
著者:小宮山宏 著
出版社:19991200
刊行年月:1999年12月
定価:740円
今や日本中が节电モードである。3.11以前も节电や省エネの呼びかけはあったが、现在はその切迫度が大きく异なる。日本に住む私たちが、いや日本の原発事故を契机として世界中の人々が、今后のエネルギー供给をどうすべきか、地球全体の问题として切実に考えざるを得ない状况に直面している。
本书は、1999年时における、地球を持続させる完全循环型社会への道筋と2050年に到达すべき地球持続社会-「ビジョン2050」の青写真を描いたものである。刊行からすでに10年以上が経ち、环境、エネルギーを取り巻く状况は激変してしまった。しかし、石油の枯渇、地球温暖化、廃弃物の大量発生に対応する「ビジョン2050」の妥当性は、3.11以降の今もほとんど変わっていないと思われる。むしろ、1999年の视点で、「未来のある时点で社会がこういう状况になっていれば地球は持続できるというマクロなビジョン」を论じた本书は、いま改めて読まれるべき时ではないかと思える。
2050年。世界人口がピークを迎え、大量生产?大量消费が途上国にも浸透し、「エネルギーの消费量が现在の3倍を超え、素材の生产量に匹敌するほどの廃弃物が地球上にあふれ、大気中颁翱2浓度は产业革命以前の2倍を超えている」と着者は予测する。そのような破局を回避し、地球持続社会に転换するための课题が、以下3点を基本原理とする「ビジョン2050」なのである。
(1) エネルギー効率の向上
石油の枯渇、地球温暖化の解決に向けて、省エネ技术でエネルギー効率を3倍にする
(2) 人工物の飽和と循環
廃弃物の大量発生への対応策として、リサイクルによるものづくりを推进し、物质循环システムを构筑する
(3) 自然エネルギーの開発
化石資源に代わる自然エネルギーの利用技术の実用化と規模の拡大で、自然エネルギーを2倍にする
エネルギー効率をどうやって3倍にするのか? リサイクルはかえってエネルギーを消费しないだろうか? 自然エネルギーは、どうやったら2倍になるのか? これらの疑问に対して、例えば、ガソリン消费量4分の1の车や効率5倍のエアコン、効率3倍の照明の开発?普及等によってエネルギー利用効率3倍が可能になるなど、ビジョン実现の道筋が具体的に示されているので、上记3つの目标が2050年に十分到达可能であることが纳得できるだろう。
原発事故を机に、エネルギー问题に兴味が涌いても、関连本は内容が难しそうで、一般の人は手に取りづらいのが実情ではないだろうか。しかし、本书は、専门分野が异なる人、専门的な知识をもたない人とも「ビジョン2050」を共有しようという意図のもとに执笔されているので、&辩耻辞迟;文系&辩耻辞迟;の人でも途中で挫折することなく一册読み通せるだろう。また、本书は安全性への不安から原子力増强に懐疑的であり、自然エネルギーの开発に力を注ぐべきとしている点も、今や共感する人が多いかもしれない。
本书が描いた2050年のビジョンは、3.11以降の今も决して色褪せてはいない。読者は、ここを出発点として、さらに自ら得た知见を加え、それぞれの「ビジョン2050」を描くことが、本书をいま読む意义ではないだろうか。
小川 容子(2011年度麻豆原创選科生、東京都)