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#159 科学技术を用いた最新の雪道対策

〈2020年2月4日の「いいね!贬辞办耻诲补颈」记事より転载〉

雪道での転倒対策という问题は、北海道という地域に特有の问题だと思われるかもしれません。しかし、雪道での転倒问题は雪国に限ったことではありません。现に首都圏で降雪があったときには札幌での1シーズンにでる救急车での搬送者数と同じくらいの搬送者数が1日で出ます。そして、この人数はなんと1000人にものぼると言われています。

また、この问题は単に「けがをしないため」に考えられるだけではありません。高齢者の方々は、冬场、転倒をおそれて外出を控える倾向があります。また、転倒をきっかけに、寝たきりになる方も多いと言われています。つまり、冬道の転倒対策はお年寄りの方の健康増进のための公共政策という面があります。

さらには、半年ものあいだ、ぶ厚い雪におおわれる札幌では、冬场、滑りやすい道の先にあるお店のお客さんの足が远のいてしまいます。歩きやすい雪道がどこにあるのかによって、わたしたちの経済的?商业的活动にも大きな影响があるのです。

このように雪道での転倒対策は、意外にも、大きな问题です。雪道での転倒対策は冬からすればよいと思う方もいるかもしれません。しかしそうでもありません。雪に惯れてない人の场合、雪が降ってはじめて雪に関心を持つため、転倒する危険が高くなってしまいます。雪がない今だからこそ、この记事を読んで雪道転倒への意识を高めてもらいたいと思います。

そこで、雪道での転倒に対するさまざまな対策を知るべく、北海道大学公共政策大学院教授の高野伸栄さんにインタビューしてきました。高野さんは、ウインターライフ推进协议会という、雪道での歩き方などの冬场の対策についてインターネットなどを通じて情报を提供している会の会长も务めていらっしゃいます。今回は高野さんにインタビューをすることで、雪道を歩く际の日常的な対策、そして、科学技术などを使った最新の雪道転倒対策について调査しました。

【樱井谦辅?経済学部1年/信田龙之介?総合理系1年/村上太一?総合理系1年】

(快く取材を受けてくださった高野伸栄さん)

1. すぐにできる! 素朴な対策

まずは、どのようなひとが転びやすいのかについてお話を伺いました。高野さんや、その研究室の学生の集めた統計データによると、高齢者の転倒率が高いだけでなく、若年層の転倒率も高くなっていました 1)。

しかし、一般に、高齢の方々に比べて若年层の人々は运动能力が高いと言えます。そう考えると、高齢者に比べて若者の方が転倒を回避することに长けているのではないでしょうか。つまり、なぜ若者と高齢者の転倒率にそれほど大きなちがいがないのかについては、运动能力の高い、低いといったものとは别の要因があるのかもしれません。

これについて高野さんは、アンケートに回答してくれた人には雪道で転んだ経験があるひとが多く、ひいては、雪道に関心が强い方がアンケートに多く答えてくれたのではないか、という可能性を示唆されていました。また、このように若年层において転倒率が高くなっているのは、他の年代より雪道での転倒に対する意识が若年层では低いためではないか、という仮説も提示されていました。つまり、若年层は転んでもけがをする恐れが少ないので、転倒に対する意识が相対的に低く、ひいては雪道で転びやすくなっているのではないかとのことでした。特に大学1年生には雪道に惯れてない人が多く転びやすい方が多いとのことでした。

続いて、転ばないための対策について高野先生にお話を伺いました。個人ができる対策としては、歩き方、服装、荷物の持ち方、筋トレなど多岐にわたりました。例えば、歩き方としては、靴の裏全体を路面につけ、小さな歩幅で歩くことによって、動作を小さくすることが効果的です。より詳しい対策については先ほど述べた高野さんが会長を務めるウインターライフ推進協議会のホームページが参考になります 2)。

高野さんのお话の中で特に强调されていたのは、転ばないように注意する「意识」という点でした。つまり、雪道で転ばないためにできる最も大切なことは、急がず、焦らず歩くという、谁にでもできる简単なことなのです。「えっ、そんな単纯なこと!?」と皆さん思うかもしれません。しかし、歩くときに足元を注意して见るようにするだけで、格段に転びにくくなるとのことです。歩き方それ自体よりも、この意识が何よりも大事とのことでした。

2. 科学技術の応用! 最新の雪道対策

次に、最新の雪道対策について伺いました。私たちがもっとも興味深く伺ったのもこの点だったので、少し詳しく紹介します。つまり、以上のようなある種「素朴」な対策がある一方で、高野さんのご研究である最新の科学技术をもちいた雪道転倒対策に私たちは注目しました。

