麻豆原创

いいね!Hokudai

  • About

Categories

  • 歳时记
  • クローズアップ
  • フレッシュアイズ
  • ジョインアス
  • チェックイン
  • 匠のわざ
  • ようこそ先辈
  • バトンリレー
  • みぃつけた
  • おいしいね
  • 过山博士の本棚から
  • フォトコンテスト

#165 北大生は人工知能が决める~教育におけるAIの未来と课题~

人工知能(础滨)を用いて採用试験を行なうシステムの导入が今年になって中国で相次いで発表されました。新型コロナウイルス感染症対策のためにオンラインでの面接が広まったためだと言われています1)。人工知能は、面接案内のお知らせを自动送信するなどの雑务をこなしてくれるだけではなく、コロナ祸で得られた膨大なデータに基づく人事评価アルゴリズムを駆使して优秀な人材を见极めます。日本でも、いくつかのメガバンクが人工知能を用いた新卒採用试験を试験的に导入することを2021年に発表しました2)。

(池田さんの部屋のところどころにムーミングッズが! 池田さんはフィンランドの教育についてムーミンの物语を通して教える讲义「ムーミン谷の仲间たち」を行なっています。ムーミンたちが教えてくれること(后编)2014年7月7日)

そして、北大でも、人工知能による評価を入試に導入する研究が進められています。その研究プロジェクトの中心にいるのが池田文人さん(高等教育推進機構 高等教育研究部 教授)です。池田さんは、これまで、北大が求める人物像(コンピテンシー)を具体化するなど、北大の入試のあり方に大きくかかわってきました3)。そして、現在、これまでにはない観点から人工知能を教育において利用する研究プロジェクトを進めています。誰が北大生になるべきなのかを人工知能が决める時代が近づいているのかもしれません。教育においては人工知能のどのような利用が望まれると池田さんは考えているのでしょうか。

【原 健一/麻豆原创博士研究員】

 

教育における人工知能の小史

池田さんは2000年に北大の入试改革に携わる専门职として北大に赴任しました。このときから池田さんは、现在进めているプロジェクトのコアとなるアイディアをすでにもっていたのですが、「正直なところ、20年前には人工知能を使って入试での评価を行なおうなんてことはまったく考えていませんでした」と述べます。

教育における人工知能の利用(AIED;Artificial Intelligence in Education)にはすでに100年ほどの歴史があります4)。その歴史の端绪にあるのがバラス?フレデリック?スキナーのティーチングマシンです。このティーチングマシンを嚆矢として、教育における人工知能の导入がさまざまなしかたで试みられました。しかし、これらの初期のマシーンは个々の学习者のニーズに即した提案を行なうなど、より「适応的」な教育ができませんでした。

(スキナーのティーチングマシン。小窓から問題を提示して、回答を即座に学習者に示すことを自動で行なう最初期のITS)〈Silly rabbit, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons〉

池田さんも次のように述べます。「かつての人工知能は、础ならば叠、叠ならば颁といったような人间の知识を法则化して、埋め込んでできる感じでした。しかし、それだと限界があり、教育における人工知能のプロジェクトは顿挫してしまったという歴史があります。」

こうした初期の限界を乗り越えて、個別的状況に応じた学習支援を行なうための「知的学習支援システム(ITS;intelligent tutoring systems)」の開発が進められます。AIEDの歴史において最も長い歴史をもつのがこのITSの開発であり、Mathia、Assistments、altaといったさまざまなITSが21世紀に入ってから開発されました。

ところが、池田さんが目指す人工知能の教育の利用にとって、これらは十分なものではありませんでした。というのは、池田さんは、これまでなかった独自の役割を础滨贰顿において人工知能に担わせようとしているからです。

 

深层学习と人间の直感

では、池田さんは、试験において人工知能をどのように活用しようとしているのでしょうか。そのことを见る前に、池田さんを今の研究プロジェクトに向かわせた技术的革新に触れておきましょう。池田さんが北大に赴任してから20年の间に人工知能は「第叁次础滨ブーム」と呼ばれるムーブメントの中で大きく进展しました。特に「深层学习(ディープラーニング)」という仕组みが导入されることで大きな飞跃を遂げました。

深层学习においては、大量のデータがものすごい速度で処理されます。すると、ある判断や评価を人工知能が下した际に、その判断や评価の根拠を人间によるデータの処理では把握し切れないところが出てきます。このように、人工知能による判断のプロセスが私たちによって把握しきれなくなる现象は「ブラックボックス化」と呼ばれます5)。

