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#104 むかわ竜、新属新种の可能性

2013年に「むかわ町穂別から恐竜化石を発見」と発表され、発掘と研究が進められてきた通称「むかわ竜」。この4月には復元骨格模型も完成し、研究もいよいよ大詰めを迎えていました。そして昨日18日、小林快次さん(総合博物館 教授)を中心とした研究グループは、むかわ竜は新属新种の可能性が極めて高いと記者会見で発表しました。

(むかわ竜の復元骨格模型。7月13日から国立科学博物馆で开催される「恐竜展2019」で一般公开される)

小林さんによると、むかわ竜はハドロサウルス科ハドロサウルス亜科のエドモントサウルス类と考えられるとのことです。また12歳から13歳の成体であり、体重は4トンあるいは5.3トンと推定しました。発表内容の详细についてお伝えします。

【川本思心?麻豆原创/理学研究院 准教授】

(6月18日10时からむかわ町穂别で行われた记者会见。左から、むかわ町穂别博物馆学芸员の西村智弘さん、小林さん、竹中喜之むかわ町长)
むかわ竜はどこに分类されるのか?

むかわ竜は発見当初から、その特徴にもとづいてハドロサウルス科だと考えられていました。しかし、正確な分類学上の位置については、慎重に分析が進められてきました。ハドロサウルス科の恐竜はこれまでに50 種類以上が知られており、大きくハドロサウルス亜科とランベオサウルス亜科のふたつのグループに分けられています。そしてそれぞれのグループは、さらにいくつものグループに分かれているのです。

(ハドロサウルス科の系统図。左侧の大きな枝がハドロサウルス亜科、右侧がランベオサウルス亜科)〈転载:飞颈濒颈辫别诲颈补〉

2013年と2014年に実施された本格的な発掘と、その后のクリーニング作业により、8割以上の骨格が集まったことは、确実な分析にとって大きな利点となりました。小林さんを中心とする研究チーム1)は骨格の200を超える形态的特徴をデータ化。それを他のハドロサウルス科恐竜20种余りのデータと比较して、むかわ竜がどの种と近いかを分析しました。

新属新种であると考えられる、いくつもの特徴

その结果、むかわ竜はランベオサウルス亜科ではなくハドロサウルス亜科であり、さらにその中のエドモントサウルスの仲间であることが分かりました。また、中国で発掘されたライヤンゴサウルスと、ロシアで発掘されたケルベロサウルスと特に近いことも示されました。

(むかわ竜の分类)〈より転载〉

そして、これまでの恐竜にはない形态を持っていることから、新属新种である可能性が极めて高くなりました。むかわ竜の特徴にはいくつもありますが、小林さんは会见で主に3点を挙げました。ひとつ目は、ずんぐりとした头部です。近縁种の头部と比べると、くちばしが短く、额部分がややせり上がっています。ふたつ目は、华奢な前足。长さと太さの比、そして筋肉が付く场所の形态から、あまり大きな力は持っていなかったと考えられます。みっつ目は、脊椎骨にある神経蕀とよばれる突起の形です。通常この突起は、尾の方向に倾いています。しかしむかわ竜の胴部脊椎骨では、头の方に倾いています。小林さんも当初この形态を讶りました。地层の圧力によって変形した可能性も考えましたが、いくつもの神経蕀がきれいに倾いていることが分かり、固有の特徴と见なしました。

(ずんぐりとした头をもつむかわ竜(上)。下は近縁のエドモントサウルス?アネクタスの模型)
(细い前足について説明する小林さん)
(胴体部分の脊椎骨の神経蕀は前に倾いている。小林さんが手に持っているのは本物の化石。背后に该当部分が见える)

个体の特徴も明らかに

分析は骨格の外部形态だけに留まりません。后ろ足の脛の骨はスライスされ、内部の「成长停止线」が観察されました。成长停止线とは、骨の断面にある木の年轮のような线で、1年ごとに1本形成されます。この数は9本でした。そして外侧の线の幅が极めて狭いことから、ほぼ成长が终わった个体であるとみなしました。

しかし成长停止线が9本だけだったとは限りません。骨の中心部は成长に伴い空洞になっていくため、若い时の成长停止线は失われてしまうからです。小林さんらは复数のモデルを用いて、中心部に何本の线があったのかを计算しました。その结果、3本から4本という结果がでました。このようにして最低でも9歳、恐らく12歳から13歳の成体だと推定したのです。

