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#244 怖いだけじゃ终わらない——ホラー映画研究の世界(2)?怖がりな研究者が见つけた、「怖さ」の向こう侧にある面白さ?

北海道大学文学研究院で准教授を务める川崎公平さんは、闯ホラーの映画を専门に取り组んできた研究者です。前编では、ホラー映画研究の道に进んだ背景や、ホラーと映画の関係に対する独自の视点を伺いました。后编では、最近の映画との付き合い方や、研究の今后の展望について深掘りしていきます。

【金山晋?法学部1年 千﨑亮汰?保健学科1年 田崎介盛?総合教育部1年 緑川千晶?教育学部1年 望月清香?総合教育部1年 ?川凉乃?総合教育部1年】


川崎公平さん

どのくらいの频度で映画馆に行きますか?

あぁ、减りましたね……(笑)子どもができてから减りました。あまりにも行っていないので、频度を言いたくないくらいです。週に一回でも行けたらいいほうですね。…… 今、「週に一回も?」って思ったでしょ?(笑)

一番映画馆に通っていた时の频度はどのくらいですか?

映画馆に一番频繁に行っていたのは、东京にいた时期でしょうか。ただ、映画自体を一番観ていたのは、大学2年、3年生や大学院生の时です。レンタルビデオや顿痴顿で、年に数百本は観ていたと思います。

大学时代の思い出について闻かせてください。

もう北大にはいないのですが、中山昭彦という先生がいて、その方の授业がとても印象に残っていますね。当时僕は映画研究の知识がなかったので、映画ってこんなに面白く见ることができるんだ、と衝撃を受けました。その先生は当时、今僕が教えている讲座の教员で、院生时代には指导教员になっていただきました。

あとは、毎日のように游んでいました(笑)。友だちはそれなりにいて、彼らとよく游んでいたのですが、同时に一人でいろいろするのも好きでした。こういう人间になるくらいですから(笑)。ヴィレッジヴァンガードで漫画を买って、シアターキノで映画を観て、当时「笔滨痴翱罢」というビルにあったタワーレコードで颁顿を买って……典型的なサブカル野郎だったと思います。

 

研究室にある楳図かずおの作品

ホラー映画以外にも、漫画や小説の研究はしていますか?

?昔は漫画の研究をしていました。卒业论文の题材も手塚治虫でしたし、大学院に进んだ当初は、好きだった楳図かずおの研究をしていました。ですが心の奥底で映画のほうが好きだと感じていたところがあったため、徐々に映画へシフトしていきました。ただ漫画、特に楳図かずおについては、しっかり研究してみたいと今も思っています。あとは小説も、怖いものは若い顷から好きで読んでいましたし、今でも読むことがあります。

川崎さんが长年研究してきた中で、ホラー映画の研究に向いているなと思うご自身の性质?気质、また反対に「この能力が欲しいな」と思うことはありますか?

向いてるなと思うのは、「諦めが悪かった」ということだと思います。研究を続けるには、諦めの悪さと粘り强さが必要だからです。そして、「映画好き」なことも助けになりました。欲しいのは集中力ですね。年々集中力を失っている気がします。

ホラーをプロの视点で研究されてきたからこそ、新しい作品を観ている时、「次はこんな展开になりそう」と予想がついたりすることはありますか。

ああ、そういうことはあります。ただ、昨今のホラーの作り手たちはそういう定式も分かっているので、その上でどう里切るかといったことも考えて作っていると思います。

では、むしろ予想が里切られたと感じることの方がよくあるのでしょうか。

はい、よくあります。ただ、僕はあまりそうやって构えて観るタイプではなく、どちらかというと気楽に楽しみたいタイプです。最近は驰辞耻罢耻产别やテレビ东京の深夜番组などで、ドキュメンタリー风ホラーが流行していて、観た人がいわゆるカッコつきの「考察」をする文化があって、驰辞耻罢耻产别のコメント栏などに考察を投稿していくんです。みんなすごく一生悬命に作品中の违和感や気になる部分がないかを観察するのですが、作品がクイズやパズルになっているような気がして、个人的にはノれません。もっと気楽に楽しんで、わぁ怖い、という见方が僕は好きです。そのため、昨今の考察カルチャーみたいなものにはなかなか入っていけない感覚があります。

 

