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#224 フィンランドの人と树木の繋がり(1)?カルシッコってなに?~

日本の中でも自然豊かな大学として知られている北海道大学。その緑に癒されたことがある人はきっと多いことでしょう。ところで樹木と人間の繋がりを象徴するカルシッコを知っていますか。カルシッコとは死者の印や生没年、イニシャルを刻んだ木のことです。自然から得られる癒しについて興味を持った私たちは、主にフィンランドで自然と人間の精神的な繋がりを研究している田中佑実さん(文学研究院 文化人類学研究室 助教)にお話を伺いました。

【柿本心优?法学部1年/小林咲月?経済学部1年/平见琢翔?総合文系1年】

(カルシッコと田中さん)〈写真提供:田中佑実さん〉
まず、田中さんが主に研究されているカルシッコについて简単に説明をお愿いします。

カルシッコは、フィンランドのキリスト教の受容の歴史と関わっていて、特にルーテル派教会の教えとキリスト教以前のフィンランドの土着の民间信仰とが混ざり合った风习なんですね。フィンランドの土着の信仰だけのものというわけでもないし、キリスト教だけのものというわけでもなくて、これらがミックスしているのがこの风习の面白いところなんです。

どういうふうにキリスト教とフィンランドの土着の信仰とがミックスしていったんですか?

ルーテル派教会がフィンランドに入ってきたときに教会は、死者は墓场で眠っていると言ったんですね。でも、その当时の人々は死者が眠っているということはまだあの世に行けていない、死が完了していないと考えました。死者が寂しくなったり、ちゃんとケアされていないと感じたりして、もしかしたら帰ってきてしまうんじゃないかと。それで、死者が帰ってこないように、この死者のカルシッコを作ったというわけです。印を木に刻んで、もし死者の霊が帰ってきたとしてもこの木を见たら「あっ自分はもう死んでた」と気づいて帰るという、その役割を果たすための木です。でも、时代が下ってフィールドワークに行ってみたらもはや人々に死者が怖いという感覚はなくて、この木はむしろ死者を思い出すための木として机能していましたね。

(死者の印が刻まれたボードが取り付けられたカルシッコ)〈写真提供:田中佑実さん〉
(死者の生没年と日付が刻まれたカルシッコ)〈写真提供:田中佑実さん〉

いずれは朽ちて倒れる木をわざわざ死者の记録を残すものとして人々が选んだのはなぜですか。

永远である必要がないという考えが人々の中にあるのかもしれません。木も大きくなって、枝を広げて、叶っぱが出てきて、叶を落としたりしながら生きてる。それが、スケールは违うけれど人が生きて死んでいくこととリンクするのかなって思います。

こういった死者を弔う文化は现在も行われているのですか。

実は衰退していっているんです。その原因はいくつか考えられますが、まず死者への考え方が変わったということですね。现在のフィンランドはルーテル派教会に属している人々が多いです。正教会やローマ?カトリック教会も布教をしてきましたが、ルーテル派教会はとても热心に布教を进めました。

最初ルーテル派教会は、人々がカルシッコを作っていたのを黙认していました。木には十字架も刻まれているし、いいかなと思ったのかもしれません。でもやっぱりこれは违うと。だって死者は寝てるんだから歩かないし、帰ってこない。だからこういう木を作る必要はないんですよ、とみんなに言っていったんですね。この考えが人々に広まっていって、この风习をやる意味がなくなっていきました。

なるほど、人々の考えの変化が衰退に繋がっていったんですね。他にも、カルシッコが衰退した要因はあるんでしょうか?

他には、人口増加で土地を配分しなければいけなくなったことですね。それまで自分たちの土地という意识はすごく曖昧でした。大体の土地の区分はあったけれど、详しいことはそんなにはっきり决まっているわけじゃなくて。でも人口が増加すると土地を配分しなければならなくなって、それで余った土地は国有林、国の土地ということになりました。そしてカルシッコは家の庭などに移动したのです。

人口増加が文化の衰退に繋がることもあるんですね。他にも要因はありますか?

あと森のことで触れておかないといけないのは、林业ですね。19世纪から现在まで発展が続いてきたフィンランドの林业はカルシッコの衰退にとても影响しています。林业が栄えていくと、どんどん木を伐って木材にしたり、パルプにしたりして経済をまわしてきましたが、一方で死者のカルシッコのような木も伐ってしまったんですね。今でこそ、そういう木は特别だと思いますが、それも伐ってしまいました。

その背景には、どんな考えがあったんでしょうか?

