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#240 文学院で动物心理学の研究…!?- 文系から科学する「动物のこころ」(1)?动物のこころに迫る研究入门~

文学院にウマの「こころ」の研究をしている人がいる?

その情报を耳にしたとき、私たちは多くの疑问を思い浮かべました。

?「文学院で动物に関わる研究ができるの?」
?「どうして文学院で研究をしているの?」
?「実际にどういったことを研究しているの?」

こうした疑問を解決するため、実際に北海道大学で動物心理学(比較認知科学)を研究されている瀧本彩加さん(北海道大学 大学院文学研究院 准教授)にお話を伺いました。

12もの学部を持つ北海道大学。高校生の皆さんには、この记事を通して、そんな特色ある北大での学びについてイメージを膨らまし、进路选択などに役立てていただければ幸いです。

【上垣朋辉/法学部1年 神谷聡佑/文学部1年 叁瓶幌汰/経済学部1年 西戸阳那/総合理系1年 六笠真里奈/総合理系1年】

――どうして文学院で动物に関わる研究をされているのでしょうか。

私が専門としているのは、动物のこころについて実験を通して推理する「動物心理学」、その中でも特にヒトらしいこころの進化を他の動物(以降、動物と略す)と比較することで解き明かそうとする「比較認知科学」です。ヒトらしいこころとは何かをあぶり出そうとするとき、ヒトだけを見ていても何がヒトらしいか分からないんです。私はこれまで、遺伝的にヒトに近い霊長類や空間的にヒトに近い存在であった家畜動物などを対象として、その動物らしいこころを調べると同時に、それらをヒトのこころと比較することで、ヒトが遺伝的?環境的に他の動物と共有してきたこころやヒトが独自に獲得したこころを明らかにしようとしてきました。文学部でこの学問分野に取り組む意義は、この「ヒトらしいこころとは何かを明らかにすること」にあります。

――瀧本さんが动物の心理に関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか。

大学1年の顷に马术部に入ったのがきっかけですね。ウマと一绪に暮らすうちに、「彼らが何を考えているのか」「何をどこまで感じられているのか」「どうしたら彼らとのコミュニケーションがうまくいくのか」といった疑问が涌いてきたんです。

林の中で乗马をする瀧本さん(提供:瀧本さん)

そんな中、夏休みに、4年生の文学部の先辈が马术部でウマの心理実験をしているのを见かけ、「文学部でも动物のこころを研究できるんだ!」と衝撃を受けまして。2年生になって藤田和生先生(当时、京都大学教授)の比较认知科学の授业を受けたら、それがもう格别に面白かったんです。「ウマの心理が知りたい」という思いと、すごく魅力的だった比较认知科学の授业。この2つが、この分野に进んだきっかけですね。

――大学院に进学するきっかけとなった、大きな影响を与えた本があるんですよね?
(フランス?ドゥ?ヴァールの本と瀧本さん)

はい、研究室の先辈に勧められて読んだ、霊长类学者フランス?ドゥ?ヴァールさんの『利己的なサル、他人を思いやるサル――モラルはなぜ生まれたのか』です。

この本を読んだとき、「动物もこんなに豊かなこころを持ちうるんだ!」と感动しました。当时は「そもそも动物にこころはあるの?」と懐疑的な声も少なくなかったので。ドゥ?ヴァールさんは动物园や野外での彻底した行动観察を通して、チンパンジーの细やかなこころの动きやありさまを详らかにし、それを本で临场感たっぷりに表现されていたんです。「人间社会に见られるモラルの起源が动物にも见られるんだ!」と感じて、そのこころの豊かさを知るきっかけになりました。安易な拟人化は禁物ですが、「もしかしたらヒトと同じようにモラルがあるかもしれない」「こういうことを考えて、その行动をしているかもしれない」といった、动物のこころの可能性を闭じない大胆な仮説を、きちんと研究で実証しようとする姿势にロマンを感じたんです。「こういう研究をやっていいんだ」と背中を押されましたね。

――「动物の心理」の分野に进むと决めてからはどうでしたか。

ウマの心理に魅力を感じていたんですが、研究室にウマの専门家はいなくて???。卒论の研究テーマに悩んでいたある日、「面白いテーマがあるよ」と先辈から绍介されたのが、フサオマキザルという南米に生息するサルの「不公平感の认识」を调べる実験でした。

フサオマキザルの饵の分配の実験风景*1(提供:瀧本さん)

食べ物を前にすると动物の感情が大きく动くので、サル同士で饵を分配するセットを使って、不公平感の実験をしました。2匹のサルをペアにして、一方は饵箱の引き出しを引くという労力を払って、饵を分け与える「分けるサル」、もう一方が「もらうサル」という役割です。

分けるサルが饵を分け与える际に、相利的か利己的の二つの选択肢から饵の分配を选ぶことができます。相利的な选択なら双方が価値の高いピーナッツが得られ、利己的な选択をとると、自分だけがピーナッツ、相手(もらうサル)はもらっても食べないようなパセリ、という设定です。当初の目论见では、ただで报酬を得る相手(もらうサル)に対して、「自分だけ価値の高いピーナッツを得る利己的な选択をするんじゃないか」と予想していましたが、実际はそうではなく、顺位の低いサルにむしろ価値の高い报酬を多く与える行动が多く见られたんです。さらに别の実験で、双方のサルが2つの作业を1つずつ分担して协力しないと饵を分配できないセットにすると、分けるサルは、自分の作业を肩代わりしてくれた相手(もらうサル)に対して相利的な选択肢を多く选び、ちゃんとお返しをするような行动まで见えたんです。この実験で、彼らの「思いやり」や「感谢」に近い感情を见ることができて、それが面白くて気づけば5年ほど、この分配场面を用いたフサオマキザルの感情やその制御に関する実験にどっぷりハマっていました。

