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コロナウイルスの感染力と致死率を数理モデルで推定

2月末の現在、中国で発生した新型コロナウイルスが日本各地でも流行しています。本学の西浦博さん(医学研究院 教授)は、コンピュータでシミュレーションする「数理モデル」でこのウイルスの流行状況の特徴を明らかにする疫学研究に取り組んでいます。1月末から共同研究者とともに7本の論文を発表し、記者会見したりメディアの取材に対応したりして、この病気の拡大を抑える基盤となる情報を提供し続けています。

【川本思心?麻豆原创/理学研究院 准教授】

(2019年夏に取材した际の西浦さん)
得られたデータから顺次结果を発表

これまでの论文の内容を绍介しましょう。2月4日発表の论文では、チャーター便3机で中国から帰国した565名の日本人の中から、新型コロナウイルスに感染し、肺炎などを起こした患者が発生したデータから、新型コロナウイルスの致死率を0.3~0.6%と算出しました1)。

时々刻々更新されていくデータを使って、病気の特徴は明らかにされていきます。中国でのデータを调べた2月14日の论文では、致死率は5~8%と推计しました。さらに一人の感染者から何人が感染するかという感染力の强さを表す「基础再生产数」を1.6~4.2としました。基础再生产数は、ウイルスの感染拡大をコントロールするにはとても大事なデータで、1以上だと感染が拡大していくことを示しています2)。

より精密に致死率を推计した2月21日の论文では、もともと别の疾患をもつ高齢者の场合は致死率が1%からそれ以上になること、しかし、健康に问题のない若年成人の场合の致死率は最大でも0.1~0.2%にとどまると推测しました3)。

このように、西浦さんらの研究でも致死率の推计はどんどん変ります。他の研究者による报告でも様々な数値が报告されています。これは、正确な感染者の数と状况を直接把握することは极めて难しく、だからこそ限られたデータから推计する数理モデルが威力を発挥するのですが、一方でその限界もあるからです。

强い感染力が多くの感染者をうむ

しかし、この病気に関する様々なデータの分析结果が出揃ってきました。今、わかってきたのは、新型コロナウイルスは、病気を起こしても致死率はそれほど高くない一方で、その感染力は强く、多くの感染者を出す可能性が高いということです。

过去に流行したウイルスと比べるとどうでしょう? 2003年に流行した厂础搁厂の基础再生产数は2~5、2012年に流行した惭贰搁厂は1以下で、今回の新型コロナウイルスでは1.6~4.2となっています。致死率は厂础搁厂で约15%、惭贰搁厂约20%、新型コロナウイルス0.2%から数%となっています。この数字から、先ほどの特徴がわかります。

致死率が低いとはいえ、今回の流行が问题ない、というわけではありません。実际、毎年流行する季节性インフルエンザの基础再生产数はおよそ2、致死率は约0.02%であり、それよりは明らかに「强い」ウイルスです。そして、致死率は低い一方、感染力が强いために多くの人に感染し、结果として感染者数が多くなり、死亡者数が今后も増えていく可能性があるのです。

これからどうなるのか。论文ではこのように书かれています。「死亡のリスクが小さいと思われる场合、一般人口の大多数にとって病気は軽度であると主観的に认知される可能性がある。しかし潜在的な併存疾患を持つ高齢者のリスクはかなり大きいかもしれない」3)。また、上记の致死率や基础再生产数もどのような感染状况でも同じとは限らないことに注意しなければならないでしょう。高密度で感染者がいる状况では、それらの数値は上がるのです。

感染症研究とは

数理モデルを利用した感染症研究はどのようなもので、今回のような流行に対してどのように役に立つのか、基础再生产数をどうとらえるべきか。この研究分野がこれから我々に何をもたらすのか、このような新兴感染症はこれからも出てくるのか……これらの疑问のヒントになる、今年の夏に西浦さんに取材した记事を再掲します。

【フレッシュアイズ】#143 数理モデルを利用して感染症を制御せよ!(1)?流行を予測し、社会の政策につなげる?2019年09月23日

 

今回绍介した研究成果は、谁でもアクセスできる以下のオープンジャーナルにまとめられています。

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2020.02.28

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