7月6日の午后、札幌の北キャンパスに新筑された滨颁搁别顿顿栋4阶の讲义室。集まった人々が紫外线ライトを手に、机のまわりを取り囲んでいます。近寄ってみるとそこにはいくつかの鉱物标本が并んでおり、紫外线をあてると表层で光る黄色のつぶつぶや、鉱物の中で光る结晶が见えました。これらの鉱物は、北海道石が含まれるオパールです。
この展示は、北海道石を発见した研究グループのお一人である田中陵二さん(相模中央化学研究所 主任研究員)を招いた講演会『天然の多環芳香族炭化水素新鉱物 「北海道石」とその科学』にともなって開催されました。講演を企画した長田裕也??さん(ICReDD 特任准教授)によれば、北海道石の生成メカニズムの理論的解析について共同研究をしている縁で、今回の企画が実現したといいます。ICReDD棟で行われた展示と講演会の様子をお届けします。
【福浦友香?北海道大学颁辞厂罢贰笔】



北海道石、その命名の由来
北海道石(学名:hokkaidoite)の名前は、北海道で発见されたことはもちろん、北海道の産業と結びついた由来でもあり、道産子そのものも意味して付けられたことを、田中さんは講演で語りました。

北海道石は、道内の離れたふたつの地域で発见されたため、北海道というくくりでまとめた方が良いということと、石炭に代表される化石燃料の資源開発が行われてきた北海道で、新鉱物が植物化石由来の有機物であるということも命名の際のポイントとなったそうです。また、鉱物の学名は、ラテン語で「石」を意味する「ite」を語尾につけます。実は、hokkaidoiteは「道产子」を示す英単語でもあります。北海道石という一見シンプルな名前が、地理的、産業の歴史的な背景、英単語という要素が幾重にも結びついて命名されたのです。
そもそも北海道石とは?
北海道石は、有機物の組成を持つ鉱物です。具体的には、炭素と水素だけからなる有機化合物「ベンゾ[ghi]ペリレン」からなるレモン黄色の柱状結晶です。北海道石の発见が大きなニュースとなった理由にこの有機化合物の鉱物だからという点があります。一般的に、有機化合物の鉱物は結晶化が起こりにくく、熱安定性に乏しいことから珍しいとされていて、現在認定されているのは65種しかありません。鉱物として世界で認定されているのが約6,000種であることから、有機化合物の鉱物は全体の1%程度であり、まだまだ研究の発展の可能性がある分野であることがうかがえます。
実は、2014年顷から北海道の鹿追町では紫外线を当てると光るオパールが见つかっていましたが、光る原因とその组成は明らかになっていませんでした。今年5月の学会で発表された田中さんらの研究の结果、蛍光の正体は、紫外线で光る特徴を持つベンゾペリレンの天然结晶であることがわかったのです。


北海道石と滨颁搁别顿顿のつながり
今回の讲演会の主催は滨颁搁别顿顿ですが、滨颁搁别顿顿が北海道石の研究をしているわけではありません。しかし、有机化合物が生成される过程を明らかにする、という点において田中さんの研究と関连があるのです。田中さんは滨颁搁别顿顿同様、実験を主とする有机化学の研究者であるとともに、野外调査も行う鉱物学にも造诣が深く、调査の様子や、石头ハンマー、鲍痴ライトや熊スプレーといった装备も讲演のなかで绍介されました。研究の分野や手法が多岐に渡りますが、滨颁搁别顿顿はそれをつなぐ场だということがわかります。


一方の滨颁搁别顿顿の长田さんは、未知の巨大化合物の集まりの中から、有用な化合物を効果的に选び出す手法について研究しています。その専门性を活かし、计算化学と合成化学の手法を组み合わせて、北海道石の生成メカニズムを推定しようとしています。
有机鉱物は、解明されていないことが多い研究领域であるといいます。こうした状况を背景に、北海道石の研究は、有机化学や无机化学、そして地球化学といった复数の研究领域を横断し、有机化合物について明らかにする「有机地球化学」の分野を促进していく存在ともいえます。
今后の解明に期待
参加していた方にお话を伺いました。农学部の学生さんは「自分が住んでる北海道で见つかった新しい鉱物に兴味があり参加しました。北海道石がどんな性质を持つのかを知ることができました」とコメントしました。复数の研究领域を横断する滨颁搁别顿顿の特徴を生かし研究が促进され、北海道石や有机化合物についてさらに解明されるでしょう。

今回绍介した研究成果は、以下のプレスリリース?要旨にまとめられています。
滨颁搁别顿顿を绍介しているこちらの记事もご覧ください。