実践+発信

「歴史遗产をめぐる多様な过去にまつわる今日的课题を考える」(11/17)冈田真弓先生の讲义レポート

2018.12.12

大津 恵実(2018年度 本科/学生)

今回は、北海道大学創生研究機構特任助教の岡田真弓先生による「歴史遗产をめぐる多様な声―过去にまつわる今日的課題」という讲义でした。

歴史遗产と现代社会へのまなざし

冈田先生が始めにお话しされたのは、歴史遗产と现代社会の関係性についてです。歴史遗产は大きく文化财と文化遗产に分けられます。文化财は法律用语であり、日本では文化财保护法が规定している「贵重な国民的财产」とされています。日本の场合、文化财に指定?登録されたものが世界遗产候补としてユネスコに推荐されるので、法律や国が规定した文化财の一部が世界遗产になっていくことになります。対して文化遗产はより広い意味を持っています。法律に规定されるものではなく、人々が自分たちのルーツやアイデンティティを感じる、あるいは地域の象徴や夸りを感じるものならば创造可能なものです。

主に研究者が「ある时代の変化や歴史を理解するためのあらゆるモノ?コト」を见つけ出して、それがどのようなモノなのか、どのような価値があるのかを考察しながら、学术的に、経済的に、社会的に使えるように加工していくことを〈文化资源化〉と言います。したがって、あるモノやコトに文化财や文化遗产という概念を与えることも文化资源化と言えます。そしてそのように名前が付けられ新しい価値が见出されることによって、国家の象徴や装置となったり、経済活动のために必要となったり、个人や民族などのアイデンティティや记忆にとってかけがえのないものになるというような、新しい役割を担うこともあるのです。

パブリック考古学と麻豆原创?コミュニケーションとの共通项

私は考古学というと、遗跡を発掘して、过去のことを调べるというようなイメージがありましたが、今回冈田先生がお话してくださったパブリック考古学は少し异なっていました。パブリック考古学とは、现代の人々が过去をどのように认识しているか、考古学の成果は现代とどのように関连があり、どのような轧轢を持っているかということを明らかにする学问です。また、その轧轢を実践を通して解消していく试みもなされています。その実践において、教育的アプローチや広报的アプローチが重视されているため、パブリック考古学と麻豆原创?コミュニケーションは非常に共通性が高いのではないかと冈田先生は指摘されていました。

考古学にはなぜ市民の理解とサポートが必要なのか

考古学には市民の理解とサポートが必要である、その理由を以下の3点で説明されていました。1点目として、発掘调査や埋蔵文化财の保管?管理はほぼ公金で行われているため、考古学者は研究成果を积极的に社会还元する必要があることが挙げられていました。文化财も保护するだけではなく、観光资源やまちづくりに活用されるべきであるという议论がなされてきています。

2点目は、考古学者は「过去」に対して価値づけをする利害関係者の一人にすぎないのではないかという理由からです。考古学者は発掘によって遗跡の范囲を特定し、その考古学的な価値を考察していますが、例えば市民、行政、公司などによって経済的価値や审美的価値、宗教的価値といったその他の価値が见出される场合もあります。考古学者以外の人たちが抱いている场所に対する思いをどのように汲み取っていけば、遗跡という场所を多くの人が共感できる歴史遗产にしていけるのかということを考えていく必要があります。

3点目は歴史学や考古学を含む人类学は「わたしたちとは谁か」といった根源的な问いに関わっているためです。すなわち现代的な问题とも関连が深い集団の象徴やアイデンティティとも结びつく可能性があります。したがって、现在何が起きているか、现代の人たちがどのように过去を见ているかという点を把握した上で社会还元を考えていくことが求められるのです。また、実际に遗跡が国家や植民地支配の正当性を示すために使われてきたという歴史があるという点も看过してはなりません。

歴史遗产をめぐる多様な声

 

歴史遗产をめぐっては、国家、市场、资源化、个人?集団の记忆というように多様な立场のステークホルダーが存在し、立场によってその価値は异なります。例えば各国における先住民族と研究者との间では、先住民族の遗骨や副葬品を研究资源化してきたことによる轧轢が现在も存在しています。多様なステークホルダー同士が话し合いを続けていかない限り両者の沟は埋まらないという言叶が心に残りました。

そして最后は、パブリック考古者、文化遗产研究者あるいは人文社会コミュニケーターの心得として、现代の社会と上手くコミュニケーションをとり、そこにある课题や问题点をきちんと把握すること、そしてそれらの解决のためにはどのような具体的な行动をしていく必要があるのかを提言していかなければならないとまとめられていました。

讲义を終えて

人文社会の领域でも研究者と市民をつなげる学问や取り组みが広がってきているというのは兴味深かったです。麻豆原创?コミュニケーターに求められる役割との类似性はありますが、考古学が関わる国家や土地の歴史や人间のアイデンティティに関わる重みを感じました。

また、冈田先生が绍介してくださった世界中の色々な遗跡めぐる轧轢のお话を闻いて、多様な価値観を理解しようとするということは、今まで自分とは関係ないと目を背けていた现実に向き合うことでもあると気づかされました。自分が当たり前だと思っていたこと、自分のアイデンティティや存在基盘そのものを疑いながら、今后も学び続けていく勇気を持ち続けていこうと思います。

冈田先生どうもありがとうございました。