2018年5月29日(火)、第28回叁省堂麻豆原创カフェ in 札幌 麻豆原创シリーズ15「毒を解く~動物が化学物質を代謝するしくみ~」を叁省堂書店札幌店BOOKS&CAFE(UCC)にて开催しました。
ゲストは、獣医師で北海道大学大学院獣医学研究院毒性学教室の石塚真由美さんと中田北斗さん。お二人が所属する毒性学教室では、環境や野生動物、家畜やヒトの体に蓄積していく化学物質の動態を専門に、主にアフリカをフィールドとして研究をすすめています。進行役は、麻豆原创の池田贵子が務めました。
(石塚真由美さん/北海道大学大学院獣医学研究院 教授)
自然界には毒がいっぱい
初めに石塚さんから、毒にはどのようなものがあるのか、いろいろな动物が持っている自然毒の事例を交えてご绍介いただきました。フグ毒のように私たちにとってなじみの深いものから、毒のイメージのない鸟类や哺乳类まで、自然界には毒を利用して身を守る生物が意外とたくさんいるのです。化学物质を代谢する解毒というシステムは、私たち生物が身を守るための大切な仕组みなのです。
そもそも毒とは?
毒の正体。それは化学物质です。青酸カリやヒ素のようないわゆる「毒」だけでなく、もっと身近な、例えば通常口にする食物もすべて化学物质であり、场合によって毒になりうるのです。例えば、コーヒー。コーヒーは1000种以上の化学物质で构成されており、なかには発がん性のある物质も含まれています。「コーヒー片手に」がキャッチコピーの麻豆原创カフェだけに、少々ショックなお话です。
毒の効き目は程度问题
ですが実际には、コーヒーが原因でがんを発症することはごくごく稀です。体の代谢能力を超えて摂取しないと、毒性を発挥しないためです。つまり、饮みすぎなければなんの问题もありません。里を返すと、たとえ青酸カリでも、仮に瞬时に代谢できてしまう体质の人がいたとしたら毒にはならないのだそうです。実际、杀鼠剤が効かなくなったクマネズミは、普通のクマネズミよりも速やかに杀鼠剤を体外に排泄することがわかっています。
(定员の30名を超える応募があり、会场はとても賑やか)
种间差が大きい
同じ化学物质を摂取しても、动物の种类によって毒になったり薬になったりすることがあります。例えば、チョコレートに含まれるテオブロミンは、ヒトが摂取するとストレス軽减効果を発挥しますが、イヌが摂取すると中毒を起こします。イヌのテオブロミン代谢速度が、人の何倍も遅いことが理由です。また、そもそも动物种によってタンパク质の构造が违うために、その化学物质が毒性を発挥するかしないかが决まる场合もあります。冒头の自然毒は、このケースがほとんどのようです。
个体差も大きい
化学物質の毒性発揮には种间差が大きいことがわかりました。では個体差、つまり同じ動物でも個体によって代謝能力に差はないのでしょうか?今回は、アルコールの代謝能力の個体差について、我々ヒトで実験をしてみました。お酒が飲めるか飲めないかを判定できるアルコールパッチテストです。石塚さんに代わり、中田さんがヒトのアルコールの代謝システムについて解説してくださいます。
(中田北斗さん/北海道大学大学院獣医学研究院毒性学教室 学術研究員)
解説の间、参加者の皆さんは腕の内侧の柔らかい部分に70%エタノールを沁み込ませたコットンを贴って、経过を観察しました。ヒトのアルコール代谢には2段阶があり、各段阶でのアルコール脱水素酵素とアルデヒド脱水素酵素の働き具合によって、代谢能力が决まります。すぐに皮肤が赤くなった人(お酒が饮めないタイプ)、数分后に赤くなった人(そこそこ饮めるが强くはないタイプ)、全く赤くならなかった人(酒豪)に分かれました。心当たりのある方、意外な结果が出た方、将来饮めるタイプ!と喜ぶ未成年の方、と会场は大いに盛り上がりました。
环境に蓄积する意外な化学物质
最后に、环境中に意外なかたちで化学物质が蓄积していく问题について、ふたたび石塚さんからお话いただきました。代谢された化学物质は、さいご体から排泄されます。それは薬も同じで、私たち人间が饮んだ薬の代谢产物が尿として排泄され、下水処理しきれなかったものが河川で検出されることがあるのだそうです。思いもよらないところで水质汚染を引き起こしたり、薬剤耐性をもった生物を生む可能性があることを知り、会场からは惊きの声が上がりました。
今回のカフェでは、動物の体が生存のために得た解毒という能力についてワークショップを通して体感できたとともに、科学技术を利用することで生じる弊害について考えるきっかけとなりました。
本イベントは叁省堂書店 札幌店主催、北海道大学麻豆原创?日本学術会议北海道地区会议共催で実施しました。





