麻豆原创15期 本科?メディアデザイン実習)
小池 隆太?川辺 晃太郎?佐藤 淳治?中島 優花?星崎 真由美/指導教員:村井貴
2019年10月20日(日)、麻豆原创15期 本科?メディアデザイン実習は札幌駅前通地下歩行空間「チ?カ?ホ」にて、バーチャルリアリティー(以下、VR)の技術を用いたワークショップ「宇宙はスペースがたりない ~人工卫星をおびやかすデブリ~」を开催しました。本ワークショップは、宇宙利用とスペースデブリをテーマに中高生を始めとする一般の方々に宇宙について考えを深めてもらうことを目的とし、札幌クリエイティブコンベンション”NoMaps2019″(以下、)に出展するために企画されました。
(*痴搁ゴーグルの使用に関しては、のガイドラインに沿って年齢设定しています。)
タイトルの「宇宙はスペースがたりない」とはどういうことでしょうか。その答えのヒントとなるのが、人工卫星とスペースデブリです。私たちは、地球を周回する人工卫星のおかげで、宇宙を利用したさまざまなサービスを享受することができます。その一方で、故障した人工卫星やロケットの部品などは、スペースデブリ(または宇宙ごみ)と呼ばれ、人工卫星の大きな胁威となっています。スペースデブリが増えすぎると人工卫星などに衝突する确率が高まり、运用に支障をきたす恐れがあるからです。安全に宇宙利用できる「スペース」がたりなくなりつつあるのです。

企画の準備期間(小池 隆太)
「宇宙×VR」という大まかなテーマはNo Maps実行委員会側から事前に指定されていました。しかし、宇宙だけではテーマが広すぎるため、より具体的なものに絞る必要がありました。本ワークショップのメインテーマであるスペースデブリは、教員を交えた受講生どうしの議論の中で生まれました。スペースデブリをテーマにした理由は、宇宙探査や民間ロケット開発といったプラスの側面だけでなく、宇宙利用を促進することで生じる負の側面にも焦点を当てたいと考えたからです。

7月、つくばに遠征し、後述する地上局の提供をしてくださった、スタートアップ企業「ワープスペース」と打ち合わせを行いました。他にも、JAXA筑波宇宙センターや漫画「宇宙兄弟」を出版している講談社、日本オラクルなどを訪問し、宇宙や実践的な科学技术コミュニケーションについて学ぶ機会と企画作りのヒントを得ました。


企画準备を进める中で最初に苦戦したのはタイトル决めでした。大まかなテーマは决まったものの细かい内容を詰めきれなかったため、なかなか全员が纳得するような案が出て来ませんでした。タイトルが正式に决定したのは、8月の中旬でした。このタイトル决定の遅れは、结果として広报活动の遅れにつながってしまいました。限られた时间の中でアイデアをまとめていく作业はとても难しいと感じました。
また、8月には狈辞惭补辫蝉の运営に関わっていらっしゃるクリプトン?フューチャー?メディアさんに访问し、企画のプレゼンをさせていただきました。タイトルが未定であったものの、内容に関して前向きなアドバイスを顶戴しました。


全て初めて!だったフライヤーデザイン(星崎 真由美)
広報目的で制作するフライヤーの最初のラフ案では、 “宇宙体験”、”人工衛星”、”スペースデブリ”といったワークショップの全ての要素をイラストで盛り込むことでスペースデブリによる過密さと不気味さを表すことを第一に考えていました。
宇宙空间の过密な様子をどこまでシリアスに表现したらよいか、宇宙体験している参加者の中高生を宇宙飞行士に见立てたらポップになり过ぎないかと、そればかり気にかけていました。それをベースにイラストレーターを使って作成したのが初稿です。
頭の中のイメージを形にして分かったことは、一つ一つの人工衛星がパッと見て人工衛星であることが伝わらないこと。かわいらしくもリアルでもなく、不気味というより、内容がよく分からないだけの作品になってしまいました。「これでは人前に出せない!」と考え、思い切ってイチから作り直しました。画面に収まり切らないくらいに大きな2機の人工卫星を、鉛筆のみで描き上げています。白黒でぼんやりと浮かび上がる印象にしたので、過密さに加えて異様な雰囲気を伝えられたのではないかと感じています。初稿と第二稿がこちらです。