全長8メートルを誇るむかわ竜の体重も今回明らかにされました。ハドロサウルス科の恐竜には、二足歩行説と、四足歩行説があります。それぞれの場合で計算すると、4トンと5.3トンという結果になりました。1934年に長尾巧(北海道帝国大学 教授)によって南樺太で発見されたニッポノサウルス(ハドロサウルス科ランベオサウルス亜科)は全長4メートル、体重1トン。子どもの個体と考えられています。それに比べるとむかわ竜は巨大です。

(むかわ竜の復元骨格も模型も、二足歩行と四足歩行どちらにもイメージできる姿势となっている)

このように、むかわ竜は成长途上ではない成体であること、そして8割以上の骨があることから、骨格形态の特徴を明确に记述することができます。ニッポノサウルスは子どもの个体であったため、その分类学上の地位について议论がなかなか决着しませんでした。その意味で、今回の発表はより确からしいと言えそうです。

同定までの轨跡。そして结论は论文発表で…

しかし、今回発表された内容は、あくまで研究チームとしての结论です。ある生物が新种かどうかを明らかにするのは简単ではなく、単に研究している当时者が発表すればいいだけではありません。详细な分析结果を论文にまとめて学术雑誌に投稿し、同じ分野の査読者によるきびしい审査を潜り抜け、出版され、初めて正式に新种と认められるのです。もちろん出版された后も様々な研究によって、それが确からしいかが検証され続けていきます。

今回の研究结果は、记者会见で未発表の内容も含めて论文としてまとめられ、现在投稿中です。どのように査読者が検讨しているかは非公开のためわかりませんが、小林さんら研究チームが発见から现在まで、どの种类であるかを検讨してきた轨跡を、プレスリリースから垣间见ることができます。

むかわ竜は当初から新しい种类と考えられており、ハドロサウルス亜科である可能性が高いとしつつも、ランベオサウルス亜科である可能性も残した内容となっています。以下に抜粋して绍介します。

「ハドロサウルス科恐竜か」「ハドロサウルス科恐竜とみられる」
「ハドロサウルス科の可能性」「新しい种类の恐竜である可能性が考えられます」
※参考としてニッポノサウルス2)の全身骨格図

「ハドロサウルス科の恐竜であることを确认」
※参考としてオロロティタン2)の全身骨格図

「ハドロサウルス科」
※参考としてオロロチタンの全身骨格図およびサウロロフス2)の头骨写真

「ハドロサウルス科の中でもサウロロフス亜科(またはハドロサウルス亜科)に属す可能性が高い」
「むかわ竜は、(サウロロフス亜科とランベオサウルス亜科※本记事补记)どちらの特徴も有していますが、现在の予察的な分析ではサウロロフス亜科に属す可能性が高い」
※参考としてオロロチタンの全身骨格図およびサウロロフスの头骨写真

「ハドロサウルス科」
※参考としてオロロチタンの全身骨格図およびサウロロフスの头骨写真

「ハドロサウルス科」
※参考としてオロロチタンの全身骨格図

「新属新种の恐竜である可能性が極めて高い」
「ハドロサウルス科のうちのハドロサウルス亜科に属すことが判明」
「ロシアや中国のハドロサウルス亜科に近縁」
「ハドロサウルス亜科のエドモントサウルス类(族)に属す」
「さらに、その中でもエドモントサウルス类(族)というグループに属し、特に中国のライヤンゴサウルスとロシアのケルベロサウルスに近縁」
※他种の参考図なし

研究の详细は6月22日午后、日本古生物学会にて「北海道むかわ町穂别から発见されたハドロサウルス科の全身骨格」と题して口头発表されます。论文は现在投稿中です。晴れて掲载され、新属新种が确定される日を心待ちにしたいと思います。

 

今回绍介した研究成果は、以下のプレスリリースにまとめられています。

  • むかわ町穂别博物馆「」(2019年6月18日)

小林さんとむかわ竜を绍介しているこちらの记事もご覧ください

  • (2015年12月10日)
  • (2018年05月31日)
  • (2018年06月05日)

注:

  1. 北大、むかわ町穂别博物馆、冈山理科大、米国ペロー自然科学博物馆、筑波大、モンゴル古生物学地学研究所、东京学芸大
  2. ニッポノサウルスとオロロチタンはランベオサウルス亜科、サウロロフスはハドロサウルス亜科に属する。なお「オロロティタン」と「オロロチタン」の表记ぶれは原文のママ

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2019.06.19

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