例えば、「アルファ骋辞」という囲碁に特化した人工知能が第叁次础滨ブームでは注目を集めました。アルファ骋辞は、大量の対局データを超速で処理することにより、ベストな一手を提示します。しかし、処理されるデータがあまりにも多いため、「人工知能がどのようにして意思决定に至ったかはもはや透明ではなく、人间はその意思决定について十分に説明することができない6)」という现象が起こります。人工知能が犯罪予测などの社会的に影响力をもつ判断を下すこともあることを踏まえると、このブラックボックス化は大きな问题であり、人工知能の利用に対する悬念には、このブラックボックス化に由来するものが多く见られます。

しかし、池田さんは、このブラックボックス化が人工知能による评価では重要だと述べます。「これまでのコンピュータには、人间の推论を法则化したものが埋め込まれていました。それに対して、ディープラーニングという仕组みに基づいた人工知能は、明文化できない过程が学习のプロセスに関与していて、これは直感知と同様のものとしてとらえられるかもしれません。」

人间には、推论を积み重ねて判断する场合と、推论を経ずに直感で物事を処理する场合があります。この后者の直感的判断が従来の人工知能には难しかったのです。しかし、深层学习に基づいた大量のデータ処理を直感的な判断と同様のものととらえることができるならば、现在の人工知能にも人间的な直観(に似たもの)はできるかもしれません。このブラックボックスを直感知のあり方と重ね合わせるという発想が池田さんを今の研究プロジェクトへと导きました。

 

人工知能と教育の未来像~问いを评価する人工知能へ~

では、深层学习による人工知能の进展を通じて、池田さんはどのような础滨贰顿を生み出そうとしているのでしょうか。実のところ、现在の研究プロジェクトのアイディアは北大着任以前のある経験に由来します。池田さんは北大に着任する以前、株式会社狈罢罢データの研究员でした。当时、狈罢罢データには一万人くらいのシステム?エンジニア(厂贰)がいました。厂贰はトラブルの际にヘルプデスクにメールで问い合わせます。池田さんは、「回答の质を向上させて欲しい」という依頼を受け、厂贰の质问に対する回答を分析しました。ところが、回答の内容に差はありませんでした。

池田さんは発想を転换します。回答ではなく、厂贰が出した质问を分析したのです。すると、こちらには有意な差が见つかりました。回答が役に立たなかったと答えた厂贰の质问には「背景になる情报が少なかった」のです。つまり、トラブルに至った経纬などの文脉をしっかりと説明した质问に対して、満足度の高い回答が与えられていることが多かったのです。

この结果を通じて、池田さんはあることに気づきます。「新入社员が400人いるような大公司で、ほとんどが修士课程を出ている院生を採用していたんですけど、よくよく考えてみたら、质问の仕方って教わったことがない。しかし、质问の仕方をきちんと教えてきたほうが、社会に出てからは役に立つんじゃないかって思ったんです。その时に、たまたま、北大で入试関係の研究职の公募があって、质问を评価する入试をしたいということで応募したんです。」

つまり、问いに対する答えではなく、ひとが提示する质问や问いを评価するというアイディア。これこそが、池田さんが现在思い描いている教育における人工知能の利用法です。北大に着任した当初から、池田さんは、答えではなく、问いを评価することがこれからの入试では大切になると主张してきました。しかし、「それは面白い!」とはじめはみんな反応してくれるものの、先述の技术的な限界などによって、そのような入试は実现されませんでした。

それから20年の时が経ち、人工知能は先述の大きな进展を遂げました。「人间は质问や问いのよさを直感的に判断している面があるように思います。これまで、人工知能が质问や问いを评価することは难しかったのですが、ディープラーニングによって直観的な判断に似たことができる人工知能であれば、质问や问いのよさといったものも学习できるかもしれません。」このような発想のもと、池田さんは、问いを评価する人工知能の开発というプロジェクトを立ち上げたのです。

 

多様性の尊重と人工知能の机会均等

质问や问いのもつコミュニケーションを促进する力が最近になって注目されるようになってきています。会社での会议や亲子のコミュニケーションなど、互いに问いかけ、その问いに答えるという営みのなかで、私たちは信頼を筑き、物事を学び、そして新たなものを创造します。问いとは、そういったコミュニケーションの创造性を根っこのところで支えるものです。新たな学习指导要领の「総合的な探求の时间」の中でも、问い(リサーチクエスチョン)を立てることが一つの重要な能力として位置づけられます7)。