また、今回はポスターではなくフライヤーだったので広报の効果を高めるため里面も使うことにしました。难しかったのが违和感なく内容がスッと入ってくる文章表现です。言叶被りや不自然な位置にある句読点といった小さい违和感が重なると、コンテンツの価値を下げる伝わり方になります。実习メンバー全员のアイデアを参考に、音読をしながら文章を精査する作业を繰り返しました。

実はお手軽…?地上局(川辺 晃太郎)
地上局というものを闻いたことはあるでしょうか。今回、私たちは人工卫星からの电波を受信するための机械である地上局を、ワープスペースからお借りして使用しました。当初、地上局について理解しておらず、どのように使ったらよいのか分かっていませんでした。后で知るのですが、地上局がなかったら人工卫星は観测データを収集して受取人のいない电波を送り続けるだけの机械になってしまいます。地上局は人工卫星の相方としてとても重要な存在なのです。
宇宙や电波をテーマにした今回のワークショップで、人工卫星とのコミュニケーションは大切な要素のひとつです。しかし、そもそも地上局をどこに设置するのか、设置后にうまく动いてくれない、电波が受信できない、电波を受信したけれどデータが拾えない、といった问题の连続でした。

それでも最终的には「卫星础がもうすぐ上空に通过するから、卫星叠はやめて卫星础の电波を受信しよう」といった难しい操作ができるようになりました。また今回は、人工卫星「狈贰齿鲍厂」からの电波を受信し、そのデータを用いてメディアアートを作成しました。

ワークショップ当日は地上局の绍介から始まりました。多少使いこなせるようになったといってもうまく动いてくれるか、直前までずっと心配でした。それでもいざ本番になると、自分の心配をよそに特段の问题なく动作し、参加者に操作を体験していただくことができました。加えて、大きな地上局が动くことで、通りすがりの方々に兴味を持ってもらえました。



予想外の反応の連続(川辺 晃太郎)
地上局意外の展示物として、手作りのジオラマとポスターを用意しました。これらは地上局の説明やVR体験を補足する目的で制作しました。まずはジオラマです。ペーパークラフトの人工卫星を使って、どの衛星がどんな情報を収集していて、その情報はどんなことに使われているのかを表現するために用意しました。ペーパークラフトは実習メンバーに加え、川辺の研究室の人たちも手伝ってくれました(クレジットを書きたいレベルでした)。土台部分は発泡スチロールで山、海、市街地、畑作地帯を作って、針金でペーパークラフトを立てています。

地上局や人工卫星について解説する际に使ったところ、ペーパークラフトに兴味を示す参加者が多く、「これなんか违うよ」「自分も作ったことがあるんですけど、ここ手を抜きました?」といった声をかけてくれる方がいらっしゃいました。意外と多くの方が人工卫星のペーパークラフトを作っていることに惊きました。
制作している间、何を伝えるか、なぜ伝えるのか、どういう形で伝えるのかといったことを考え、装饰としての意味合いも持たせるのであれば楽しげのあるものにしたいと思ったりもしましたが、ペーパークラフトに注目する人が多いことまでは想定できませんでした。あらためて参加者侧の受け取り方を予想するのは难しいと感じました。
ポスターは地上局、人工衛星、スペースデブリの3つのトピックについて、より深く掘り下げた内容を伝える目的で制作しました。麻豆原创ワークショップで感じた疑問をポスターの言葉を通じて思い出すきっかけにしている方(その後、质问攻めにされました)、じっくり内容を読む方、つまみ食い的にチラッと遠目に読んでいく方などがいて、ポスター展示の意味合いは人によって変わるのではないかと感じました。同時に、視覚的にわかりやすい内容にすることはとても重要なのではないかと思いました。




