
9月29日の讲义では、熊本県の川辺川ダム建设问题について、フリーライターの高桥ユリカさんにお话しいただきました。高桥さんは、雑誌の编集者を経てフリーのジャーナリストになった方です。当初は医疗问题について取材し着述されていたのですが、水俣病の问题を経て、川辺川ダム建设问题にたどり着いたそうです。
川辺川は熊本県南部を流れる一级河川で、人吉で本流の球磨川に合流して八代海に注いでいます。川辺川ダムは1966年に、利水、治水、発电を目的に计画されましたが、40年以上たった今も工事は始まっていません。このダムは群马県の八ッ场ダムとともに昨年の众议院选挙で民主党のマニフェストで建设中止とされています。
高橋さんは、ダム建設を推進する国土交通省と反対派のやり取りを10数年前から取材してきたそうです。行政官や地元住民が参加した住民討論集会などの中で、国のダム政策の矛盾点が次第に明らかになってきました。反対派は専门家と共に川辺川ダムの治水効果を科学的に検証し、球磨川流域のダム周辺の様子や八代海への影響などの環境の変化を調べ、ダム建設反対の論拠となる多くの資料を作成したそうです。残念ながら科学的な議論が根拠にはなりませんでしたが、2007年にはダム計画はすべて白紙になりました。それでもすぐに問題は解決されずに、現在やっと、ダムによらない治水策が決まりつつあるところです。*

川辺川ダム建设问题は日本の他のダムにも当てはまります。社会资本整备初期の高度経済成长时代には、大きなダムを造って利水、治水、発电に寄与すると同时に、地域に雇用や产业を生み経済が润いました。しかし、当时はダム建设によって流域环境が今のように変化するとは予测できなかったのです。现在は社会経済情势が大きく変化し、河川に対する人々の考え方も変わってきました。一方で、川による被害を受ける代わりに恩恵も受けながら、川と共に生きるという考え方があります。これは、笔者が访れた有珠山周辺地域で感じた「火山との共生」に近い考え方です。他方、ダムによって流域全体が大きな影响を受けることがわかってきました。そこで、ダムに頼らない复数の治水方法を组合せた対策が求められるようになったのです。
技术的判断より政治的判断で决定されることが多い公共事业ですが、防灾や利水と环境保全を両立できる事业を実现し、その効果について説明することが、技术者に课せられた使命であると感じました。今年3月、球磨川下流の荒瀬ダムが撤去されることが正式に决まりました。今后、ダムの撤去方法や撤去されたあとの流域の変化が注目されます。
レポート:高桥麻理(选科生)
* 白紙となった背景には、球磨川漁協がダム着工に反対したため漁業権などの強制収用が申請され、一方、ダム利水に反対する農家が起こした裁判で国が負け、川辺川ダムの事業認定が無効になり、国交省が法的な手続きに入れなくなった事情があります。それで世論も喚起され、2008年に熊本県知事が白紙撤回を発言しました。