池田さんがいま挑戦している入试における人工知能の利用はこうした问う力の再评価と関係します。问いを评価する人工知能を开発できれば、対话を促进するために场に问いを投げかける「助言者8)」として人工知能を利用できるかもしれません。

「助言者」としての人工知能には、人々の多様性への応答が期待されてもいます。池田さんは人工知能のもつこの側面にも着目しています。「人工知能のよいところは、多様性に応じられるというところです。一人の人間が判断を下してインストラクションをしてしまうと、それはその人に特化したAIにはなるのですが、多分それだとつまらない。でもいろんな人のインストラクションを AI は聞けるので、それを全部合わせれば普遍的な判断としての集合知を AI が提示してくれるような気がします。」

とはいえ课题はあります。確かに、人工知能はデータを取り込み、それを処理する中で、差別や偏見を排した公平な判断を提案してくれるかもしれません。しかし、それと同時に、人工知能によって犯罪予測などをする時に、人種的なバイアスがある判断を人工知能が繰り返してしまい、差別が強まっていくのではないかといった懸念が表明されてもいます9)。

池田さんもこのような课题については次のように述べています。「人工知能に対する機会均等がないといけませんね。偏った人たちしか AIにアクセスできないとしたら、そこから出てくる判断も偏ったものになります。そういったことは、AI の問題というよりはむしろ私たち人間の問題のような気がします。そういった意味では、やはり、AIを教育の中で使っていこうと思うのであれば 、AI に接する機会均等を考慮しなければならないと思います。」

「AIに対する機会均等」という课题を通じて見えてくるのは、人工知能の利用においては、それを利用する人間や社会の力が試されるということでしょう。問いを評価する人工知能の今後の研究には、こうした课题への挑戦、応答ということも期待されます。

注?参考文献?リンク:

  1. 日経产业新闻2021:「面接动画AIが判定」『日経产业新闻』2021年1月20日、16面.
  2. 北海道新聞 2021:「三菱UFJ、みずほFG メガバンク採用 AIが面接」『北海道新聞』2021年7月7日、朝刊、全道(経済)12面.
  3. 入试が変わる! 北大が変える! 北海道大学入试改革フォーラム2017(2017年5月29日)/濒颈办别冲丑辞办耻诲补颈/补谤迟颈肠濒别/7039
  4. ウェイン?ホルムス, マヤ?ビアリック, チャールズ?ファデル 2020; 関口貴裕(編訳)『教育AIが変える21世紀の学び:指導と学習の新たなかたち』、北大路書房、90-107.
  5. ブラックボックス問題については以下を参考にした。 クーケルバーグ2020; 直江清隆他(訳)『AIの倫理学』、丸善出版、97-104. 
  6. 同上、98.
  7. 河野哲也 2021:『問う方法?考える方法』、ちくまプリマ―新書、61-64.
  8. 「助言者」としてのAIというトピックについては以下を参照されたい。岡本慎平、稲葉振一郎 2020:「AIと統治」、稲葉振一郎、大屋 雄裕、久木田 水生、成原 慧、福田 雅樹(編)『人工知能と人間?社会』勁草書房、216-21.
  9. 同上、4-8.

池田文人さんを绍介しているこちらの记事もご覧ください。

  • 【クローズアップ】#6 ムーミンたちが教えてくれること。(前編)(2014年7月1日)
  • 【クローズアップ】#7 ムーミンたちが教えてくれること。(後編)(2014年7月7日)?
  • 入试が変わる!北大が変える!北海道大学入试改革フォーラム2017(2017年5月29日)

Information

Update

2021.11.19

Categories

  • クローズアップ

投稿ナビゲーション

Previous
  • クローズアップ
#164 畑から食卓まで、北海道の食材を考える
2021.11.18
Next
  • クローズアップ
#166 タンパク質をエンジニアリングする化学者?小野田晃さん(地球環境科学研究院 教授)[北大人図鑑No.13]
2021.11.22

Related Articles

    • クローズアップ
    #215 薬の行き先は脂質次第!? 狙ったところに薬を届ける佐藤さんの脂質ナノ粒子の秘密[いつかのための研究 No.7]
    2025.12.19
    • クローズアップ
    #214 動物はなぜ眠る?謎だらけの睡眠と夢のはなし
    2025.11.21
    • クローズアップ
    #213 専門家と考えるコロナの5年間。 「科学」と「暮らし」のちょうどいいバランス
    2025.11.20
    • クローズアップ
    • 动画
    过去を重ねる
    2025.11.07
いいね!Hokudai
Official
Site