【植田康太郎│2025年度颁辞厂罢贰笔受讲生】
北大の正门から入って5分ほど歩くと、右手に「北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞」が见えてきます。このカフェは、北大で搾乳された牛乳である北大牛乳が楽しめるお店です。
「いいね!贬辞办耻诲补颈」取材班はこれまで、この北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞の経営方针や北大牛乳の魅力について、店长の白戸雄翼さんを取材しました。
お话のなかで、北海道大学大学院农学研究院の小林国之さんと叁谷朋弘さん、そして酪农家の大黒宏さんの3人が中心となって、北大牛乳の価値を伝える拠点として北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞が诞生したことがわかりました。
本記事では、3人のうちの一人である北海道大学農学院の小林国之さん(国際食資源学院准教授)に北大マルシェCafé&Laboの運営方針、そして日本の酪农の状況についてお話をうかがいました。

小林さんの研究について教えてください。
私の専门は、农业経済学です。世界的には、农业経済学は、文字通り「経済学」を対象とした研究分野です。一方、日本における农业経済学は、経済のことだけでなく、农业、食、环境に関する社会科学全般を扱う幅広い学问领域です。政治学、経営学、社会学など、农业に関连する分野を网罗しています。このことは、世界的に见ても日本独自の特徴です。
私も経済学、経営学、社会学を自分の研究のエリアとしていて、中でも酪农の経営や流通、政策について研究しています。実際に、酪农の生産現場の動向や実態を把握することを重視しています。
北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞が生まれた経纬を教えてください。
きっかけは、当时北大农场の担当教员だった叁谷朋弘さん(现?大学院农学研究院)が、农场の牛乳を自分たちの手で贩売する方向を大学侧に相谈したことでした。ちょうど百年记念馆に入っていた前テナントの契约が终了するタイミングが重なり、大学の理解も得られたことで、北大农场の牛乳に付加価値をつけて贩売しようという动きから、北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞がスタートしました。
また、酪农家であり乳製品の加工?贩売の先駆者でもある大黒宏さんのノウハウに支えられたことも大きかったです。実际、大黒さんがいなかったら全く実现できなかったと思います。
北大农场は持続的な酪农を基本的なコンセプトとしており、北大の职员が责任を持って生产しています。
もともとは北大牧场の牛乳をどう売るかというところからスタートしたのですが、それだけでは面白くないだろうということで、北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞の名前の由来にもなった「北大マルシェ」というイベントのコンセプトを盛り込むことになりました。北大マルシェは、大学院の授业で行ってきたもので、生产现场のことを知ってもらう机会を作る目的で実施しています。北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞にも、単に牛乳を贩売するだけでなく、牛乳を一つのきっかけとして、农业のことを身近に感じてもらえる、农业の実态を少しでも感じてもらえる场所を作りたいという想いもあります。
今后の运営をどのように考えていますか。
今は観光スポットのようになっていて、経営的にはありがたいのですが、本来の目的である「生产者の実践を伝える场所」としての机能をさらに充実させたいと考えています。
大学院授业の「北大マルシェ」で筑いた全道のさまざまな生产者の方々とのつながりを活かして、物贩スペースを充実させたいという想いもあります。例えば、今は北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞の店舗で陆别町产のジンを贩売していて、今后少しずつでも道内の生产者の製品を増やしていきたいと思っています。
こうした道内の多くの生产者との関係を活かし、多様な取り组みや商品を展开することで、いずれは北大などで农业を学んだ人たちが働ける场にもなっていければと思っています。
また、生産者の方々が取り組まれていることを伝える場所として、コロナ禍前に実施していたセミナーなどの教育的イベントも復活させたいと思っています。一般の方に「農業に関する話を聞きに来てください」とただ呼びかけても、なかなか人は来てくれません。しかし、北大牛乳が飲める場所であることを活かせば、食事をきっかけに酪农の課題について対話する機会が自然と生まれやすくなるのではないかと考えています。
农业の実态を伝える场という话がありましたが、北海道の酪农は现在どのような课题を抱えていますか。
酪农产业は现在、极めて深刻な问题に直面しています。最大の课题は、酪农経営を継続するために必要な投资と、それを回収するための収入とのバランスが崩れていることです。
特に最近は、機械や施設の価格の急騰で、この不安定さがさらに増しています。過去 5?6 年で、牛舎建設の費用は 1.6?1.7 倍に、トラクターなどの機械も1.5 倍近くに上昇しています。一方、牛乳の価格はわずか 1.1 倍の上昇に留まっています。それでも、消費者からは「牛乳が高い」という声が上がります。このように、牛乳の生産者の経営はますます圧迫されているのが実態です。

