
颁辞厂罢贰笔とダイバーシティ?インクルージョン推进本部の连携企画、ロールモデルインタビュー贵滨碍础。
贵滨碍础とは、スウェーデン语で甘いものと一绪にコーヒーを饮むこと。
キャリアや进む道に悩んだり考えたりしている方に、おやつを食べてコーヒーでも饮みながらこの记事を読んでいただけたら、という思いを込めています。
シリーズ17回目となる今回は公共政策大学院の小濵祥子さん。
?幼少期に见た湾岸戦争のニュースをきっかけに、世界の“理不尽さ”に强い関心を抱き、政治学の道に进んだ小濵さん。
その违和感を胸に、纷争や国际政治の构造を分析し、「なぜ戦争は终わらないのか」「平和をどう筑けるのか」を问い続けています。平和を远くの理想ではなく、现実の构造から见つめる探究の歩みを伺いました。
【森沙耶?いいね!Hokudai特派員 + ダイバーシティ?インクルージョン推進本部】


戦争の理不尽さを受け止めきれなかった幼少期
小濵さんが「戦争」という现実に强い衝撃を受けたのは、小学生の顷でした。
1991年、湾岸戦争のニュースで、テレビに映し出されたミサイルが飞んでいる映像を见たときに、幼い心に言叶にならない违和感が残ったといいます。
「自分が戦后の日本に生まれ平和に暮らしていることは、ただの偶然です。纷争地域に生まれた人たちも、それを选んでそこに生まれたわけではありません。なのに争いに巻き込まれ被害にあうという现実が、どうしても纳得できなかったんです」と振り返ります。
その理不尽さをどう理解すればいいのかという问いが、世界や社会を知りたいという思いにつながっていったといいます。
日々の暮らしでは、3歳から続けてきたクラシックバレエが生活の中心にありました。練習は厳しく、レッスンに明け暮れる毎日だったといいます。 しかし高校生のときに大きな挫折を経験します。
「中学に入ったころから壁に突き当たって、ずっともがいていたのが続いて、体も心も动かなくなってしまって。ずっとバレエを続けていく未来を见ていたのに、それまで自分を动かしていた情热が急に失われてしまったんです」と、ずっと打ち込んできたバレエに対して燃え尽きてしまい、しばらくは何も手につかない日々が続きました。
そんなとき、支えになったのが読书や勉强だったといいます。バレエをやめて、本を読む时间や勉强する时间ができ、世界をそれまでとは违った见方で见られるようになる楽しさに魅せられていきました。特に世界史や地理の受験问题を解くと、出题者がどのように社会を见ているのか、あるいは学生に见てほしいのかが伝わってきてわくわくしたり、日本语では表现できない感情や物事があると感じてスペイン语を勉强したりしたといいます。
法学部で见つけた「政治を通じて平和を考える」道
进路を考える时期に差し掛かり、地元である奈良から、同级生と一绪に东京の大学をいくつか见に行きました。そこで东京大学を见に行った际、緑の多いキャンパスの雰囲気に惹かれ、进学先として目指すことを决めます。
「この木の下のベンチで本を読んだらすごくいいだろうなぁって思って。本当に直感なのですが、私にはここが合っていると感じて、そこから东大で勉强したいというモチベーションで顽张れました」と振り返ります。
高校の社会科の授业ではいつも世界情势の话题に引き込まれていたという小濵さん。大学进学では「国际関係を学ぶなら政治の仕组みを知らなければ」と考え、东京大学文科一类から法学部に进学。
法学部には法律と政治のコースがあり、小濵さんは政治学を选択。政治学コースへ进んだことについて「戦争の被害を食い止めるための方法は、现场で人を助けることだけではない。争いにつながる构造そのものを変えることも平和への道だと感じました」と小濵さんは语ります。
ゼミでは、イスラエルに対するアメリカの武器输出を题材に、国际政治の駆け引きを分析し、中东地域で繰り返される戦争の背景を理解しようと试みました。戦争を「终わらせる」だけではなく、「繰り返さない」ために何が必要なのかを问い続けていたといいます。
やがて研究にのめり込むうちに、「もう少し学びを深めたい」という思いが芽生えてきます。しかし、当时の法学部では大学院进学は珍しく、周囲の多くは就职を选んでいたそうです。自分に才能があるのか、研究者としてやっていけるのか。迷いの中で、ゼミの先辈からかけられた言叶が背中を押したといいます。
「研究者に向いているかどうかなんて、最初から谁にもわからない。结局は、覚悟を决められるかどうかなんだよ」
その言叶に励まされ、研究の道を歩む决意を固め、大学院へ进学します。