①研究の目的

その研究は、スマートフォンに搭载されたセンサーをもちいたものです。このスマートフォンのセンサーを使うと、そこから得られた计测値を収集し、転倒危険箇所を安価かつ広域にわたり検出するシステムを构筑できるのです。このシステムがあれば、札幌市内の実际の道路において冬季の歩行安全性を定量的に评価できるようになります。高野先生はこのシステムがどれほどうまく运用されるのかを検証しています。

転倒危険度の评価には他にも紧急搬送のデータを分析する、定点カメラの映像を分析する、ボランティアが目视で観测するなどがあります。しかし、これらの手法では、転ばなかったデータが得られない、潜在的に転びやすい场所が分からない、ボランティアの负担が大きいなどの欠点が存在します。それに対して、スマホのセンサーをもちいたシステムでは、冬の転倒危険度を、定量的かつリアルタイムに、しかも広い范囲で、安価に、容易に把握することができるかもしれないのです。

②実験の手法

ほとんどすべてのスマートフォンには加速度センサーが入っています。それを利用して、実験参加者がスマートフォンを持って歩いた际の、上下、左右、前后の加速度を计测します。歩きやすい场所では、加速度の変化が周期的なのに対して、歩きにくい场所では、周期的になりません。このデータを分析すると、歩行の际の安定度が出されます。歩行データは计测终了时にまとめて送信される方法と、リアルタイムに送信される方法があります。得られたデータは10分毎にコンピュータに転送し、100m四方ごとの路面転倒危険度が计测されます。

③実験の结果

実験では札幌駅南口から大通公园にわたる地区のロードヒーティングのあるところでは安定していて、大通公园南侧およびすすきの駅付近などの紧急搬送が多いところでは、やはり不安定という结果が得られたそうです。このように実际に転倒の危険性が高い地区を検出できたとのことでした。また、歩行安定度が大きく低下する気象条件の时には転びやすいというデータが得られたそうです。つまり、気象の変化による転倒危険度の変化もこの実験では検出することができたそうです。

(実际の実験のデータ 赤に近いほうが転倒危険度が高い)

④これから

いま行なわれている実験では、地区により得られたデータの数が大きく异なっているそうです。その结果、被験者の日常生活の范囲の偏りが调査结果に反映されてしまった侧面があります。例えば、北海道大学の「北13条通り」では転倒が多いというデータが得られました。しかし、それは、「北13条通り」の先に北海道大学の工学院があるからだと高野先生はおっしゃっていました。というのは、この実験には高野さんの所属する工学院の学生が多く含まれていているからです。

つまり、现状では、参加人数が少なく、データを広范囲にリアルタイムで観测することはできていないそうです。同时计测者数が数十名から100名程度であれば、一般的な笔颁を用いて、10分毎に転倒危険箇所を検出することが可能になるそうです。データの収集に参加してくれる人が増えていけば、広范囲でリアルタイムに、どのような场所が危険であるかのデータを作ることができるようになっていくでしょう。&苍产蝉辫;

3. まとめ

雪道で転ばないようにするためにできることはたくさんあります。また、将来的に、凍結路面も天気予報みたいにリアルタイムで見ることができるようになるかもしれません。今回のこの記事を読んで皆さんがもっと雪道に対して関心を持ってくれるとうれしいです 3)。

注?参考文献

1)&苍产蝉辫;高野伸栄、戸部启太朗、金田安弘(2015)「札幌市における冬季歩行者転倒事故実态について」、『寒冷地技术论文?报告集 寒冷地技术シンポジウム』31号所収、北海道开発技术センター、124-127页

2)&苍产蝉辫;ウインターライフ推进协议会「(最终閲覧日:2020年8月31日)

3) 他には以下の文献を高野さんに提供していただき、これらを参考にしました。齊田光  、徳永ロベルト、高野伸栄(2019)「スマートフォンを用いた冬期転倒危険箇所の検出に関する研究―住民協働を想定した転倒危険箇所検出実験―」、第63回 北海道開発技術研究発表会、発表原稿;高田萌花(2019)「北海道内主要都市における冬期歩行者転倒事故に関する実証的研究」、卒業論文(北海道大学工学部環境社会工学科)。

※ ※ ※ ※ ※

この记事は、樱井谦辅さん(経済学部1年)、信田龙之介さん(総合理系1年)、村上太一さん(総合理系1年)が、全学教育科目「北海道大学の&谤诲辩耻辞;今&谤诲辩耻辞;を知る」の履修を通して制作した成果物です。

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2020.09.10

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