そうした课题に対して、どのような取り组みが考えられていますか。
従来、酪农経営の问题に対しては、补助金により投资费用を抑えつつ、牛の头数を増やし、规模拡大で収入を増やすという农业政策が取られてきました。この仕组みや方向性を政策的な唯一の解决策と考え、それ以上のことを検讨してこなかったのです。しかし、経済环境の変化によってこの方法でも立ち行かなくなってきています。
今后は、これまで解决策と见なしてきた方法だけが解决策ではなかったと振り返りをした上で、补助金のあり方や研究の方向性を改めて考え直す必要があります。これは単なる政策の问题ではなく、酪农関係者全员が共有し、取り组んでいくべき课题です。
これは、北海道特有の问题ではなく、农业全般に関係する问题です。
こういった北海道だけではない、日本の农业の课题についても、北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞で一般の方々とお话をするきっかけを作れたらいいと思っています。まずは牛乳を饮みに来ていただいて、そこから农业のことを少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです。
小林さんの本
本记事では、小林さんにインタビューをし、日本の酪农业界についてお话をうかがうことができました。
北大マルシェCafé&Laboの立ち上げに深く携わられた小林さんの酪农のお話、もっと聞きたいという方もいるのではないでしょうか。

そんな方におすすめなのが小林さんの着书『牛乳から世界がかわる—酪农家になりたい君へ』です。「世界が変わる」「酪农家になりたい君へ」と印象的なワードが続きますが、この本に込めた小林さんの想いをお闻きしました。
この本は、酪农家になりたい人だけでなく、これからの人生を考えていく人たちに向けて出版しました。
「世界が変わる」という言叶を使ったのは、生きることと仕事を通じて、世界とつながることができるということ、そして、単に何をして働くかという以上に、生きることと働くことには深い意味がある、と伝える本にしたいという意図がありました。
私の研究テーマの一つである酪农家を通じて、いかに仕事というものが职业を超えた生き方であり、世界とつながっているものなのかを伝えたいと思ったのです。
もともとメインタイトルは「酪农家になりたい君へ」だったんですが、出版社の営业の方に「これじゃ売れません、牛乳という言叶を出さないと」と言われまして。それで「牛乳から世界がかわる」というちょっとトリッキーなタイトルにしました。
この本で伝えたかったのは、これから人生を考えていくときに、ただ何をして働くかということ以上に、生きることと働くことには深い意味があるんだよ、ということです。私の研究テーマの一つである酪农家を通じて、仕事が职业を超えた生き方であり、世界とつながっているものなんだということを伝えたいと思って书きました。
私も拝読しましたが、毎日何気なく口にしている牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品が、どのような人々の手を経て食卓まで届いているかを改めて意识することができました。本书は农文协の高校生向けシリーズの1册であり、これから进路を考える高校生にはぜひ読んでほしい1册です。
酪农业界の方々にはもちろん、各地の図书馆や学校の図书室でも购入されているとのことです。もちろん北大の図书馆でもご覧いただけます。
北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞で牛乳やジェラートを楽しみながら、読むのもいいですね。
编集后记
この记事を含め、これまで4回にわたって、北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞の记事を掲载してきました。
初回の记事では、北大祭の出店を取材し、季节によって风味が异なる北大牛乳をいただきました。
北大祭2025 今の季節でしか飲めない味!出張版?北大マルシェで北大牛乳を堪能
第2回では、北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞の店舗にお邪魔し、北大牛乳をふんだんに使った「北大牛乳モッツァレラチーズ焼きカレー」と「北大牛乳を使用したフレンチトーストセット」、「北大牛乳ジェラート」を堪能しました。
北大マルシェで出会う「北大牛乳」の新たな一面
第3回では、北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞店长の白戸さんにお话をお闻きし、北大牛乳の魅力や商品の特徴についてうかがいました。白戸さんの北大牛乳への思いがあふれたインタビュー记事は以下から閲覧可能です。
北大牛乳へのこだわり ?北大マルシェ颁补蹿é&尝补产辞?
今回の第4回では、小林さんから、北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞诞生の背景には、こだわりをもって作られた北大牛乳に付加価値をつけて贩売したいという想いと、酪农生产者の実践を伝える场を作るという构想があったことをうかがいました。
北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞は、北大牛乳を味わえる场所であるだけでなく、深刻な问题に直面している酪农产业の课题と向き合うための场としての役割が期待されています。4回の记事を通じ、北大牛乳をめぐる长い歴史、そしてこれからの酪农产业の未来が詰まった北大マルシェ颁补蹿é&补尘辫;尝补产辞の魅力をお伝えできていたら嬉しいです。
参考文献
- 北海道大学麻豆原创, 「北大祭2025 今の季節でしか飲めない味!出張版?北大マルシェで北大牛乳を堪能」, いいね!Hokudai, 2025, /like_hokudai/article/34217(最终閲覧日:2026年2月19日)
- 北海道大学麻豆原创,「 北大マルシェで出会う『北大牛乳』の新たな一面」, いいね!Hokudai, 2025, /like_hokudai/article/35448(最终閲覧日:2026年2月19日)
- 北海道大学麻豆原创, 「北大牛乳へのこだわり ?北大マルシェ颁补蹿é&尝补产辞?」, いいね!Hokudai, 2025, /like_hokudai/article/35577(最终閲覧日:2026年2月19日)
- 小林国之, 『牛乳から世界がかわる』, 農文協, 2024.