかし、良い記者の自然発生を待つ現在のシステムでは、それらの要求に応えることは容易ではありません。
このような问题に対し、隈本さんは、「科学记者を専门に育てるようなシステム作りが重要」と指摘なさいました。
科学技术コミュニケーターと科学技术ジャーナリズム
最後に隈本さんは、これらの科学技术ジャーナリズムの問題点をうけて、科学技术コミュニケーターに求めることを、ご指摘くださいました。科学技术ジャーナリズムの状況を劇的に改善することはできな
くても、基礎的な科学知識とジャーナリスティックなセンスを身に付けた科学技术コミュニケーターを世に送り込むことで、現状を少しでも改善することができるのでは、と。
科学ジャーナリストが抱えている問題点は、私たちコミュニケーターが抱えている問題点と重なる部分もあると思いました。日々高度化していく科学技术の中でより質の高いコミュニケーターになるためにも、「科学を分かりやすく正確に伝える」という使命と正面から向き合っていかなければならないと強く感じる授業でした。
&苍产蝉辫;隈本先生ありがとうございました。