川崎さんが一番兴味を持っているホラーの演出方法を教えてください。

さまざまなものがありますが、なかでも僕がとても兴味を持っているのは、「人间が人间のままでいて人间ではない」ということを映像でどう表现するか。これがすごく面白いです。僕は幽霊が好きなんですが、俳优をどこに立たせて撮るかという工夫でただの人间がお化けに见えてしまうことがすごく面白かったんです。窓に人影が映っているだけなのに、どうしてこんなに怖いんだろう、と。たとえば高校生の时『女优霊』を観て、「すごく怖い」と同时に「なにか面白いかも」と思ったのもそういうところからです。

人がよく分からないドロドロしたものに変化したり、特殊メイクのゾンビが出てくるといった描写は、分かりやすく怖いですが、それとはまた违って、その辺にただ人が立っているだけなのに怖い、というような演出が僕にとってはすごく面白かったです。だからこそ、そうした演出をよく採用する闯ホラーに兴味を持ったのだと思います。

?

ご自身は、どんなものが怖いですか。

僕は怖がりなので、いろいろなものが怖いです。まず当たり前ですが、痛そうなものは怖い。たとえばボクシングなどの格闘技で、殴り合って血が出たりするのを见るのは结构平気なんですが、関节が変なふうに曲がったりするのはすごく嫌なんです。僕はサッカーが好きで、わりと热中して観るんですが、结构ひどい怪我の时は足がぐんにゃり曲がったりするので、それは见ていられません。あとは、虫も怖いし…ほかにもたくさんあります。

他人が怖いと思っているものは、大体僕も怖いと思っています。高いところも、幽霊も、死ぬのも、生きているのも、人间も、怖いです。

 

今、ホラー作品を作るとしたら、どんな作品を作りますか。

すごく难しい质问ですね。実は数年前、东京に住んでいたころに少し考えていたものがあります。东京って札幌に比べるとセミがすごく多くて、あるとき自転车に乗っていたら颜に向かってセミがバーッと飞んできて、走行中の车に轢かれそうになるという恐怖体験をしました。そこから少しセミ恐怖症になったんです。そこで考え始めた映画のアイディアなんですが、夏になったら目には见えないセミの鸣き声が无限に闻こえてくるという、セミのホラー。これはできるなと思いました。

「セミホラー」はきっと、B級映画的なものも含めて、製作している人は探せばいると思います。というのも、セミは音響の怖さが使えますから。それから無数のセミが襲ってくる、幼虫が土から出てくるなど、空間的な技法もいろいろ使えるので…… やっぱり作るならセミのホラー映画ですね。

* 後記:後日川崎さんより『「セミホラー」ですが、インタビュー後に公開された「口に関するアンケート」でやられてしまいました』と追伸をいただきました。

今后どのような研究テーマに挑戦していきたいですか。

最近はホラー映画研究は一区切りついた状态で、ホラー研究と関连しつつもまた别の関心から、戦后日本映画の研究に取り组んでいます。抽象的な説明になってしまいますが、「个人」と「共同体」との関係を研究したいと思っています。たとえば国や会社、家族などの「ある共同体」と一个人との関係は、闘っていたり、个人侧が共同体侧に抑圧されたりなどさまざまです。そういった関係性の现れ方について研究を进めたいと考えています。

 

【编集后记】

川崎さんは、ホラー映画の中でも、人间が人间の姿のままでありながら人间ではない存在のように见える演出に兴味を持っている、と语ってくださいました。幽霊や怪物を直接登场させるだけではなく、人の立たせ方や映像の撮り方によって、不気味さや恐怖を表现できることが印象に残りました。さらに、先生がホラー映画を作るなら、セミの鸣き声を生かした「セミホラー」を作りたいというお话も兴味深かったです。

今回の取材を通して、ホラー映画の研究は、作品の怖さを调べるだけではなく、映像の表现や人间、社会について深く考える研究でもあることを知りました。また、研究を続けるためには、自分の兴味を大切にし、行き詰まっても諦めずに取り组むことが重要だと感じました。

インタビューに不惯れな私たちに対して、一つひとつの质问に丁寧に答えてくださった川崎さん、本当にありがとうございました。


この记事は、金山晋(法学部1年)、千﨑亮汰(保健学科1年)、田崎介盛(総合教育部1年)、緑川千晶(教育学部1年)、望月清香(総合教育部1年)、?川凉乃(総合教育部1年)が、主题别科目「北海道大学の”今”を知る」の履修を通して制作した成果です。

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2026.09.03

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