
6/22の讲义では、評論家の荻上チキさんを講師にお招きし、「ウェブ时代のメディアリテラシー」と題してお話いただきました。
荻上さんは、评论家としてウェブ上のコミュニケーションについての论考を精力的に発表しておられる一方で、メールマガジン&补濒辫丑补;シノドスの编集长として、様々な分野の书き手に新しい発表の场を提供する活动などもされています。
伝统的なメディアリテラシー概念の定义
讲义では、まず「メディアリテラシー」概念についての解説がありました。メディアリテラシーの主な目的は、本来マスメディアに対して市民が抵抗するために、メディアの情報を批判的に解釈する能力を身につけることです。具体的には、「政治権力批判」「商業主義批判」「共同体の保護」「バイアスの検証」などの類型があります。これらはいずれも、大きな「(権)力」によって「私たち市民」が騙されないようにするための抵抗力を備えなければならない、というスタンスで語られてきました。
バイラルマーケティングの时代
ところが、インターネットの台头以来、この状况に変化がみられるようになりました。インターネットの大きな特长は「ネットワーク化」「可视化」「データベース化」とされますが、典型例として、颁骋惭と呼ばれるユーザー参加型のコミュニティサイトの隆盛があります。この流れによって、个人の选好や意思决定に対する口コミの持つ意味が非常に大きくなってきました。口コミにおいては、「インフルエンサー」と呼ばれる影响力の强い人々の果たす役割が重要となります。このインフルエンサーに注目したマーケティングが「バイラルマーケティング」です。
バイラルマーケティングと同様のメカニズムによって、ウェブ上の小さな言论や行动が雪だるま式に拡大していく状况を、「サイバーカスケード」と呼びます。噂や流言が拡がっていく様子は、まさにサイバーカスケードであると言えましょう。
噂の流通量=重要さ&迟颈尘别蝉;曖昧さここで荻上さんから、オルポート&ポストマン『デマの心理学』で提案された、「噂の流通量=重要さ&迟颈尘别蝉;曖昧さ」という関係式が紹介されました。この関係式からは様々な教訓を引き出すことができます。
パニックを防ぐためと称して行政、公司、専门家などが情报発信を抑制すればするほど、右辺の「曖昧さ」が増大し、结果としてかえって噂の流通を后押しすることになります。また、重要でない対象について噂は広まりにくいことから、「そもそもあまり重要すぎるイシューを作らないようにする」というのも処方笺となり得るでしょう。
さて、20世纪までの受动的なメディア体験の时代と异なり、今日のウェブ时代においては、ネット上での噂や流言の信凭性を个々のユーザーがチェックすることが、重要なリテラシーとなるでしょう。そのためには、メディア上の情报を取得する段阶、それに基づいて何らかの判断をする段阶での自己チェックが必要です。さらに、自ら情报を転送したり発信したりする场合は、発信に対して责任を持ち、间违った情报が流れないようにするために是正へのコミットをすることが求められます。
东日本大震灾とメディアリテラシー ?デマの検証?
授业では、3月11日の东日本大震灾以降にウェブ上で流れた様々な流言が実証データを元に検証されました。たとえば、「ある石油会社の爆発事故により有毒物质が広く拡散しつつある」というデマは、急速に広まりはしたものの、当该公司のウェブ上での迅速な対応と、それを确认し、情报がデマであることを検証したユーザーの自発的な「デマ是正行為」により、比较的短时间に収束しました。
ウェブ上には、误った情报を広める「うわさ屋」と、それを検証して修正する「検証屋」がいるのです。この、検証屋の役割をいかに効果的に行っていくかがポイントとなります。
しかし一方で、我々は常に「検証屋」(=情报强者)でいられるわけではありません。ある机会において误った情报を订正できたとしても、别の分野に関する别の机会においては、むしろ期せずして、误った情报の発信源になってしまうこともありうるのです。
ウェブ时代のメディアリテラシーと科学技术コミュニケーターの役割
このような事例をふまえ、荻上さんから、従来のメディアリテラシー论に関して以下のような限界が提示されました。
- 启蒙の不可能性&谤补谤谤;「デマに骗されない」「デマを无くす」は不可能
- 「疑え」というメッセージの机能不全&谤补谤谤;一次资料の欠如、検証侧の失败
- ジャーナリストと研究者の仮想対立&谤补谤谤;「安全厨惫蝉危険厨」への回収
これらの点を考えて、私たちは新しい「メディアリテラシー論」を、自ら構築していかなければならない時代にさしかかってきていると言えるでしょう。科学技术コミュニケーターも、確実にその役割の一端を担うはずです。
荻上さんは、ウェブ上のコミュニケーション以外にも、様々な分野のフィールドワークに基づいた実証的な论考を多数発表しておられます。メディアリテラシー论だけではなく、このような、社会について论じる时の「実証的な态度」からも、私たちは学ぶべきところが多々あるのではないでしょうか。