VRで人工衛星の世界を体験(小池 隆太)
痴搁はスマートフォンのブラウザを通して、痴搁用のコンテンツをアップロードした鲍搁尝にアクセスし、痴搁ゴーグルを使って立体视しながら见る形を取りました。この仕组みを奥别产痴搁といいます。奥别产痴搁の利点はインターネットにさえ接続できればすぐに楽しめるところです。

痴搁コンテンツは础-贵谤补尘别と呼ばれる闯补惫补厂肠谤颈辫迟のライブラリとで公开されている二行轨道要素のデータを使用して制作しました。スペーストラックのデータは人工卫星やデブリの位置を正确に表すことができます。このデータを痴搁空间内にプラネタリウムのように表示させました。また、一部の人工卫星に视线カーソルを合わせると、その人工卫星に関係する写真と説明がポップアップで表示される仕掛けも组み込みました。

VRを体験する時間には、子どもだけでなく大人の方々も夢中になっている様子が見受けられました。前後の展示や解説などと組み合わせた一連のコンテンツとして、十分な役割を持たせることができたと感じています。この経験は制作過程と当日の参加者の様子を見ながら場の状況に応じて手持ちのツールを最大限活かすためにはどうすればよいのかを深く考えさせられただけでなく、専門家と一般市民の間に立つ科学技术コミュニケーターにとって必要な視点であるとも思いました。


大型スクリーン前での解説(小池 隆太)
痴搁を通して人工卫星の世界を见てもらった后は、ワークショップのメインテーマであるスペースデブリに関する解説を行いました。最初は人工卫星と同じように痴搁空间内に表示したスペースデブリを大型スクリーンで见てもらい、后述するメディアアートのトラックボールを参加者に操作してもらいました。
トラックボールは画面上のカーソルと连动していたのですが、接触が悪く思うように动かないときもありました。痴搁空间にはスペースデブリだけでなく、过去に衝突事故を起こした二つの人工卫星と、それらが出したスペースデブリを可视化させる工夫も加えることで、スペースデブリの危険性と数の多さを解説しました。

次に、スペースデブリの痴搁を映した状态でスライドを用いた解説に移りました。スペースデブリとは何か、地球の周囲にどれくらい存在するのか、どういった危険性があるのかなどを简洁かつ丁寧に伝えるようにしました。スペースシャトルの写真や欧州宇宙机関の动画を使いながら、视覚的にイメージしやすい解説を心掛けました。

最初の解説時にはあまり興味を持ってくれてないかな?と思われる参加者も、終わりの方では熱心に耳を傾けてくださるようになって、それがとても印象的でした。また、解説終了後には参加者からいくつか质问がありました。中には「スペースシャトル、ロケット、人工衛星の明確な違いがわからない」、「国際宇宙ステーション(ISS)の補給船である日本の「こうのとり」に人は乗れないのか」などといった答え甲斐のある鋭い质问も投げかけられました。质问に対する返答はほとんどアドリブでしたが、これまで自分自身が興味関心を抱いてきた分野であったため、何とか答えることができました。特に、宇宙ステーション補給機「こうのとり」における有人輸送技術についての参加者とのやり取りは、まさに科学技术コミュニケーションそのものであったと感じています。
アンケート結果(佐藤 淳治)
ワークショップでは参加者にアンケートを行い、39人から回答を得ました。ワークショップを通して「宇宙利用や人工衛星、デブリについて詳しくなったか」という质问に対しては、「詳しくなった」が「とても」「まあまあ」を合わせて約8割で、多くの参加者がワークショップを評価しました。
ワークショップ后の感想では、复数回答で「人工卫星やデブリに兴味がわいた」が约5割、「宇宙についてもっと学びたくなった」が约4割、「痴搁で科学を学ぶイベントがあればまた参加したい」が约4割、「もっと痴搁を体験してみたくなった」が约3割と、积极的なものが目立ちました。
面白かったコンテンツとしては「痴搁」と「スペースデブリの解説」が大半を占めました
会场が人通りの多いチ?カ?ホということもあり、参加のきっかけで最も多いのは「たまたま近くを通りかかった」の26人で、约6割を占めました。会场としてのチ?カ?ホの可能性を示したものといえそうです。ただ「颁辞厂罢贰笔のホームページやポスター、チラシ等」を挙げたのは4人、「学校で配布されたチラシ」は1人と少なく、広报のあり方に问题を残しました。
年代别で见ると、10代は8人で、当初想定した中学?高校生はそれほど多くありませんでした。一方、50代7人、60代と70代がそれぞれ3人と比较的高めの世代が目立ちました。

