10月21日(日)に公開シンポジウム「秘められた北の動物誌~海?川?森にその生態を追う」を総合博物館ホール(知の交流)で开催しました。北海道を主なフィールドとする3名の研究者が、クジラ?シマフクロウ?エゾシカの研究についてお話し、その後、65名の来場者と対話しました。
生物学の面白さ、北海道というフィールドの面白さ
本イベントは、当初9月15日(土)に日本动物学会第89回札幌大会と同日开催の予定でしたが、北海道胆振東部地震によって延期実施されました。山下正兼 札幌大会実行委員会 委員長(理学研究院教授)はその経緯を説明しつつ、生物学において生き物を直に見る意義と、なによりその面白さについてお話をして、冒頭の挨拶としました。
続いて20分ずつ、3名の研究者が话题提供をしました。いずれも北海道をフィールドに研究をしている若手?中坚の研究者で北海道大学出身です。しかし、その分析対象や手法はそれぞれ异なっており、动物学研究の幅広さを感じさせました。
浜辺の科学捜査班~イルカの最后の晩餐は~
北海道周辺の海には、40種類ものクジラが棲息しています。松田純佳さん(水産科学研究院/日本学術振興会 特別研究員(PD))はこの地の利をいかして、クジラの食性研究をしています。研究には、ストランディング、つまり浜に座礁?漂着した個体や、漁で混獲されてしまった個体を用いています。
松田さんは、行政や市民の方からストランディングの连络が来たら、全道各地へ可能な限り急行します。そのサンプリングの様子を、豊富な写真を示しながらお话ししてくれました。胃の内容物の分析と、筋肉などの安定同位体比の分析を行ったこれまでの研究から、様々な种类のクジラは、沿岸から外洋、表层から低层までの空间で、异なる饵を食べてすみ分けていることがわかったそうです。
顿狈础から読み解くシマフクロウの歴史
表 渓太さん(北海道博物館 自然研究グループ?学芸員)は、全道各地のシマフクロウだけではなく、博物館に収蔵されている100年以上前の剥製からもDNAを抽出して分析をしていました。そのなかには、なんと1940年代に北大の札幌キャンパスで獲られたシマフクロウもあります。
表さんの研究により、现在のシマフクロウは遗伝的多様性が着しく减少していることがわかりました。例えば阿寒地域には1980年以前には4种类の遗伝的タイプがありましたが、现在は1种类しかありません。现在、个体数は若干増えつつありますが、遗伝的な多様性を维持するためには、生息地间の交流を促すことが必要、とお话をされました。
杀して活かす、エゾシカ学
最後のお話はエゾシカです。松浦友紀子さん(森林総合研究所 北海道支所 森林生物研究グループ?主任研究員)は、行動観察と解剖を用いてエゾシカの繁殖を研究し、現在もその専門を生かしてお仕事をされています。
エゾシカは1歳以上のメスはほぼ100%妊娠しており、自然死亡率は低いことから、非常に増えやすい动物と言えます。増えすぎたエゾシカは农作物を食べてしまうだけではなく、森林の生态系にも大きな影响をあたえてしまいます。个体数を适切に管理するためのひとつの方法は、エゾシカを卫生的においしく食べること。松浦さんはそのための研究にも取り组んでいます。「みなさん、エゾシカをおいしく食べてください」と言う言叶でトークは缔めくくられました。
来场者との対话
10分の休憩時間の間に、来場者の方々には质问カードを書いて頂きました。後半40分はこの质问カードを使いながら、登壇者と来場者が対話する時間です。以下に一部を簡単にまとめてお伝えします。
(质问はホワイトボードに貼り、司会がそこからピックアップして質疑を進めました)
蚕 死んだイルカの解剖はくさそうですが、鱼を食べたくなくなることはありませんか?
础 だんだんお肉に见えてくるので逆にお腹がすいてきます(笑)(松田さん)
蚕 シカ肉の料理でどんな料理がおしいいですか?
础 基本的に脂が少ないお肉なので、カツが失败しない美味しいたべかたですね(松浦さん)
蚕 シマフクロウの遗伝的多様性を増やす方法とは?
础 シマフクロウは川に沿って移动します。饵も川の鱼なので、川の保全が重要になるでしょう。(表さん)
蚕 个体数の适切な管理の上で猟友会や一般のハンターの人达との协力体制は?
础 私自身もハンターですし、情报を共有して捕杀をしています。とくに北海道のハンターはすごい数のシカを获ってくれているので、个体数管理に非常に贡献してくれる存在です(松浦さん)
础 研究结果を関係官庁と共有したり、提言したり、ということはしていました。ただ、なかなか実现まで持っていくのは难しいです(表さん)
础 ストランディング研究は「クジラが打ち上げられてるよ!」という一般の人からの情报がないと成り立たないですね。ぜひ御协力をおねがいします(松田さん)
蚕 入学の时の勉强法などを教えてください
础 うーん(笑)。これという方法は&丑别濒濒颈辫;。例えばフィールド研究をしたいなら今のうちから山歩きをしたりして体力をつける。そうするとできる作业量が他の人と大分かわってきます(表さん)
础 入った后のことも大事かなと思います。そういう意味で今からやりたいことがあるというのはいいですね。がんばってください!(松浦さん)
アンケート结果
アンケートには52名の方々に御协力をいただきました(回収率80.0%)。回答者のうち多かった层の上位は、16词25歳女性(11名?21.2%)、66歳以上男性(9名?17.3%)でした。イベントの満足度は、「満足」31票(59.6%)、「どちらかというと満足」14票(26.9%)、「どちらでもない」1票(1.9%)でした。
また、以下のような感想が寄せられました。
- 「発表者の方の説明がとてもわかりやすく、研究の背景などがはじめに写真や映像で説明してくれたので、内容が入ってきやすかった」
- 「研究的なデータと、现场を知るハンターさんや地域の人との连携に兴味をもちました」
- 「生物学部に所属する学生として分野の异なる研究について知ることができて良かったです。私も研究したいという热意が大きくなったので、今后の勉学の源动力を大きくするとてもよい机会になりました」
- 「质疑応答がとても长かったことはとても有意义だった」
全体としてご好评を顶けたようです。震灾で延期されましたが无事実施することができました。来场者の皆様、関係者の皆様に感谢申し上げます。
(登坛者とスタッフ一同)
メディアでの报道
当日の様子は10月22日(月)の北海道新聞夕刊にも下記のタイトルで掲载されました。
「イルカの「晩餐」、シマフクロウ分布&丑别濒濒颈辫; 北の动物の生态 3研究者が解説 札幌で学会シンポ」






