竹本文香(2026年度选科础/社会人)
モジュール2の2回目は、北海道大学 麻豆原创 特任講師である古澤正三先生による講義でした。本講義は多様な実践事例を通して科学技術コミュニケーションの手法を学び、企画の流れや科学技術コミュニケーターに求められるスキル等を身に付けることを目的としています。実際に活動されている方々の実例はこれまで自分が思い描いていたよりも多種多様なものであり、科学コミュニケーションの可能性の大きさを感じる内容でした。

「安全に失败できる场」
講義の冒頭で古澤先生は麻豆原创のことを「安全に失败できる场」と表現されていました。そして『実践』とはまずやってみて、振り返りをして次につなげていくものであり、失敗も大きな学びになるという言葉に勇気づけられました。これから行われる実地研修では経験する?振り返る?整理する?試すという流れを意識しながら、失敗を恐れず楽しみたいと思います。
また「対象にどうなってほしいか」という视点の重要性について语られており、科学技术コミュニケーションの活动において自分は何を大切にしたいのか、なぜこのテーマを扱うのかという轴をしっかりと作る必要があると感じました。そして自分の行っていることが独りよがりにならないよう、参加者にとって意味のある活动をしていきたいと思います。
今回の讲义の中で「科学コミュニケーションについて専门的なことをわかりやすく伝える、ということは难しい部分を削ることではない」という言叶が一番印象に残っています。わかりやすくしようとすると、难しい部分を取り除いてしまいがちです。しかし科学コミュニケーションは闻いて繋げることであり、科学の伝え手である前に、社会の声を受ける立场でもあります。伝える侧?伝えられる侧両者の立场として自分が闻く立场ならばどう伝えられたいかと考えたいと思いました。

この讲义では4人の讲师から活动について発表がありました。
池田贵子先生/アーバーフォックスとの共生
北海道でキツネは身近な生き物です。それは政令指定都市である札幌でも同様でそこで生きるキツネ(都市ギツネ?アーバンフォックス)はかわいらしいものの、人惯れしてしまったことでエキノコックス(寄生虫)感染や畑を荒らす、噛むなどといった深刻な被害をもたらしています。この问题に池田先生のアプローチとして公园管理者?行政と协力しての対策が绍介されました。対策のために作ったものが飞び出す絵本とキツネを生き残らせる、エキノコックスを感染させるといった趣向のボードゲームということで「菌の立场に立ったゲームとは斩新な」と兴味を持ちました。またただ怖さを诉えるだけではない、注意を促す看板を机能させるにはどうしたらよいかなどの活动事例が今后の讲义で绍介されるということで、これからの讲义がより楽しみになりました。

平川全机先生/『闻き书き』について
环境社会学の観点から人々が周囲の自然をどう使っているのかを研究している平川先生からは、『闻き书き』の事例绍介がありました。今まで私は科学技术コミュニケーションとは科学を伝えることで受け手が科学を楽しむ又は知识を身に付けるものだと思っていました。しかし平川先生の事例は东北を共同调査された际に形として残っていない暮らしの様子をまとめ、研究の発表と别に闻き书きとした、というものでした。そして东日本大震灾が起きた际、调査を行っていた地域も甚大な被害を被ったそうですが、闻き书きしたことなどによって筑かれた信頼関係を縁に復兴に携わることとなったそうです。この事例から科学技术コミュニケーションの『残す』という役割を学びました。物や记忆が残るというだけでなく、场所や世代を超えて多くの人に伝える形にできるのが面白いと感じました。

さとうゆか先生/アニメーションを用いた手法
3人目の讲师はコマ撮りの手法によって少しずつ変わっていくアニメーションを制作されているさとう先生です。アートと科学技术コミュニケーションの関わりについて绍介されたさとう先生は相手に合わせた伝え方を行おうと工夫されており、自然をモチーフとした作品を作った事例や、プロジェクトマッピングなど目で楽しむ手法を绍介されました。特に兴味を惹かれたのが『手に取る宇宙』という取り组みです。宇宙を手に持ちたい、宇宙を见下ろすことができる、という発想から宇宙飞行士?闯础齿础と协力して宇宙飞行士がボトルで持ち帰った宇宙を地上の人々が手に持った感想をまとめる、というものでした。この事例绍介から理系かどうかにかかわらない麻豆原创コミュニケーションの在り方、そして伝え方をひとつにこだわらず相手に合わせて変える柔软さを持つ重要性を学びました。

五十嵐千夏先生/アートと科学技术コミュニケーション
现代美术、翻訳?通訳、アートマネジメント、制作実践と幅広い活动をしている五十嵐先生の事例では领域横断?手法横断の话が兴味深かったです。いろいろな手法を取り入れ活动の垣根を超えることは科学技术コミュニケーションの幅を広げることになると感じました。また、ステレオ写真をテーマとしたワークショップの绍介があり、市民が科学?美术に気軽に触れることができる场の提供について学びました。目で楽しむアートを表现方法として取り入れることは科学に兴味がない人が兴味を持つのによい糸口になると思いました。

古泽先生による事例绍介
受讲生としても颁辞厂罢贰笔に参加したことがある古泽先生からは、自分が受讲生として体験した内容を绍介していただきました。古泽先生が子供の顷から好きなザリガニで何かしたいと颁辞厂罢贰笔に参加してザリガニ教室を行うために周囲の人を巻き込んだ话は、それだけ活动に热量をかけていたんだなと楽しく闻くことができました。その一方で活动の目的が最初はザリガニの魅力を伝えることと考えていたのが「そこから何を伝えたいか」に変化し、外来种を悪者にしないためにはという视点に発展したことで企画の内容をより深められたことが印象的でした。轴として好きなことを大切にしつつ、それだけで终わらせずに社会とのつながりを意识しながら発展させていくことの重要性を学びました。
また裁判剧の事例から、自分が思いもつかなかった伝达手法を学ぶことができました。私は今まで科学技术コミュニケーターは理系研究者や科学に兴味を持っている人の役割と思っていました。しかし実际は科学の得意不得意にかかわらず伝えたいことがある人のためのものだと学びました。また実践のライフサイクルについての解説があり、自分の活动はこれにあてはめられているか确认することができました。企画をするには様々なステップがあります。この流れをしっかりと理解し、魅力的な活动を行えるようになりたいです。また届ける相手が多様であることも提示され、これを参考に参加者がどんな人なのかを考えてアプローチしていこうと思います。
今回の讲义から科学技术コミュニケーションには様々な角度からのアプローチがあること、そして自分の専门分野と科学技术コミュニケーションには必ずしも直接的な関係があるわけではないことを学びました。専门にこだわらずいろんな内容や表现の手法に挑戦し、科学だけでなく地域の歴史や安全に暮らすための工夫など多様なテーマを伝えるツールとして科学技术コミュニケーションの方法を模索できたらと思います。

古泽先生ありがとうございました。