もしかしたら、魔术信仰というか昔の遅れた考えは捨ててしまおうという、文明、近代化に向かおうとする考えもあったかもしれません。これまでの自然と人とのつながりには精神的な部分も大きかったと思いますが、だんだん近代化が进むにつれて森や木への视点がすごく物质的になっていったということがあって、カルシッコもこの流れの中にあったんだろうと思います。

若者がカルシッコを魔术信仰として軽蔑する理由を教えていただけますか。

そこには遅れているという考えがあったからかもしれません。文明国として近代化や产业化を进めていく过程では、カルシッコも遅れた风习だというまなざしが向けられたのかもしれないですね。

でもむしろ最近はリバイバルが起こっていて、キリスト教以前の信仰を现代に復兴しようという动きがあります。すごく面白いですよね。时代によって価値観がどんどん変わっていく。

(取材当日の様子)
フィンランドでフィールドワークを始めたり、研究を始めたりしたきっかけには何があったんですか?

当时九州にいた私にとって、フィンランドとの付き合いの始まりは2014年から1年间のフィンランドへの留学でした。南にいると北の情报があまり入ってこなくて、周りの人もフィンランドについて何も知らなかったんです。それなら、自分で行って见てこようと思い、フィンランドに行きました。

そこでたくさんの良い出会いがありました。亲友もできましたし、ホストファミリーも面倒见が良くて、その家族にフィンランドの文化を教えてもらいました。帰国してからも少しずつ言语を勉强して、2016年にもフィンランドに行きました。その顷にはもうフィンランドの研究を始めていて、迷いはありませんでした。いい出会いをして、もっと彼らのことを知りたい、言语もちゃんと话せるようになりたい、その歴史や文化も知りたい、と思ったので、研究をスタートしました。

(取材は终始和やかに进みました)
いまお话しいただいたカルシッコも文化や伝承だと思うんですけど、伝承は小さい顷からお好きだったんですか?

小さい頃から好きでしたし、サンタさんも長らく信じてました。でも高校生にもなると、嘘だとか思うわけです。それで、その頭のまま大学生になりました。私の大学時代の指導教員は名物先生で、自称、妖精学が専門でした。彼は色んなものが “見える” 人だったんですよね。目に見えているものだけがこの世界じゃないということを教えてくれたのは、この先生でした。やっぱり目に見えない世界を考えるのは好きですね。死者とか、精霊とか。

フィンランドでのフィールドワークで大変だったことや、苦労したことはありますか?

苦労したことは、やはり言语です。言语って文字で见て分かることと、话ができることは、また全然违いますよね。最初は片言のフィンランド语しか话せなくて、なかなか上手くコミュニケーションができませんでした。书いた本にも出ているティモとイーリス(フィールドワーク先で出会ったご家族)と话すとき、ティモは英语ができたので、ティモを介してイーリスと话すという感じでした。でも2019年に留学しながらフィールドワークをして、その时一绪に住んでいたルームメイトたちとフィンランド语を共通语にしようと决めて、だんだん话せるようになりました。それまではティモを介してみんなと话していたけれど、ソリに乗って一人で游びに行ってお喋りしたりして、言语ができることで行动の幅が広がったと感じましたね。

(ユーカのソリ)〈写真提供:田中佑実さん〉
フィンランドでの生活でどのように困难を乗り越えたのですか?

フィンランドに行くと决めて一番心配したのは寒さだったんです。私は长崎出身なので北の寒さは未知でした。でも行ってみて一番きつかったのは寒さより暗さでした。雪が降る前の11月などは暗闇のなか学校へ行って、暗闇の中帰るという感じでした。ビタミン顿を饮んで、太阳が出たときは积极的に外に行って人に会うことを心がけていました。また留学中は日本の人たちと喋ることが心の支えになって、同じ言语と近い感覚で喋れる人が周りにいたことは大きかったと思います。


前编では田中さんのカルシッコの研究や、研究を始めたきっかけ、フィンランドでのフィールドワークについてお闻きしました。后编では田中さん自身の自然や树木との関わりについて深掘りしていきます。田中さんのお気に入りの木とは……? 后编へ続く!

《后编に続く》

この记事は、柿本心优さん(法学部1年)、神谷辽さん(総合理系1年)、小林咲月さん(経済学部1年)、中川実优さん(教育学部1年)、平见琢翔さん(総合文系1年)、汤本瑛木さん(総合理系1年)が、一般教育演习「北海道大学の“今”を知る」の履修を通して制作した成果です。

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2024.09.09

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