実践+発信

「なぜ人はわかりあえないのか。で、どうする?」6/16西条美纪先生の讲义レポート

2018.6.29

成田真由美(2018年度 本科/社会人)

モジュール1科学技术コミュニケーション概論の最終回、西條美紀先生(東京工業大学 環境?社会理工学院)による「なぜ人はわかりあえないのか。で、どうする?」の讲义では、社会問題と科学技术コミュニケーションを考えました。

人はもともとわかり合えない

どうして、人はわかりあえないのか?に対する答えは明快でした。発言内容の意味は闻き手が决めるので、话し手の伝えたいことがそのまま闻き手に伝わることがない。だから、齟齬が生まれ、わかり合えないということ。

発言内容の意味や意义は、话し手と闻き手が相互に构筑するものであり、これがコミュニケーションです。そのため、双方向の発信と受信を繰り返す共同构筑モデルが、理解を目指すコミュニケーション体系であるというお话しでした。文脉(発言を含む状况全てを指す:场の参加者の属性なども含む)を共有することがコミュニケーションの基本构造とのことです。

ここで、わかりあえない体験をより具体的に共有するために、受讲生が2,3人のグループとなり情报交换。その后に全体共有では、数グループが话し合った内容を板书しました。それを、西条先生が「横串を通します」と、文脉を共有していないことが表れた部分、例えば异业种间での大切にしている事柄や国や民族的な常识と呼ばれるものなどをピックアップしていきました。

(それぞれ话し合った分かり合えない経験を黒板に书きだします。)

コミュニケーションデザインで进む

さて私たちはわかり合えない、そのことが充分に理解できたうえで、様々な问题解决にあたらなくてはなりません。文脉を共有しない间柄でも、共通の目的を持てれば协働できるサイクルを构筑することはできます。このサイクルでの最重要ポイントは「目的」の共有です。そして、目的?计画?実践?考察を一気通贯で考える必要があります。

问题解决のためには、専门分野を超えて协働する必要性があり、そのためのコミュニケーションデザインが必要となります。

社会問題に科学技术でコミットする

先進国が抱える問題に高齢化社会の到来がある。「老い」は、老いたものにしか分からないことかもしれません。そんな高齢化社会には、食事介助という問題もあります。虚弱な高齢者の食事介助の現状は、介助する側にとっての負担、介助される側にとっては自立した食事が保たれず、食事の時間は両者にとって楽しい時間ではありません。この状況を分析して、科学技术で補完するひとつの事例として、人生のための食事プロジェクト:食事介助ロボット(Bestic)を使った研究が紹介されました。

ただし、テクノロジー&サービスだけでは越えられない、コミュニケーションのジレンマ(わかり合えなさ)があると西条先生は指摘します。やはり、最后は「で、どうする?」で缔めくくられるわけです。

「で、どうする?」という大きな问いに対する答えに、1歩でも近づけるよう考え、行动しなければと襟を正す思いで受讲しました。西条先生、ありがとうございました。

なお、讲义後のワークショップでは、食事介助ロボットの在り方について考えました。私はロボットに介助された食事とは、ロボットだけに任され独り寂しく食事をする高齢者の姿を想像していましたが、高齢者が他の家族と同様に自立的に食事をする製造元のイメージビデオを見て、食事介助が単に物理的な介助の範囲にとどまらず、コミュニケーションの空間をデザインする機能もあるのだということが分かり、自分の視野の狭さに気付かされました。