出版社:岩波新书
出版年月日: 2011/6/22
価格:778円
この本は、東日本大震災直後から「大震灾のなかで私たちは何をすべきか」と自問自答しながらも現地で活動を続けた33名が、震災の意味、復興の形を綴った文集です。著者は、小説家の大江健三郎さんや精神科医の中井久夫さんをはじめ、医師、ボランティア、作家、学者など多様な立場の人たちです。編者である内橋克人さんの言葉から始まり、「3.11は何を問うているのか」「命をつなぐ」「暮らしを支える」「復興のかたち」の4つのテーマでまとめられています。
内桥さんは新闻记者を経て、现在は経済评论家として、本の执笔やテレビのコメンテーターなど、様々なメディアで评论活动を行っています。最近では、2016年4月に狈贬碍の番组に出演し、「市场原理至上主义(新自由主义)が、地域社会の衰退や贫困、社会の分断をもたらしてきた」と日本経済の问题を指摘しています。
内橋さんは、この33名の文章から何を伝えようとしているのか。タイトルである「大震灾のなかで私たちは何をすべきか」の答えがそこにはあるのでしょうか。内橋さんは「序のことば」の冒頭で、このように述べています。
「灾害はそれに袭われた社会の断面を一瞬にして浮上させる。东北、北関东一帯を见舞った地震、津波、それに追い打ちをかける原発事故の“巨大复合灾害”は、日本という国と社会の実相を余すところなくさらけ出した。灭多なことで人の目に触れることない真の“断层”の姿に违いない。」
地震はきっかけに過ぎません。震災による被害の原因は、震災そのものではなく、今の日本を作っている科学技术や制度の中に潜んでいる問題にあります。内橋さんはそれを “断層”と表現しています。“断層”とはいったい何なのでしょうか。1つ目の「3.11は何を問うているのか」では、その“断層”の実態について触れられています。
“断层”という大きなものが私たちの生活に与える影响は、想定外の场所で起きています。突然の死、家族と离れて知らない人との生活。2つ目と3つ目の「命をつなぐ」「暮らしを支える」では、今の日本で生きることの困难さと、それに向き合う人々の姿が书かれています。
「被灾者にとって、被灾地は“生活”の场だが、それ以外の者にとって。被灾地は“事件”の场だ。“事件”の现场と思って赴くと、そこには“生活”がある。あたりまえのことに不意を衝かれる感覚。」
着者の1人である、汤浅诚さんの言叶です。この感覚の差が生み出すものによって、间违った方向へ復兴が进められています。4つ目の「復兴のかたち」では、あるべき復兴の姿について书かれています。
东日本大震灾以降も、熊本など各地で大きな地震が起きて被害を出しています。その中で、わたしたちは何をすべきか。向き合うべきは、地震の惊异ではなく、これからの日本がどのように発展、そして衰退していくのか、その背后にある要因なのではないでしょうか。私たちの身近にあたりまえのようにあるものが、灾害をきっかけに生活をおびやかす存在となるかもしれません。
この本を通して、改めて自分の生活について考え直してみてはいかがでしょうか。
岩崎祥太郎(颁辞厂罢贰笔13期本科ライティング)
