実践+発信

「地域连携型环境研究プロジェクト『翱碍贰翱狈 美らプロジェクト』:そのデザイン実践」(12/16)吉村正志先生の讲义レポート

2018.2.17

植村 茉莉恵(2017年度 本科/学生)

今回は、吉村正志先生(沖縄科学技术大学院大学(OIST)生物多様性?複雑性研究ユニット スタッフサイエンティスト/OKEON美ら森プロジェクトコーディネーター)をお招きし、地域连携型環境研究プロジェクト「OKEON 美ら森プロジェクト」のデザインと実践に関する讲义を受けました。OISTとは、生物多様性保全において最重要地域である沖縄県に所在している、内閣府直轄の大学院大学です。吉村先生はそこで、自然環境のモニタリング研究に関する「OKEON 美ら森プロジェクト」のプロジェクトコーディネーターを務めています。

环境教育への兴味とアリ研究との出会い

「OKEON 美ら森プロジェクト」のお話をする前に、これまでの先生の経歴を紹介していただきました。神奈川県出身で、酪農学園大学を卒業後、利尻島で中学校の教員をされました。そこで、子どもたちへ環境教育をしたいと思い、フィールドに出ることにしました。さらに、自分自身のフィールドを持ちたいという思いから出会ったのが、アリでした。校庭でアリを拾って、双眼実体顕微鏡で覗いた時の衝撃を今でも忘れられないそうです。実にバラエティに富んだ世界が広がっており、「なんで?」「なんでこんなに多様?」「なんでこの形?」という疑問が沸いてきたそうです。それから、アリ研究にのめりこんでいきました。

研究者として生きていく

日本アリ类研究会で北大环境科学院の叁浦先生の発表を闻き、一生かかってもこのレベルに追いつかない、自分とのギャップを埋められないだろうと感じたそうです。しかしそこで、自分も负けたくない、研究者として生きていこうと决心をされました。その后、帯広畜产大学に社会人选抜で入学し、学位を取得しました。日本でキャリアを积んでいく难しさを感じ、アメリカのカリフォルニア科学アカデミーでポスドクとして雇用され、その后翱滨厂罢に研究员として採用され、行くことになりました。

OKEON 美ら森プロジェクト

翱滨厂罢で吉村先生は、社会とのコラボレーションをどう作っていく、どう変えていくか研究をされています。冲縄は、生物多様性保全におけるホットスポットです。しかし、外来种の流入による固有种个体数の减少など、岛の生态系は危机的な状况にあります。また冲縄は、観光产业が重要な収入源となっており、その観光の売りとして、自然生态系や景観のブランドがあります。冲縄にとって、自然生态系を保全することはとても重要ですが、その状况を把握しているわけではありません。

そこで、自然環境をモニタリングする「OKEON 美ら森プロジェクト」がOISTにおいて始まりました。OKEONとは、Okinawa Environmental Observation Networkの略です。「OKEON 美ら森プロジェクト」では、最新の科学技术を用いた生物多様性観測システムを構築し、社会ネットワークシステムに取り入れることをしており、沖縄の持続的発展への貢献を目的としています。具体的には、野外調査によって得られたデータやGIS情報、分子解析を用いて、生物多様性を解析します。

社会との协力関係

调査区は冲縄本岛全体にわたって24区设立しています。これを一つ一つ设立するために、理解してもらえる协力者に、ビジョンや思いを丁寧に伝えるといいます。协力者なしでは成り立たない、プロジェクトと言えます。24调査区には、昆虫トラップや気象観测装置、音声装置、カメラトラップなどの観测机器を设置しています。また昆虫チームには、昆虫専门家と地元スタッフ8人のチームで构成されています。地元の方を取り込むことで、将来的には、社会に还元されます。これは、翱碍贰翱狈プロジェクトの目的である、冲縄の持続的発展への贡献に合致しています。

また社会と协力するためには、教育に重点を置いています。そのために、高等学校、博物馆、冲縄県と协力関係を结んでいます。特に、飞颈苍-飞颈苍の関係になるよう意识しているそうです。例えば高等学校とは、高大连携の関係を结び、高校でワークショップを开催しています。そこで、高校生に调査の仕方を指导し、サンプリングした标本を翱碍贰翱狈に寄赠してもらうということもしています。研究者、教员、生徒の叁者がメリットのある関係を筑いています。

また行政との协力関係としては、ヒアリ问题の発生时にも大いに役立ちました。冲縄県では、翱碍贰翱狈プロジェクトがあり、モニタリングが岛全域で行われていたので、迅速な対応を取ることができました。またメディアとの连携関係を取ることで、社会に正しい知识や情报を発信することができています。

科学技术コミュニケーター

最後に、吉村先生はこれまでのご自身の経験を振り返って、科学技术コミュニケーターにとって必要なことを教えてくださいました。科学技术コミュニケーターには、伝えたいメッセージと、そのメッセージを裏付ける科学的体系や知識、確かなデータと正しい解釈がある上で、受け手のニーズに沿った、伝える技術を持つ必要があると言います。科学と社会の橋渡しになっている先生だからこそのお話だと感じました。