私たちは牛乳が大好きな北海道大学の一年生です。今回私たちは北大で牛乳に関する研究をしている二人の研究者に取材をしました。前后编の记事を通して、牛乳研究だけではなく皆さんに研究者の研究への思いも绍介したいと思います。
まず私たちは、多くの乳牛が饲育されている牛舎に行って、饲育と牛乳の味?成分の関係について研究している叁谷朋弘さん(北方生物圏フィールド科学センター准教授)に取材をしました。
【山本直辉?総合理系1年/曲山碧海?総合理系1年/豊田万紘?文学部1年】

北大では昔から牛の研究をしていると思うのですが、この牛舎にはどれくらいの歴史があるのでしょうか?
モデルバーンって知ってるかな? そこが初代の牛舎で明治10年、1877年に建てられてます。そして二代目は北19条の北侧に僕が学生の时に建ってました。それで16年前にできたのがこの牛舎です。だから研究の歴史は140年以上あるけど、この牛舎は比较的新しいですね。

长い歴史があるんですね。この牛舎では何头の牛が饲育されていますか?
今饲ってる牛の头数は子牛も合わせて约50头。実际に搾乳しているのは20头。北海道の酪农家の平均头数は80头を越えてるので、规模は小さいかな。実はここの牛は1889年にアメリカから连れてこられた5头の牛たちの子孙なんだよね。何世代にも続いて血统が残っているところも魅力の一つです。

牛をどのように育てているのでしょうか?
牛の育て方にはこだわっています。北大では牛を饲い始めた当初から农场の牧草を饵として与えています。また、当时から圃场で収穫したトウモロコシも実の部分を与えていました。40年くらい前からはトウモロコシの茎とか叶っぱとかも含め発酵させた饲料、サイレージを作っています。
今、日本の牛の饲い方は穀物主体になっているんだよね。牛は基本的には草を食べて生きていく草食动物なんだけど、僕らが食べるようなトウモロコシや大豆といった穀物を大分あげるようになっている。みんなは「ああこれ草を食べて育った牛の牛乳だな」って思って饮んでるかもしれないけど、実は饵には穀物もたくさん含まれているんだよね。そしてその穀物は输入が中心。
その结果、输入饲料ばっかりで牛を育てているのに「国产牛乳です」みたいな何言ってるかよくわかんない状况になっている(笑)。このことを僕はあんまりいいことではないと思っています。だから北大では自分の所で取れたものを饵として与えています。

まさに北大产の牛乳をつくっているというわけですね。ここでは牛たちを放牧して育てていますが、そのメリットは?
放牧はずっと牛舎に入れて育てるより楽だし、お金もかからない。牛は牧草地でたくさん粪をするけど、コガネムシの仲间やハエがそれを细かくして、さらにそれを土壌中の微生物が分解してくれる。だから结构な早さで分解される。分解されたものを栄养として牧草が成长する。そしてそれを牛たちが食べて牛乳だして粪をして、また草が伸びる…というサイクルが生まれる。それをわざわざ人の手を加えなくてもできるのが、放牧のいいところかなと思ってます。
実は、放牧を始めたきっかけは先代の近藤诚司先生の时にとてもお金がなかったからだと闻いてます(笑)。

牛乳の味は季节によって変わるのですか?
みんなあまり気づいてないかもしれないけど、牛乳って牛の饲い方によって味だったり香りだったり、すごい変わるんですよ。夏场だと牛は20时间以上、放牧地で草を食べているんですよね。だけど冬场は当然、雪だらけなので牛舎の中で饲わなきゃいけない。饵も大学内で作るトウモロコシや干し草にごろっと変えるんです。
そうしたら牛乳の味もごろっと変わります。夏の牛乳の方が薄くて、冬の牛乳の方が浓いんです。今の北大农场の牛はほとんど青い草しか食べていないので、草由来の风味が口の中に広がる牛乳になってます。夏は暑いのもあって成分が落ちてきて、すっきりしてくる。普段饮んでいる牛乳とは全く味が违うと思います。冬は、结构コクがあって香りとしてはちょっと甘いです。実际に成分も浓い。まあ、あんまりわかんないと思いますけど(笑)
牛と触れ合えるよさ、北大でできる研究の良さってなんでしょう?
牛と関わるのは、面白いですよ。僕は面白い事しかしたくない。何でこんな风に食べてるのかな、何で食べないんだろうな、何でこんなにお乳出るのかな、何で出ないんだろうなとか、考えてると面白い。自分の知识とすり合わせて、こういうことだなって纳得したり。わからなければ次の研究テーマにしたり。
だから、牛を见ないで研究を始めるのは僕のスタンスとしては无理ですね。やっぱりいろんな现场の酪农家に行って、いろんな牛乳もらったりとか、いろんな话闻いて刺激を受けないと新しい研究は思いつかない。そういう意味では牛を実际に见られる研究环境は非常に重要です。
今北大では20头ぐらいの乳牛を使って実験していますが、そういうことができる大学は日本では片手であるかどうかですね。うちぐらい自由にやっている所は多分ない。そういう意味では、もう最后の砦かなと思っていて、明治时代からずっと続けてきているんだし、やっぱり使命感みたいな部分も半分あります。

どんな牛乳を目指していますか?
「牛乳は健康に良いから饮む」みたいな感じで、今まで自分好みの牛乳を选べる市场をつくってこなかったんです。ビールやワインだと自分の好みで选ぶことができるのに、牛乳はメーカーに関しては色々あるけど、製造方法が一绪で中身もほとんど一绪。これでは面白くない。その时の自分の懐事情と気分によって商品を选ぶことが牛乳ではまだできてない。できないんじゃないかなという気もするけど、僕はそういう牛乳を目指すことも面白くて重要かなと思う。

酪农の魅力を体感したあと、北大牛乳をいざ、试饮
私たち取材班は、牛舎で搾乳した牛乳を実际に饮ませて顶きました。见た目は普段饮んでいる牛乳よりも黄色っぽい牛乳です。これは、饵である草の成分のβカロテンが含まれているからだそうです。想像していたこってりした味とはまた违って、饮みやすくコクがありました。叁谷さんが言ったように、饮み终えた后に草の风味が少し口に広がる感じがしました。普段スーパーで买って饮む牛乳とは违い、牛舎で牛乳が搾られる过程や、放牧地を実际に见て、その场でいただく牛乳の味は格别でした。


叁谷さんは、やみくもに机械による自动化を导入してそれに依存するのではなく、放牧酪农や人间が牛たちと直接ふれ合うことを大事にし、そこに酪农の意义、そして未来があるのではないかと考えています。私たちも実际に叁谷先生に取材をして、现场で研究することの良さ、酪农の魅力を肌で感じることができました。
次回は细胞の世界からの牛乳研究を绍介
三谷さんは北大の他の研究者と共同研究することもあります。乳牛をつくる細胞に着目して研究をしている小林謙さん(農学研究院 准教授)もその一人。次回は、ミクロな視点から牛乳研究の一面をお伝えします。