
著者:ユベール?リーヴズ 著
出版社:20090800
刊行年月:2009年8月
定価:1680円
本书は、フランスの着名な宇宙物理学者ユベール?リーヴズが、ラジオ番组で话した内容を自ら文章にまとめたものです。环境破壊、种の絶灭、エネルギー、生态系などについての51话が缀られています。太阳系や银河から、地球上の生命へ、人间の生活や政治问题へと自在に视点を动かしながら、人类が直面している危机について、深く、鋭く、でも静かに、切り込んでいきます。
たとえば、こんなぐあいに。
着者は「金星は一种の警告なのだ」と言います。金星と地球は双子の惑星と言われ、とくに炭素の含有量が似ているけれど、金星の地表は480℃にも达します。炭素が二酸化炭素の形で存在するため、とてつもない温室効果が生じているからです。では、もしも地球のすべての炭素が、二酸化炭素となってしまったなら???。
核エネルギーの利用について、多くの人は不安をもちます。しかし、どこが不安なのかと问われると、それはとても感覚的なもので、言叶にしにくい。でも着者は、はっきり言います。半减期が千年近くにも及ぶ核廃弃物を相当の期间、安全に保管することは、管理というやっかいな仕事を子孙に押しつけることになるからだと。言われてみればその通り。これほど长期にわたって政治や経済の安定が保証されている国など、どこにもないのですから。
本书は地球环境の问题点を指摘するだけのものではありません。その解决のために、人间が行ってきた取り组みについて知ることも重要だと言います。そして酸性雨については、科学者と政府と产业界の叁者が一致协力して问题に取り组み、良好な结果を导くことができたことを、オゾンについては、フロンガスの生产が禁止されたものの、オゾンホールの状况は依然として不安定であることを记しています。また环境対策への取り组みは、各国の事情がさまざまで问题は依然として残っているが、それでもどんな小さな一歩でも価値があるのだと言います。
终盘に入り着者は、「人类は人间らしくなっているのか」と自问します。そして、科学技术面だけでなく道徳面でも人间は进歩してきた、ということを証明するために歴史をさかのぼります。奴隷制度が廃止され、戦争は国际的非难の的となるようになった。被灾国へは世界中から善意が寄せられ、动物の権利についても世界宣言が採択された。このように人间同士のかかわりや动物に対する感じ方、つまり感受性も进化してきたことを検証していきます。
终章で、人间の感受性の进化にこそ希望の光を见出すことができる、と着者は主张します。人类が地球で生き続けるとは、どういうことなのか、地球にとって人间はどんな存在なのか、いま考えるべき分かれ道にさしかかっている。こう説く着者の、あふれる想い、込められた愿いは圧巻です。
訳者あとがきも魅力のひとつです。本书の翻訳はとても优れているだけに、訳者高桥启がどのような気持ちで翻訳に临んだのか、とても知りたくなるでしょう。そんな読者の気持ちに応えてくれるのです。もちろん、着者についても详しく知ることができます。
タイトル「地球(ほし)の授业」は訳者によってつけられたもので、原題は「空と命のコラム」です。著者の暖かいまなざしと卓越した見識に触れるうち、いつのまにか教室で、先生の言葉に耳を傾けている。そんな気持ちになります。本書はわかりやすい言葉で書かれた一般向けの本です。ぜひ多くの人に読んでもらいたいと願っています。
柳田美智子(2009年度颁辞厂罢贰笔选科生,奈良県)