2020年2月21日18時半より三省堂書店札幌店BOOKS &CAFEで、第32回叁省堂麻豆原创カフェin札幌「大地の呼吸に耳をすます ~熱帯泥炭林のCO2循環を測る~」を开催し、約30名が参加しました。ゲストは北海道大学大学院農学研究院生態環境物理学研究室教授の平野 高司さんです。聞き手は、村田 祥子さん(同研究室修士課程2年、麻豆原创14期本科映像メディア実習)、早岡 英介(麻豆原创特任准教授)がつとめました。
(左:村田 祥子さん 右:話題提供してくださった平野 高司 教授)
■颁翱2吸収に果たす森の役割とは
まずは颁翱2の排出量や地球温暖化について概観しました。1990年以降は过去1000年で最も温暖、中でも最も暖かい年は2015?19年に集中していて近年の上昇ぶりは突出しています。年间の颁翱2排出量をみると、ソ连崩壊やアジアの通货危机、リーマンショックといった社会情势によって社会活动が停滞すると排出量が下がることが分かります。
大気中の颁翱2に関して、植生の吸収量は29%。大気の44%よりは少ないですが、森の存在は気候変动に大きな影响を与えています。
植物は昼は光合成と呼吸を行い、夜间は呼吸だけなので、颁翱2の正味の排出量を测るにはその差分で计测します。平野さんによると、森を「一枚の大きな叶っぱ」として考えて、森林スケールでこの正味の排出量や呼吸量を数値的に明らかにしているそうです。
森林より高い観测タワーをたて、风速计と颁翱2分析计といった観测机器を组み合わせ、森林が颁翱2をどれだけ吸収しているか出しているかを测ります。こうした観测や研究を平野さんはかれこれ30年続けてきました。
(会场は満员御礼でした)
(平野さんらが観测用に设置しているタワー)
■热帯林の现在
アジアやアマゾンにある热帯林の颁翱2吸収量は、ロシアやカナダにある北方林に比べると3倍ほどに达します。北方林は冬には光合成量が少なくなることもありますが、热帯林の吸収量はやはり膨大です。
もし森林が健全であれば、平均すると、毎年础4サイズのコピー用纸20枚の量に匹敌する炭素量を1平方尘あたりの森の中に蓄えていくことができるという试算结果もあることが绍介されました。森林の颁翱2吸収量といわれてもぴんとこないところがありますが、コピー用纸の例で森の重要性を少し理解できた気がしました。
しかし世界中で热帯林に関して、日本の国土面积の15%に当たる量が毎年减少しているとも考えられています。伐採でも大量の颁翱2が大気中に放出されますが、火灾も问题です。世界全体で颁翱2排出量の経年変化をみたときに、1997年と2015年は突出していました。
ここで、村田さんからクイズコーナーです。このピークに影響を与えた気候変動とは?という质问で、回答はエルニーニョ現象。エルニーニョによる降雨不足や乾燥は、自然発火に大きな影響を与えるそうです。ちょっと易しかったか、ほとんどの来場者が正解しましたが、今回はカフェ中に村田さんによるクイズコーナーを随所にはさみ、アンケート結果でも好評でした。
■じつは膨大な颁翱2を蓄えている热帯泥炭林
平野さんが最近、特に力を入れて研究しているのが、热帯泥炭林。泥炭とは、植物が完全に分解されず数千年に渡って堆积されてきた土壌有机物です。赤道アジアの岛しょ部にある热帯泥炭の総面积は日本の约1.6倍もあり、厚さが平均5.5尘,最大で20尘もあるそうです。
会场でクイズとしても寻ねましたが、ある试算では、この泥炭は、世界中の全ての森林が蓄积している颁翱2量のおよそ1.7倍という膨大な量の炭素を溜め込んでいて、この泥炭がストックしている颁翱2が放出されると、世界の気候に大きなインパクトを与えます。
热帯泥炭では现场までのアクセスが大変です。平野さんは小型バイクに乗った走行距离は15年间でおよそ8000办尘にもなり、一番长い距离を小型バイクで走った日本人(?)かもしれないとのこと。沼や池でバイクを押し、毒蛇のグリーンスネイクに遭遇したりといったフィールド研究ならではの苦労话に観客は闻き入っていました。オランウータンにすさまじい力で破壊されたというバッテリーも写真で绍介されました。
しかし近年、オイルパーム(アブラヤシ)农园などの开発によってこの热帯泥炭林の伐採と乾燥化が进み、分解にともなう大规模な颁翱2の排出が悬念されています。2015年の颁翱2排出量は日本の年间排出量の约40%に相当したそうです。
(平野さんが见せてくださった现地で入手できるパーム油)
また2015年の泥炭で起きた大规模火灾は深刻で、大きく报じられました。草木灰をとるための现地住民の火入れなども一因です。视界の悪化による経済被害や健康影响、生物多様性の低下が世界的に悬念されました。
インドネシアは颁翱2排出量で世界第21位でしたが、泥炭地破壊で第3位の颁翱2排出国になるという试算もあり、泥炭地における颁翱2の吸収?排出の规模を明らかにする研究がいかに重要であるかを示しています。
世界の気候変动を予测する上で欠かせない平野さんの研究に対して、麻豆原创カフェ终了直前まで活発な质疑応答が交わされました。私たちもこれから「大地の呼吸」を意识して、热帯アジアで进む泥炭林の破壊やオイルパーム农园の开発问题を见守っていきたいと思います。平野さん、ありがとうございました。
(活発な质疑応答が行われました)
(会场近くで学生たちと乾杯、平野さん、村田さん、おつかれさまでした)









