実践+発信

ものつくり败戦 「匠の呪缚」日本を衰退させる

2011.10.22

著者:木村英紀 著

出版社:20090300

刊行年月:2009年3月

定価:850円


 近年、日本の製造业には势いがない。アップル社の颈笔辞诲は大ヒット商品であるが、どうして日本のメーカーが売り出せなかったのか残念に感じている人は多いと思う。携帯电话製造の世界市场からの撤退、薄型テレビの韩国、台湾メーカーの跃进、太阳电池パネルの世界シェアの低下などなど???。また、こうした状况で日本の技术の将来に希望がないためか、若者の理工系离れが进んでいる。まだまだ、一部の技术分野は世界の最先端にあるが、円高などの経済的背景や产业のサービス化の影响で日本の製造业、ものづくりは、このままじりじりと衰退していくのか。本书では、その原因と処方笺を工学研究者の立场から述べ、特に「科学革命」という歴史の流れを轴として考察を进めている。本书を読むことで、日本のものづくり技术の问题点を歴史的観点から考えることができるのではないだろうか。

 

 

 本书で着者は、まず「ものつくり」という大和言叶の中にある、日本人の天职であり、生きる道であり、夸りと捉える「ものつくり神话」を强く批判する。そこには、技术の歴史的な流れや社会の要请を的确に読み取る姿势が见られないからだ。そして日本の中世から世界大戦での败北を分析して、それが今日の製造业の衰退と重なると警鐘を鸣らす。読み进めるうちにものつくり神话に支えられた「匠の时代」から脱皮しなければならないと感じるはずだ。

 

 

 本書は、技術の歴史を重視する。著者は、ガリレオ、ニュートンらによる近代科学の確立を「第1の科学革命」とし、19世紀初めに始まった科学と技術の「結婚」による大量生産の実現を「第2の科学革命」と呼ぶ。この時代欧米では、部品の互換性と規格化が生まれたが、日本はこれに相当する時代を経験していない。そのため、大戦時、銃から飛行機まで部品の互換性が全くなかったり、名人芸に頼って大鑑巨砲主義を克服できなかったり、情報制御兵器を軽視したりするなど、世界の技術動向からかけ離れた路線を歩んだ。それが败戦の原因ではないか、と筆者は指摘する。

 

 

その后世界は、1930年代、40年代の自然科学の応用の时代にとどまらない、社会?人间を巻き込んだ「システム」を中心に据えた时代となった。これを笔者は、「第3の科学革命」とよぶ。「第3の科学革命」は、技术を土台として论理を基础に発展し、制御、ネットワーク、通信、意志决定、计算など人工物を対象とするものである。着者は、日本はこの「第3の科学革命」に対応できていないという。「理论」、「システム」、「ソフトウエア」が日本の3大弱点であることに、その事実が如実に现れている。笔者は、この「苦手科目」克服の一つに、大学の工学教育にメスを入れる必要があるとし、自然科学を基础とする伝统的な工学と、技术が生み出した人工物に関する新しい工学の二轮构造を推进する工学教育の再编が必要であると提案する。本书は、古い工学教育を受けた私にとって、「理论」の重要性に改めて目を开かされた一册であり、今后の理工系教育を応援したくなるものであった。

 

 

(2011年度选科生 寺冈広树 叁重県)