実践+発信

ミラーニューロン発见 「物まね细胞」明かす惊きの脳科学

2013.3.18

著者:マルコ?イアコボーニ(塩原通緒 訳) 著

出版社:20090500

刊行年月:2009年5月

定価:1300円


 映画の中の悲しい场面を见ていると、まるで自分のことのように悲しみがこみあげてくることがありませんか。楽しそうにしている人を见たとき、なぜだか自分も楽しくなりませんか。日常生活の中で多くの人がこのような経験をしています。では、私たちはなぜ、相手の気持ちがわかるのでしょうか。

 

 

 人が笑ったり泣いたりといった动作を起こすとき、脳内では、运动をつかさどる领域が活性化されています。この领域は、他人が动いているのを见ただけでも活性化されるのです。このとき活性化しているのが「ミラーニューロン」と呼ばれる细胞たち。ミラーニューロンによって运动をつかさどる领域が活性化すると、それは感情をつかさどる领域の活性化につながります。つまり、ミラーニューロンがあるからこそ、相手の行动を见ただけで、あたかも自分がその行动を行ったかのように、动きと、それに伴う感情を脳内でシミュレーションすることができるのです。この脳の一连の働きによって私たちは、相手を理解することができるのです。

 

 

 本書は、ミラーニューロン研究の第一人者によって書かれた本です。サルを使った実験で偶然発见されたといういきさつから、実社会での役割、医療への応用まで幅広く紹介しています。

 

 

 私たちの「成长」にもミラーニューロンが関わっています。脳内での行动シミュレーションは、他人の行动をまねすることに役立つからです。赤ちゃんは、ミラーニューロンの働きによって他人の行动をまね、学习し、知性を育てます。このことは、赤ちゃんに限りません。大人も他人をまねることで学习し、料理やスポーツなど日常的なことから、伟人の生き方を学ぶときまで、幅広く自分を成长させることができるのです。

 

 

 しかし、ミラーニューロンがあるために発生する问题もあります。暴力映像を见せられた集団と见せられていない集団では、见せた集団で犯罪率などが多くなる倾向にあります。薬物では、一度足を洗ったとしても、他人が薬物を使用する映像を见ることにより、再び薬物へ手を染めてしまうことがあるといいます。

 

 

 さて、相手を理解するため、または自己の成长に重要なミラーニューロンですが、これが働かないとどうなるのでしょうか。この本では、自闭症という発达障害との関係が绍介されています。自闭症患者は、相手が行っている动きを认知し、まねすることはできますが、ミラーニューロンの障害により感情のうごきまで脳内でシミュレーションできないのです。しかし、相手の行动を认知できることを利用して、自闭症患者自身をまねることにより、相手に意识を向けたり、相手のまねをはじめたりなど、コミュニケーション的行动などの社会的能力が向上するという研究结果が绍介されています。

 

 

 相手の行动を自分の中でシミュレーションし、相手を理解する。私たちが日常的に行っていることに、ミラーニューロンをはじめとする脳の复雑な机构が関连していることがわかります。人间の社会性について、神経科学から深くきりこんだ本书を読んで、科学の可能性を感じてみませんか。

 

 

青井良平(2012年度颁辞厂罢贰笔选科生 北海道)