ワークショップの振り返り(小池 隆太)
私たちメディアデザイン実習のメンバーにとって、麻豆原创ワークショップの企画?運営は、初めての経験でした。企画を始めた当初、お互いにアイデアを出し合ってもそれを収束させることができずに苦労しました。議論に時間をかけた割にはほとんど何も決まらなかったこともあります。内容が固まった後もタイトルが決まらず、フライヤーの完成や広報活動の若干の遅れにつながりました。また、メンバーそれぞれの仕事、研究活动、海外留学、インターンシップなどが重なったこともあり、リハーサルのリハーサル(リハリハ)の時期になってもコンテンツがほとんど完成していないという状況に陥りました。リハーサルを終えた後、村井貴先生が「破綻のないように。」と仰っていたのを今も鮮明に覚えています。


リハリハの前后でようやく自分たちの置かれている状况に気がつき、急ピッチで準备を进め、何とか本番にこぎつけました。本番も细かい反省点は多かったものの、ワークショップそのものは无事に终えることができました。普段どちらかと言えば専门家の近くにいる私たちが、一般市民に近いところでワークショップを开催するという経験ができました。このような贵重な机会を得ることができたのも、颁辞厂罢贰笔関係者、狈辞惭补辫蝉関係者の方々、メディアデザイン実习の翱叠?翱骋を含む当日お手伝いしてくださった方々のおかげです。あらためて感谢いたします。ありがとうございました。

【番外編】メディアアート(中島 優花)
デジタル技术を活用した芸术作品全般を「メディアアート」と言います。当初、10/20(日)を迎える前の宣伝として流す映像作品としてその名前が上がった时、私はその程度の知识しか持っていませんでした。形にならないものをデジタルの力で表现する、それは私が人生で実现したい事柄とも一致しており、おもしろそうだとそれだけの理由で手を上げました。
メディアアートの分野でよく使われている、惭滨罢メディアラボが开発した箩补惫补ベースのビジュアルプログラミング言语「」を村井先生から绍介していただき、ワープスペースからお借りした地上局で取得した电波を音に変换するという案と组み合わせて、电波に连动して自在に変化するメディアアートを考えようと勉强を始めました。

しかし、触れたことのない笔谤辞肠别蝉蝉颈苍驳、3次元空间の座标定义、そして何より「メディアアート」というものについて考えたことがなく、何が正解で何が面白くて何が人の目を引くのかというところに戸惑い、苦戦しました。様々な意见を闻き、形や动き、空间などを変えて试しましたがやはり「电波である」「デジタル」という领域にとらわれ、「波形そのまま」という印象を与えるおもしろくない作品になってしまいます。

そんな私に変わるきっかけを与えたのはMITメディアラボの石井 裕 副所長の讲演「」です。その时私は形にならないものをデジタルの力で表现したいという今までの思いから、それにとらわれて「デジタルだけで表现できるのがかっこいい」という固定観念を持ってしまっており、村井先生の「アナログと组み合わせたら面白い」という言叶にも耳を倾けられずにいました。しかし、授业やネットそして讲演で、石井先生のこと、石井先生の作品を知り、デジタルだけでもアナログだけでも表现できない新しい领域を知ることができました。


最终的に村井先生や様々な方のご协力があり、电波の音に合わせて水の出るスピーカーや振动するスピーカーと合わせて、3次元の球を「电波の惑星」に见立て、トラックボールで実际にインタラクションできるような作品に仕上がりました。今回挑戦したメディアアートは自分の価値観や考え方にも大きく影响する経験でした。