――それから当初兴味を持たれていたウマの研究に进まれたんですよね。先生の论文を読んで、ウマはとても社会性の高い动物だと知りました。

そうですね。ウマはもともと群れで暮らす习性を持っています。群れにうまく驯染むことは、繁殖の上でも意义があるって言われているんですよね。仲直りや慰めといった思いやりの反映とみられる行动がウマでも见られることや、表情とか音声に感情が豊かに表现されることも、近年の研究で分かってきました。

家畜化に伴い、コミュニケーション能力が高くなった可能性も考えられるのですが、现代のウマは自身またはその祖先が家畜化された経験を持つウマばかりで、もう纯粋な家畜化経験のないウマと比较できないので、その検証は难しいです。家畜化は、もともと、ヒトの环境に接近してくる野生动物の中から、ヒトが个体を选んで饲育を始め、管理下において何世代にもわたって繁殖させていく过程を言います。家畜化に伴い、いろいろと共通の変化がみられることがわかっていますが、特に重要だったのは攻撃性の低下です。これによってヒトにとって随分扱いやすくなって、ヒトとウマの间でも落ち着いてコミュニケーションが取れるようになったと考えられます。これが、互いが互いのことを知って绊を筑きやすくする源になったんじゃないかなと思います。

牧场内で寄り添い、毛づくろいをするウマの母子(提供:瀧本さん)

また、ウマでは、母ウマが自分の子どもに他のおとなが近づくのを许さないんですよね。ただ、まれに子どもへのアクセスを许されるおとながいて、毛づくろいをしたり、游び相手になったり、母ウマがご饭を食べに行っている间、代わりに近くにいるみたいなことがあったりするので、それを共同养育とするスタンスで研究をしています。母亲が子どもにするような「世话行动」を他のおとなが行うことを共同养育と捉えて研究している感じですね。ウマって子ども好きなんですよね。子どもを产んだことがない若いメスだけではなくて、その年にたまたま出产しなかった熟练のおとなメスでも、他の子どもの毛づくろいをしてあげたり、迷子になっている子どもを母ウマの代わりに迎えに行ったりすることもあるっていうことが分かってきました。オス(たいていは父)も、子どもに対して、毛づくろいをしたり、游び相手になったり、捕食者の音声に反応して、子どもの近くにいて守るような行动をとることもあります。

――面白い生态ですね。その共同养育というテーマに関して、研究に取り组んでいるんですよね。

いま最も力を入れているプロジェクトでは、哺乳类の生理?心理?行动から共同养育の本质を捉えようとしています。最终的には、ヒトにおける共同养育の促进につなげていきたいという気持ちで研究をしています。ヒトの社会では、共同养育が狩猟採集社会からずっと见られてきました。しかし近年、共働きだとか核家族化が进んで、共同养育の体制が崩れてきていて、子育ての孤立化から育児にまつわる深刻な问题が起きてきています。共同养育の本质を进化的な视点から眺めるために、「なぜ?どのように哺乳类は共同养育をしているのか」ということを、比较研究を通して明らかにしようとしています。

――今后、どのような研究の展望を考えていますか。

これからの研究の展望に、「动物たち(动物福祉)への研究成果の还元(恩返し)」を掲げたいと思っています。特に、家畜はヒトの生活を衣食住にわたって支えてきてくれたのに対し、私たちヒトは十分に彼らに恩返しできているとはいえません。私の研究について言えば、伦理的に问题のない研究をしてきたものの、それでも、研究のために彼らの贵重な时间をいただき、负担をかけてきたのは事実です。そこで、今は、お世话になってきた动物たちの福祉に配虑した生活を実现するための研究に取りかかり始めています。动物たちを一方的に利用するのではなく、その福祉に配虑した饲育につなげられる研究を行い、恩返しをしていけたら、と考えています。あわせて自身の研究成果を社会に広く発信することで、ウマなどのこころの正しい情报を提供し、コミュニケーションの円滑化の促进をめざします。そうして、互いに居心地のよい関係を筑けるよう、当该动物とヒトのよりよい共生の実现に贡献できれば幸いです。

――取材后记

ここまで动物心理学の研究についてお話を伺いました。サルやウマにも思いやりのようなこころがみられるとはかなり驚きでした。北大での学びの世界がどのようなものかおわかりいただけたでしょうか。実は冒頭の「なぜ文学院で動物に関わる研究をするのか」という問いに、先生からもう一つの回答がありました。それは、「文理に関わらず動物のこころを探究する研究者の裾野を広げるため」ということです。瀧本さん自身がそうだったように、文系だけど動物に関心がある人や、理系科目が苦手で生物系?獣医系への進学を諦めた人たちにも動物のこころの研究をするチャンスを作ること。それがもうひとつの意義だそうです。私たちも自分のできること?できないことで可能性を狭めることなく、やりたい学びを追求していきたいと思いました。

さて、后编では瀧本さんの「研究活动との関わり方」を深掘りしていきます。瀧本さんご自身がお母さんになってから、研究活动で変わったこととは…?ぜひご覧ください!

 

注?参考文献

1.北海道大学 大学院文学研究院?大学院文学院?文学部 「瀧本彩加 プロフィール」. (最终閲覧日:2025年11月7日)

 

 

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