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#19 海藻からエタノール?! 遗伝子组换えで海洋微生物の発酵をパワーアップ!

バイオエタノールって何? バイオエタノールは生物体を微生物で発酵させて作る燃料です。作り方は、同じく発酵を利用する日本酒ととても似ています。日本酒のアルコール浓度は15%ほどなのに対し、アルコールを蒸留して100%近い浓度にしたものがバイオエタノールです。私はこのバイオエタノールを海藻から作るための研究をしています。

【杉谷舞?水产科学院修士1年】

海藻からエタノールを作るのは难しい

海藻は主に、色々な种类の、糖がたくさんつながった多糖というものからできています。例えばコンブはマンニトール、アルギン酸、セルロースという种类の多糖を含んでいます。それに対し、现在原料として一般的に使われているトウモロコシにはデンプンがたくさん含まれています。

一种类の多糖しか含まれていなければ分解するための酵素は一つで済みますが、色々な种类の多糖が含まれていると、そのぶん多くの酵素が必要になります。多くの酵素を使えば作业工程は复雑になります。また、酵素はとても高価です。产业として海藻からエタノールを生产するためには大きな障害となります。

さらに、先ほど出てきたアルギン酸という多糖は构造が复雑で分解しにくくやっかいです。このことも海藻からエタノールを作ることを难しくしている要因の一つです。

(中央にある白い装置でエタノールを测定します。右のボンベとつながっていて、左のパソコンで制御しています)

海藻分解のスペシャリスト、ビブリオ?ハリオティコリ

15年ほど前に私の所属する研究室でエゾアワビの消化管から见つかったビブリオ?ハリオティコリという细菌は海藻を分解するのがとても得意で、コンブの主成分のマンニトールとアルギン酸を分解することができます。しかもマンニトールを原料としてエタノールを作ることもできてしまうのです。


(ハリオティコリを生やした培地)

この细菌を上手に使えば効率よく海藻からエタノールを作れるかもしれません。でもこの细菌くんには分解できない多糖がまだまだたくさんあります。海藻をなんでも分解できるようにするにはそのための酵素を作る遗伝子を组み込んでやる(=遗伝子组换えをする)必要があるのです。

遗伝子组换えをしよう!

まず手始めにデンプンを分解するための酵素、アミラーゼの遗伝子をハリオティコリに组み込んでみることにしました。遗伝子组换えってなんだか难しそう、と思うかもしれませんが、方法はとってもシンプルです。自然界では细菌同士が环状の小さな顿狈础(プラスミドと呼ばれます)をやりとりする现象が知られているので、それを利用します。

まずプラスミドを切って、切れた所にアミラーゼの遗伝子を入れます。そしてそれを顿狈础を取り込みやすいように加工した大肠菌に入れます。こうしてできた大肠菌からハリオティコリにプラスミドを渡してもらうのです。


(遗伝子组换えの仕组み)

寒天培地で培养

遺伝子組換えしたハリオティコリ(=組換え株)と遺伝子組換えしていないハリオティコリ(=野生株)を並べてデンプン入りの寒天培地で培养してみました。そしてそこにヨウ素溶液をかけました。ヨウ素とデンプンが結び付くと青紫色になる反応(ヨウ素デンプン反応)を利用して組換え株がデンプンを分解できているか目で見て確かめられるようにしたのです。デンプンが分解されていれば色はつかず黄色のままになるはずですが、果たして…… 


(左の小さな黄色い円が野生株、右が组换え株)

结果は一目瞭然!组换え株の周りのデンプンはきれいに分解されています。遗伝子组换えは上手くいったようです。

発酵実験

组换え株がデンプンを分解できることはわかりましたが、肝心のエタノールを作ることはできるのでしょうか。それをしらべるために液体培地で72时间培养して、作られたエタノールの量を计测してみました。72时间という时间に设定したのは、ハリオティコリの増殖がピークになるのが48时间で、その増えたハリオティコリによって作られる物质の量のピークはだいたいその24时间后になるからです。


(细菌が作りだしたエタノールの量を表したグラフ。野生株の量を1として比率で表わしています)

その结果、野生株に比べてかなり多い量のエタノールが作られていることが判明しました。组换え株が72时间后の时点で作ったエタノールは野生株の10倍以上の量です。组换え株はデンプンを分解するだけでなく、デンプンからエタノールを作ることもできるのです!

ハリオティコリを细胞工场に

今后はハリオティコリにもっと色々な遗伝子を组み込んで、ハリオティコリを海藻の分解から発酵まで全部こなす「细胞工场」にできたらと考えています。

ハリオティコリは小さな小さな细菌で目には见えませんが、とても大きな可能性を持っています。もっと色々な多糖を分解できるようにしたり、エタノールの生产効率を高めたり&丑别濒濒颈辫;。どんな方向に导いてあげるかは私次第、そこがこの研究のとても面白いところです。これからも色々なことを试して小さな细胞工场を作り上げていきたいです。

※ ※ ※ ※ ※

&苍产蝉辫;この记事は、杉谷舞さん(水产科学院修士1年)が、大学院共通授业科目「大学院生のためのセルフプロモーション1」の履修を通して制作した作品です。

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Update

2014.08.07

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