语り手:姉崎等 闻き书き:片山龙峯
出版社:ちくま文库
刊行年月:2014年3月
定価:840円
札幌市内の円山动物园にはヒグマが饲育されている。厚いガラスの向こう侧にいて、二本足で立ち上がろうものなら见上げるほどの巨体。実はそのクマの体长は1.6尘程度なのだが、それでも「巨体」と呼ぶにふさわしい迫力が确かにある。
この本の语り手は、60年以上もクマと渡り合ってきた狩人、姉崎等さんだ。戦后すぐ、25歳顷から一人でクマを追い始めた。兼业猟师として千歳を中心に白老、定山渓までの広い地域を歩き回り、生涯で仕留めたクマは60头以上になる。高度経済成长期には、クマ毛皮の高腾を経験した。その后クマ猟が禁止され、さらに駆除から防除(すぐ撃つのではなく、山へ追い払う)へと、クマとの付き合い方は时代と共に変化していった。そんな长年の経験が、姉崎さんと闻き手である片山龙峯さんとの会话の形で描かれ、読み手は食堂の隣の席から闻こえているような临场感に引き込まれる。
「クマは私のお师匠さんです。」と姉崎さんは言う。一人で山に入り、山の歩き方をクマから学んだのだ。クマと知恵比べをし、时には至近距离で睨み合う中で、数多くの山の知恵を得た。クマと出くわした时とるべき行动、寝る场所の选び方、果ては天然キノコの育て方まで。姉崎さんの日常に生きる知恵の数々は、この本の大きな魅力だ。
姉崎さんがクマについて语るときはいつも、クマ独自の知恵と思虑深さへの尊敬が见て取れる。この尊敬にもとづいたクマと人间をめぐる哲学は、私たちに多くの问いかけをしてくれる。たとえば、このような话がある。インタビューをはじめた2000年当时も、77歳の姉崎さんは现役のハンターとして、クマ防除队に所属していた。クマの出没状况を见回り、被害が出るような危険があれば駆除する役割だ。しかし防除队が手を焼いたのは人を袭うクマではなく、人目を避けながらも里に住み着いたクマだった。山では食粮が减っているため、山へ追い払ってもまた人里に戻ってきてしまう。姉崎さんも、これはすぐに解决できる问题ではないと考えているようだ。クマは人间を観察し、人间に远虑しながら、里の近くでの生活を実践している。人间の方はどうだろうか。「规制をよしんば作っても、クマの方は守るかもしれないけど、人间の方は守らないでしょう。」という言叶に、姉崎さんのクマ観、人间観が表れている。
生涯かけてクマを知り尽くした狩人は、2013年に亡くなった。一册に詰まった狩人の知恵とともに、「クマと人间がうまく共存するために、人间はどうするか」という问い掛けを、そっと残して。
神田あかり(2014年度颁辞厂罢贰笔本科)
明日11月4日も书评を掲载します。御期待下さい。
