熊谷まりな (2018年度 本科/学生)
今回の讲义は理学研究院で科学哲学を研究している松王政浩先生をお招きしました。松王先生は以前颁辞厂罢贰笔の部门长をされていた経験があり、现在はオープンエデュケーションセンターのセンター长を务めています。そんな颁辞厂罢贰笔とのつながりが强い松王先生に「科学を噛み砕く」とは何かをお话していただきました。
「科学を噛み砕く」の一般的な意味ともう一つの意味
一般的に「科学を噛み砕く」とは、科学论文などで述べられている内容について难しい部分を省略したり、例示を使ったりすることでわかりやすく非専门家に伝えることとして认识されています。しかし、本当にこれだけで「科学を噛み砕く」ことができているのでしょうか?
「科学を噛み砕く」にはもう一つの意味があると松王先生は述べました。科学论文にはその分野の専门家にとって暗黙の了解となっている「前提」がありますが、一般の人が知りたいことが実はそこにある场合もあります。つまり、その「前提」をわかりやすく伝えることこそが、「科学を噛み砕く」のもう一つの意味なのです。
これは科学技术コミュニケーションにおいて非常に重要な考えですが、论文などで直接的には語られていないことを伝えるのは難しいことです。そこで、このような問題に焦点を当てた学問である「科学哲学」の考えが科学技术コミュニケーターにも必要となってくるのです。
「前提の噛み砕き」が必要な二つの例
「前提の噛み砕き」が必要となる场合について、松王先生は二つの例を出しながら説明しました。
一つ目は原因究明や因果関係の判断に関わる科学的研究で、恐竜絶滅の原因やジカ熱と小頭症の因果関係を解明することなどが事例として挙げられます。事実を列挙しただけでは非専門家がそこに因果関係を見出すことは困難であり、その判断理由(前提)も含めてわかりやすく伝えることが科学技术コミュニケーターの役割だと松王先生は述べました。
もう一つの例は、気候変动や情报などに関する研究のような、社会への情报提供が求められる科学的研究です。データをただ开示されただけでは、自分たちがどうすべきなのか一般の人々にはわかりません。そのために「前提の噛み砕き」が必要となってきます。しかし、科学者は社会や人々に対してどう动くべきかまで提示(価値判断)すべきではないという意见もあります。この问题に対して松王先生は価値判断していい场合としてはならない场合の整理を试みており、それによって「前提の噛み砕き」がしやすくなっていくのではないでしょうか。
科学技术コミュニケーションと科学哲学
私は科学哲学という分野を今回初めて知りましたが、この講義によってその必要性と面白さに気付かされました。科学技术コミュニケーションを学ぶ身として、社会と科学をつなぐ科学哲学についてもっと勉強していきたいです。
松王先生、贵重なお话をありがとうございました。