壁の向こうに见えた、手を动かし続けることの大切さ
大学院に进学して最初の1年は、どれだけ本を読んでも理解が追いつかず、授业の议论についていけず、毎日が壁に头を打ち付けたくなるような日々だったといいます。
そんなとき、先生から「専门の勉强ばかりしてもダメ。とにかく基础を広く学びなさい」と助言を受けます。思想史、歴史、さまざまな地域へと视野を広げ、学ぶほどに世界の见え方が変わっていき、次第に政治を静的な「制度」ではなく、「多様な人间が共存するための営み」として动的に捉える感覚が身についていったといいます。
多様な知を吸収する过程で、“书くこと”の意味にも気づいたと话します。完璧を目指して一歩を踏み出せなくなるよりも、まず书いて、直して、积み重ねていく。その积み重ねこそが研究なのだと理解したそうです。
「先生からは素晴らしい大作を一生に一度书くことを目指すより、まずは手を动かし続けることが大切だと教わりました。今もその教えを大事にしています」と研究者としての基础的な姿势も学んだといいます。
学びが深まるにつれ、それまで文献収集を中心に行っていた外交史から「国家间の駆け引き」そのものへ関心が移っていったといいます。「歴史を読むだけでは见えてこない人间の行动や判断の构造をもっと理论的に理解したい」と考えていたときに指导教员の勧めもあり、博士课程はアメリカの大学院へ进学することに决めます。
研究を通して取り戻した情热
博士课程の留学先はアメリカ?バージニア大学でした。博士课程の最初の2年で行われる「コースワーク」と呼ばれる授业中心の期间は、政治学に加え、ゲーム理论や统计学など幅広い分野を网罗的に学び、週に数百ページの论文を読む生活が続いていたといいます。
小濵さんは「本当に目から血が出るかと思うほど勉强したんです」と笑いながら振り返ります。
アメリカの大学では、议论を通じて自分の考えを磨く文化が根づいており、最初は英语で発言することに踌躇したものの、ディスカッションを重ねるうちに「知识を取り込むだけでなく、自分の中でつなぎ合わせ、自分なりに意味づけていくこと、自分の言叶で表现すること」が少しずつ身についていったといいます。
圧倒的なインプットの量に対してそれをどう処理すればいいのか分からず、もやもやとした感覚の中、くじけそうになる日もありました。
しかし、諦めずに向き合う中で、「论文に“読まれていた”自分が、いつの间にか“読む侧”になっていました。それができるようになったとき、雾が晴れた気がしました」というように、膨大な文献を読み、议论を重ねる中で、知识を「自分の言叶」に置き换えられるようになったといいます。
コースワークを终え、研究が进み始めた博士课程の终盘、北海道大学への着任が决まり、留学生活を终えて帰国します。博士研究を続けながら教育の现场に立つことは大きな挑戦でした。
しかし、新しい环境で研究に打ち込むはずが、思い通りに进まない日々が続きました。成果を出せない焦り、自分だけが取り残されているような感覚。周囲には优秀な研究者が多く、「この场所に自分がいていいのか」と思い詰めたこともありました。
「论文を书こうとしても手が止まってしまって。ファイルを开こうとするだけで手が震えるような时期がありました」
そんな停滞を打ち破ったのは、勇気を出して久しぶりに参加した学会でした。発表をきっかけに出会った研究者との交流から共同研究が始まり、「研究の楽しさ」を思い出したと话します。査読论文の修正に彻夜で向き合ったとき、疲労の中に确かな高扬感があったそうです。
「夜明けの光の中で“やっぱり研究が好きなんだ”と感じたあの瞬间は、忘れられません」
バレエで一度失った“ひとつのことに打ち込む情热”が、研究の中で再び涌いてきました。小濵さんはそのとき、研究を続けていってもいいんだ、という确信を得たといいます。

积み重ねた小石が、次の世代へと道をつくる
现在は研究と教育、そして2児の子育てを両立する生活を送っている小濵さん。北大の职场环境や周囲のサポートに支えられながら、研究を続けてきたということでした。
「一度安定した职に就けば、研究职は女性にとってとても働きやすい仕事だと思います。时间の融通もききますし、自分のペースで続けられるのが大きいです」と话します。
女性教员が少ない分野ゆえに女子学生から将来について相谈を受けることも多いという小濵さん。学生たちには「女性だから」「研究者だから」といった固定観念に缚られず、自分らしい生き方を选んでほしいと话します。
「私が大学院进学を迷っていた时はそれで人生が决まってしまう気がしていました。でも、人生の决断は何度してもいいと今ならそう思えます。挑戦したいと思ったら何歳でも挑戦してもいいし、嫌だと思ったらやめて别のことをしてもいい。自分の心をわくわくさせるものを大切にしてほしいです」と语ります。
また、人との関わりも大事にしてほしいと话し「研究は一人でするものだと思いがちですが、実际は人との関わりの中で进んでいくものです。子どもを育てるのも同じで、社会や周囲の人に助けてもらい、自分もいつか同じように谁かの力になりたい、そのためにもっと成长したいと思う。それを実感しています。」と、自身の経験からアドバイスを送っています。
多くの人の支えがあって研究を积み重ねてきた小濵さんですが、これからの10年は、积み重ねてきた成果を一つの流れにし、その中で「多様な人々が平和に共存する」ことを自分なりの视点で问い直すような分野を开いていけたらといいます。
「研究は、一人で大きな建物を建てることではなくて、次の人が踏み出すための“小石”を置くような仕事なんです。小さな発见や分析の积み重ねが、いずれ大きなテーマにつながっていくと信じています」
小さな発见や分析の积み重ねが、次の谁かの出発点になる。その循环こそが学问の力だと信じて、小濵さんはこれからも、世界を见つめ続けていきます。

贵滨碍础キーワード 【课程别?専攻别の日本人留学数】
(学部课程では人文社会系の学生の留学者数が多く、修士课程?博士课程では理工系の学生の留学者数が多いことがわかる。この年のデータからは小濵さんのように博士课程で社会科学分野での留学生数は全体の约5%である)
〈転载:文部科学省(2025年)共创のための留学モビリティ拡大及び大学の国际化の方向性 参考资料集「日本人学生の専攻别?课程别留学状况」〉