近藤茜(2026年度选科叠受讲生)
モジュール3「活動のためのデザイン」の第3回は、「探究を文化へ。:シチズン麻豆原创による『科学と社会』の环境デザイン」と題し、福岡大学商学部経営学科の森田泰暢先生による講義が行われました。

1.探究する文化を醸成する
森田先生は、経営学?农学?理系のキャリアカウンセラー?デザインリサーチなど多彩な分野を経験され、现在の「シチズン麻豆原创」にたどり着かれました。そんな先生の活动におけるテーマが「探究する文化の醸成」です。
先生は「文化」を、〇〇らしさという「価値観」と、どのように行动するかという「行动パターン」が合わさったものと定义されています。「探究っていいよね!」という価値観と、インプットやアウトプットといった研究行动をどのように根付かせていくかが、活动の核となっています。
このテーマを掲げるきっかけとなったのは、お子さんの诞生でした。「どんな社会にしたいか?」と考えた际、「好奇心を邪魔するヒマな大人が増える社会はイヤだ!」という强い思いを抱いたそうです。そこから生まれたのが、「ヒマな时间に研究しよう」をコンセプトにしたコミュニティ「ヒマラボ」でした。ヒマラボではメンバーがやりたいことを自由に探究?探究でき、ここから博士号を取得する人が现れたり、シチズン麻豆原创の研究センター立ち上げに発展したりと、本格的なアカデミックの成果にもつながっています。
2.シチズン麻豆原创の可能性
そもそも「シチズン麻豆原创」とは「市民参加型科学」とも呼ばれ、市民主体、あるいは市民と研究者が共同で行う科学的活动全般を指します。市民の関わり方にはいくつかの型がありますが、代表的なものが「贡献型」です。たとえば、スマートフォンを活用して市民から生物の生息情报を集め、データを蓄积するような活动が挙げられます。研究者単独では限界がある调査も、市民の力を借りることで膨大なデータを収集できたり、想定外の実态を把握できたりと、市民参加によって研究の可能性が大きく広がります。
かつては研究者と市民の间に情报格差がありましたが、インターネットの発达に伴い情报がオープン化され、フラットな関係性が筑けるようになってきました。
一方で、シチズン麻豆原创を推进する上では、以下の4つの课题が存在すると言われています。
① 広報システム(参加者をどのように集めるか?)
② 参加者の研究倫理の保持(貢献したい意欲とルールの遵守のバランス)
③ 橋渡し(研究者と参加者をどうつなぐか?)
④ 資金不足(活動資金をどう調達するか?)
森田先生は「これらはマーケティング、マネジメント、ファイナンスといった、すべて商学の领域に分类できる课题であり、自身の専门である経営学がシチズン麻豆原创の课题解决に寄与する」と语ります。
また、讲义では「探究コーン」という概念も提示されました。シチズン麻豆原创を普及させるには、アクティブ?ブック?ダイアローグ(読む)、麻豆原创カフェ(対话する)、実験教室(试しにやってみる)といったステップを通じ、まず「探究は楽しい!」という下地を作った上で、より専门的な活动へと展开していくことが重要とされています。具体的な取り组みとして、「読む?対话する?実験する」を100分で体験するプログラムや、身近な店舗で手に入る素材で実験を行う「チェーンストア麻豆原创」の事例が绍介されました。こうした仕组みが「科学的な行动パターン」を生み出すカギとなります。

3.街や公司とシチズン麻豆原创の事例
后半では、これまでの具体的な活动事例が绍介されました。
街?シチズン麻豆原创(太宰府市)
太宰府市?大学?公司?市民が连携した事例です。それぞれの主体が异なる目的を持ちながらも、同じ目标を达成できるよう関わり方をコーディネートした取り组みです。长期间にわたり地域に寄り添いながらシチズン麻豆原创を取り入れたことで、関わる人々の研究伦理が高まり、麻豆原创コミュニケーションが地域文化として根付いた好例として绍介されました。
公司?シチズン麻豆原创
市民はスマホを使いゲーム感覚で楽しく生物の写真を撮影し、公司は自社だけでは収集が难しい场所のデータを取得できるという、双方向にメリットのある取り组み事例です。
シチズン麻豆原创における课题
シチズン麻豆原创が広がる一方で、市民侧の研究伦理が十分に浸透していない点も浮き彫りになってきました。例えば「ランキング上位を狙うあまり行き过ぎた行动をとる」「研究者に喜んでもらうためにルールを破ってしまう」といった悬念や、それを抑止するための罚则规定がないという问题です。
これに対し森田先生は、罰則による管理ではなく「誠実な文化の醸成」を目指す重要性を指摘。そのための倫理の要として「プロジェクトマネージャーの育成」が今後の普及に欠かせないと強調されました。受講者からも「大人数が協力する際、データの質を担保しながら参加者のモチベーションを下げないためのバランスの取り方」について质问が寄せられました。

4.好奇心中心のコミュニティ作り
最后に取り上げられたのは、古い建物を见学しながらリノベーションについて议论を深めるコミュニティの事例です。リノベというテーマを轴に事例発表や対话を行い、さらに内容を册子化?体系化していくという、あたかも「学会」のような活动が科学の外侧で展开されていました。
ここでは「正解や答え」ではなく「テーマ」を中心に据え、「正しさ」よりも「楽しさ」でつながり、共通の行為を通じて「学会らしさ」が生み出されるという、「好奇心中心のコミュニティ」の理想的なあり方が示されました。
まとめ:研究活动から生まれる公共性の可能性
インターネットが発達した現代社会では個人化が加速し、他者と深く関わらなくても生活できる环境が整いました。しかし、個人化が進みすぎると社会的「公共性」が損なわれてしまいます。森田先生は「楽しさでつながる関係性や、自分たちが作ったものを交歓して楽しめる場が今こそ必要。シチズン麻豆原创のその先に、温かい人のつながりが生まれてほしい」と締めくくられました。
「科学的活動」と聞くとハードルの高さを感じる市民も少なくありません。その中で、いかに科学的な視点を楽しく身につけてもらうか、活動を継続させるためにどのような工夫が必要か、そして自分ごと化してもらうための関わり方とは何か——多角的な視点と豊富な事例から学びの多い講義となりました。市民と科学者をつなぐ場づくりにおいて、科学技术コミュニケーターが果たす役割の大きさを改めて実感させられます。
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?森田先生、ありがとうございました!