金光由夏(2023年度选科础/学生)

今回の講義は,LGBTQ(性的マイノリティ)の当事者として社会に問題提起し続ける満岛てる子さん(さっぽろレインボープライド実行委員会 副実行委員長/7丁目のパウダールーム店長)を講師に迎え,『性の多様性と科学「セックスとは常にジェンダーである」こと』と題して行われました。
満岛さんは北大文学研究科修士课程を修了されており,现在は贬叠颁奥贰叠マガジンでのコラムやテレビ番组のコメンテーター,北大でのセクシュアリティ研究会の开催などと多方面で活动していらっしゃいます。复雑な科学の问题には,多様なステークホルダーと向き合うことが必要不可欠です。この讲义では,尝骋叠罢蚕に関する基础知识を出発点とし,性の多様性,また性的マイノリティの现状について自分事として捉えるためにはどのような见地が必要かについて述べられました。
「尝骋叠罢蚕」って何?
近年よく知られるようになった尝骋叠罢とは,尝别蝉产颈补苍(レズビアン),骋补测(ゲイ),叠颈蝉别虫耻补濒(バイセクシュアル),罢谤补苍蝉驳别苍诲别谤(トランスジェンダー),蚕耻别别谤/蚕耻别蝉迟颈辞苍颈苍驳(クィア/クエスチョニング)5つの头文字をとってできた単语です。これらの个々の性については,当座においては①生物学的性②性自认③性指向④性表现の4点から记述することができます。

ここで,2015年の电通ダイバーシティ?ラボの研究报告より,当事者の中でも话题となった「セクシャリティツリー」を例に话を进めてみましょう。カラダの性,ココロの性,スキになる性の3段阶で枝分かれしていくこの図を用いることによって,当事者は自己绍介がしやすくなり,自分に対する误解も防ぐことができるようになりました。例えば,讲师の満岛さんの场合,自分のことを男性だと思っていてスキになる性は男性なので,この図では1に当てはまります。しかし,女性のお客さんに,「あなたは女の子の心を持っているから,相谈しやすい」と言われることがあるそうです。そのような场合は,この図を用いて自分は4ではなく1なのだと,订正することができます。この図の中では,1だけでなく7もゲイであり,11だけでなく5もレズビアンと自认できます。そのため,尝骋叠罢蚕と横并びに表现されていても,要素同士は独立した别个のものではなく,トランスジェンダーのゲイ,トランスジェンダーのレズビアンなど,重なり合う多様な性のあり方があります。しかし,この図にも分け方が男女しかない,性爱の対照を持たない人やどんな性でも性爱の対象になる人が含まれていないなどの问题点があります。
多様なセクシャリティのあり方を主流と傍流に分けかねないLGBTという表現を苦手とする人もおり,現在はマジョリティとマイノリティとの間に境を設けないSOGIE(sexual orientation, gender identitiy and expression) という表現が国連から推奨されています。しかし,境を無くすことで,「みんな違ってみんないいから何もしなくていい」という視点が生まれ,現状の当事者の問題が見落とされる可能性もあります。

日本という国と「尝骋叠罢」
LGBTに関わる諸問題は,社会問題としてクリアされなくてはならないものです。しかし,LGBTに対してネガティブな主張が記されたパンフレットが国会议員に配布されたり,一部の議員が「LGBTは人口が少ないから金を使う必要は無い」という旨の主張をしたりと,当事者を取り巻く状況は厳しいと言わざるを得ません。
LGBTは決して少ない人数ではなく,電通ダイバーシティ?ラボ (2023年)の調査では人口の9.7%,つまり約10人に1人 とされています。この割合は,「左利き」「AB型」に近い割合です。当事者の存在が過小に推測されがちな背景には,相当数の当事者が当事者であることを公言していないことにあります。満島さん自身も小学生の頃「オカマ」と呼ばれ壮絶なイジメを経験しています。当事者の3人に2人が自殺について考えたことがあるという衝撃的な統計も存在し,当事者の孤立は深刻です。
现行の地方自治体によるパートナーシップ制度には法的効力は无いため十分とは言えず,最近成立した理解増进法も,政府の権限で当事者の社会运动を规制する余地があり,満足なものとは言えません。
セックスとジェンダーの関係性
近年の社会では生物学的性(セックス)を社会的性(ジェンダー)に先立つより本质的で安定したものとみなす动きがあります。现在は外性器の形状のみで性别を决定していますが,分子生物学の进歩により性决定のプロセスが长期にわたる细かい作用の折り重なりにより行われることが明らかになり,一块としてのセックスは生物学的事実の中には存在しません。そもそも生物の性は多様な「セックス」から成り立っているのです。
現代のフェミニズムを推し進めた「ジェンダー?トラブル」の著者であるバトラーは,生まれ持った生物学的な性(ここて?言うセックスにも該当)だと思われているものは、実は「生まれ持った」という印象すら社会の中で作られているもの (ジェンダー) だと主張しています。つまり,ジェンダーとセックスは不可分であり,生物学という科学が人間の営みである以上,文化的な要素も孕んでいるセックスだけが不可逆で不変のものではないのです。
満島さんは『生物学的性(セックス)についての知識もジェンダー同様アップデートされ,「科学による意にそぐわぬ差別」を回避するためにも,科学技术コミュニケーション的な取り組みが必要なのではないでしょうか。』と,この講義を結びました。


あとがき
「困っている人たちが言わないと议论は始まらない。だから,少数者からの问题提起はすごく重要なんです」(荒井裕树 『障害者ってだれのこと?』から)マジョリティ/マイノリティは人数の大小でなく,社会的に强い力を持ち,メジャーかどうかで决まります。それゆえ,仕组みを整え,场を仕切る侧がマジョリティであるなら,苦しんでいる侧から声が上がらないと社会は変わらないと,文学と障害者文化の研究者である荒井氏は主张しました。性的マイノリティをめぐる昨今の状况についても,同じことが言えるのではないでしょうか。
笔者が4回生の冬,进まない卒业研究とつのる孤独感に耐えかね,豊平川に向かったことがありました。しかしふと,どうせ死ぬなら宵越しの銭は持たぬと思ってその夜访れたのが,満岛さんのお店の系列店であるセクシャリティフリーのダイニングバー「7丁目のママ」でした。そこで,愚痴を话すうちに,「一生悬命勉强や仕事を顽张った结果结婚できなくて1人になるなら今死にたい」とこぼしてしまいました。
その时のキャストの方からの言叶が,心に残っています。「何言ってんのアンタ,そんなのアタシ达はみんな一绪よ,结婚できる権利もないんだから」と,飘々と言われたのです。私は自分のあまりの无神経さに穴が无くても掘って入りたいような,大変申し訳なく耻ずかしい気持ちでいっぱいになり,あれ以来,无神経な私とたくさん话をしてくれた皆さんへの感谢を,どのように表现したらよいか,度々思い出しては考えていました。このレポートを书き,学びを深めることが,少しでも赎罪になればよいと思っています。また,レインボーのアイテムも早速买い,微力ながら応援することにしました。おしゃれなアクセサリーも多かったので,皆さんもぜひ。