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#161 金星のスーパーローテーションの谜を解明する(1)~研究者の协力が金星の観测を可能にする~

北海道大学に入学した新入生の私たちは、大学のキャンパスにいくことが制限され、講義もオンライン中心です。大学で研究をしている先生方と会って直接話すことも難しい状況です。でも、せっかく北大に進学したのなら、大学で行われているホットな研究について研究者に直に話しを聞いてみたい。そう考えて、私たちは、北海道大学で「金星大気のスーパーローテーション」について研究している、堀之内武さん(大学院地球環境科学研究院 地球研科学部門 大気海洋物理学分野 教授)にお話をうかがいました。地球惑星分野に興味がある北大生、これから学部を決めようと思っている1年生、そして北大を目指している高校生は必読です。

【村上知広?総合理系1年/饭塚舜?総合理系1年/岩田陆?総合理系1年/广木健人?医学部保健学科1年/屋敷祐奈?総合理系1年】

(窜翱翱惭を用いて堀之内さんにインタビューを行いました)

研究対象の金星のスーパーローテーションについて教えてください。

まず、金星の自転の话しをします。金星は地球と逆方向の西向きに自転しています。金星の自転のスピードは非常にゆっくりです。地球の自転の周期が1日なのに対して、金星は地球の时间で约243日かけて一回転しています。固体としての金星の上空にある大気は、自転轴の向きに自転を追い越すような形で流れています。このように自転を上回る速さで大気が移动している状态をスーパーローテーションといいます。スーパーローテーションの「スーパー」は「すごい」という意味ではなくて「~を超える」という意味を表しています。

ここで、よくある质问の一つに「地球の中纬度に吹く西风も地球の自転の向きに自転を追い越すように吹いています。そういう风ををスーパーローテーションと言わないのですか」というものがあります。结论から言うと、スーパーローテーションとは言いません。このことを解説するために、物理をやっていない人向けに角运动量保存则を説明しておきます。

フィギュアスケートのスピンを思い浮かべてください。手足を広げて回るとゆっくり回転します。手足を缩めると回転が速くなります。この时、回転の速さ自体は変わっているけれど角运动量自体は変わっていません。さて、惑星の低纬度、つまり赤道近くは、惑星の直径が大きいので、さっきのフィギアスケートのスピンでいうと手足を広げている状态に当てはまります。角运动量保存的に考えると、低纬度でゆっくり吹いている风でも、中纬度、すなわち手足を缩めた状态に持っていくけば、スピードがずっと速くなることがわかります。このように、中纬度ぐらいで惑星の自転を超えるスピードの风が吹いても、それは简単に実现するので、スーパーローテーションとはいわないのです。一方で、赤道近くで自転よりも速い风が吹くことは、実现が难しいのです。そういう状态だけをスーパーローテーションというのです。

金星に関して言うと、回転角速度の差がものすごく大きいので、中纬度の风を赤道に戻したときでも、圧倒的にその大気のほうが自転よりも速いスピードになります。そういう意味で、金星は大気全体のほとんどがスーパーローテーションの状态にあるのです。

スーパーローテーションのもうひとつの定义の仕方としては、角运动量を大気全体で积算して赤道と比べて惑星よりも早いのかどうかを计算するということがあります。金星は积分量でも圧倒的に大きいスーパーローテーションというようなこととなります。

スーパーローテーションの研究は金星大気の3次元的な动きを明らかにし、金星の気象学を确立することを目的とした金星探査机「あかつき」を用いて、闯础齿础(宇宙航空研究开発机构)と共に行われていると闻きました。堀之内さんは、どうして闯础齿础と関わることとなったのですか。

もう15年位前のことだったと思いますが、金星の惑星大気に関する研究会のお诱いがありました。私自身、当时は金星の话しは少し闻いていて面白そうだなと思っていたくらいでしたが、専门の地球流体力学の関係から、様々な大気の流れに兴味があったので、とりあえずその研究会に参加してみることにしました。私はいつもそうなのですが、自分にとってわからないことについては、相手にどんどん质问するのです。そうやって质问をしているうちに、惑星探査に関わる人たちとも仲が良くなって、そこで金星の観测计画に関わらないかという话につながりました。そのときにはすでに「あかつき」の计画があったので、そこの麻豆原创チームに入ることになりました。


(后日、堀之内先生の研究室を访问しました。実际に研究に用いているデータについて説明していただきました)

闯础齿础と共同で研究を行うことについて教えてください。

この金星のスーパーローテーションについての研究は、共同研究以外はあり得ないです。なぜならば、最终的に科学的成果が出る前に様々なステップが必要になるからです、闯础齿础はもちろん、多くの研究者の协力なしに、最终的な科学的成果を出すことができないのです。

「あかつき」の打ち上げには、JAXAの协力がもちろん欠かせません。「あかつき」がすでに打ちあがっていて金星を回っている状況になったら、日々、金星を観測することになります。観测を行うためには「あかつき」を運用しなければなりません。金星を観測するだけでも、多くの协力が必要になります。

「あかつき」は、気象卫星「ひまわり」のように、日々の金星の写真をとってデータとして送ってきます。しかし「あかつき」から送られてきた金星のデータをそのまま使うことはできません。一つは、金星の様子を観测するために「あかつき」に备え付けられたセンサーには、场所によって様々なノイズのパターンや、感度の良し悪しがあるのです。ノイズを补正するためには、データのばらつきの统计をとる必要があります。それをもとに、データを补正することでちゃんとした画像が出てきます。その上で、写真の明るさを决めなくてはいけません。

(附属の図书室を见学しました)

もう一つ大変なのは、写真をとった金星の位置を正确に特定することです。考えてみると「あかつき」が金星を周回しているといっても、実际には金星から离れたところから、ずいぶん先にあるもののデータを望远镜で取っているわけです。探査机の向きの情报だけで、カメラに映った金星の场所がどこなのかを特定するのは难しいのです。「あかつき」の场合どうしているかというと、金星の端が映っている画像のそれぞれの端を合わせることで最后の微调整を行っているのです。こういった画像の微调整やデータを作る仕事をメインにやっている人が私の他にいます。

そして、私たちは金星の云追跡をすることで风速を测定しています。今使っている云追跡プログラムのおおもとのアルゴリズムについては、私の研究室にいた大学院生と私が相谈しながら考案していったものです。そうやって作ったプログラムを「あかつき」に実装するにあたっても、多くの人の协力を経ています。「あかつき」を用いた金星のスーパーローテーションの研究は、多くの人が协力して成り立っているんです。

(地球环境科学研究院にあるレリーフです。これ一枚で地球环境を説明しているそうです)

后编では、堀之内さんが研究者となる「きっかけ」や学生に求めること、学生へのアドバイスを中心にお话をしてもらいます。お楽しみに。


この记事は、村上知広さん(総合理系1年)が中心となり、饭塚舜さん(総合理系1年)、岩田陆さん(総合理系1年)、广木健人さん(医学部保健学科1年)、屋敷祐奈さん(総合理系1年)が、全学教育科目「北海道大学の「今」を知る」の履修を通して制作した成果物です。

堀之内武さんの研究室は

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2020.09.14

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