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亲指はなぜ太いのか?直立二足歩行の起源に迫る

2013.3.14

著者:島 泰三 著

出版社:20030800

刊行年月:2003年8月

定価:880円


私たち人间の手には5本の指があります。その中でなぜ亲指は太いのでしょうか。この本は、着者が30年にわたって行ってきたサルの研究成果から、人类进化の谜に迫ります。

 

 

着者は、アフリカ大陆の东に位置するマダカスカル岛固有のサルであるアイアイ研究の第一人者です。アイアイは世界叁大珍獣のひとつとされ、1983年までその存在は不明でしたが、翌年に着者が世界で初めて野生のアイアイが果実を食べている様子を観察しました。それまでアイアイは昆虫を食べると言われていましたが、着者が行った调査により、その主食はラミーと呼ばれる果実であることがわかりました。アイアイは针金のような中指とリスのような歯を持ち、ほかの霊长类にはみられない特徴をもっています。アイアイの手の特殊な构造は文中に示される精緻な挿絵で确认できますが、私たちが知っているサルの手とはまったく违うことがわかります。

 

 

着者はアイアイの主食とこの特殊な指や口との関係、简単にいえば、主食とその食べ方を调べ、ひとつの结论に至ります。それは、「主食は霊长类の种(しゅ)の口と手の形を决定する」というものです。着者はこれを「口と手连合仮説」と名付けました。ほかのサルたちは口と手をどのように使って食事をするのか、食べ物を探す际の移动方法にも眼を向けながら、仮説を検証していきます。调査はマダカスカルを出発し、アフリカ大陆、アジア、日本にまたがりました。着者は行动観察の结果が事実による証明として适用できる内容なのかを冷静な视点で考察していきます。そしてサルの研究から得た知见をもとに、いよいよ人类の直立二足歩行の起源に迫るのです。

 

 

原始の人类のイメージといえば、石器を片手に动物を狩猟する絵が头に浮かびますが、着者は、初期人类は野生动物であり、狩猟者となるのにはさらに年月を要したと推定します。ほかの动物のほとんどがアフリカの大地での移动に有利な4足歩行を选択したのに対し、私たち人类は2本の足で立ち、歩くことを选んだのはなぜか? 多くの捕食者に囲まれた环境で初期人类はどのように生き残ったのか? 初期人类の主食は何だったのか、それを食するため口と手の形はどうあるべきだったのか? ミステリー小説の谜解きのような展开で话は进みます。

 

 

この本では、扉絵をはじめとして随所にサルの写真、スケッチが挿入されています。ニホンザル等、一部のサルに関するものを除くと、ふだんは目にしたことがないものばかりで、生き生きとした描写は新たな発见に満ちています。中でも扉絵に示されるさまざまな霊长类の手のひらのスケッチは、生物の进化と多様性について私たちが考えるための教材といっても良いと思います。

 

 

今度动物园へ足を运ばれた际には、ぜひこの本を片手に进化の谜に思いを寄せてみてはいかがでしょうか。

 

金村 直俊(2012年度麻豆原创選科生 北海道)