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调香师の手帖(ノオト)

2011.2.1

著者:中村 祥二 著

出版社:20081200

刊行年月:2008年12月

定価:840円


 调香师(パフューマー)という仕事をしっていますか?

 

 

 本書は、化粧品会社の研究所で調香師として研究生活を送った著者が、1986年に朝日新聞科学欄に連載した随筆コラムを元にまとめた「香り」に関する随筆です。调香师の仕事についてはもちろん、歴史、文化、文学、美術、ファッション、植物、食品、嗅覚、健康など、多種多様な切り口で「香り」について語られています。

 

 

 まず、普通の鼻の私たちには考えられない、調香師ならではのエピソードに興味が惹かれます。優れた调香师の第一歩は、最高級品の香料を「かぎ込んで」、よい香りとは何かを自分にすり込むこと。それが身について初めて、そこから外れるにおいはすべて異臭と判断できるのです。また、调香师の華麗なる技として、空間に広がる香りの濃度の勾配を嗅ぎ分け、ある香りをつけている女性を探すこともできるそうです。「香りとは、空気が相手の商売だ」と言い切る调香师の言葉の数々。あたかも、空気に香りという色がついているかのようで、新しい世界をみせられた気分になります。

 

 

 そもそも嗅覚は、进化の过程で取り残された感覚だといわれ、本能と直接结びついているそうです。夕暮れ时、どこからともなく漂ってくるカレーのにおいをかいだ时、子どもの顷、家路を急ぎながら、&濒诲辩耻辞;こんなにおいをかいだなぁ&谤诲辩耻辞;と懐かしく思い出すことはありませんか?着者は、「人は、これまでに経験したことがないにおいには强い印象を受け、本能的にその时の场面と一绪に记忆し蓄积する」のだろうと考えています。だから、「知らないにおいに出会うと、そのものが何ものであるか、自分に害を及ぼそうとするものかどうかを、かぎわけようと」し、「その同じにおいに再び遭遇した时、においに伴って现れる出来事が、楽しいものか、ごく日常的で安心なものか、危険をもたらすものかを、一瞬のうちに过去の记忆に照らし合わせて知ろうとする」のです。これほどまでに生活に深く関係していながらも、嗅覚に関する研究はあまり进んでいないのが现状です。

 

 

 また、调香师という仕事は、嗅覚(匂う、香る)という个人的な感覚を第叁者に説明しなくてはなりません。そのためか、本书の中で取り上げられる香りや味、风景、そして心情を表すときに使われている言叶や描写がとても豊かで、表现が细やかです。トリュフの香りを调香师が语ると、「鼻を近づけると、奈良渍のアルコールが混じったツンとする感じと、浓くなったしょうゆの香気が混じっていた。强くかぎ込むと、奥の方にゆで卵の黄身のにおいに似た、ほこっとした香りがあった。鼻から远ざけてかぐと、ボラの卵のくんせいのからすみのような香りも感じられた。全体に弱い烟臭さもあった。」となるのです。あるものの香りについて、ここまで详细に调べ、具体的に表现されるのは、调香师という职业が「香りの科学者」であり、「香りの文笔家」でもあるからなのでしょう。

 

 

 この本を読み终えた后はもちろん、ページをめくっている间も、今まで気がつかなかった周囲の香りが语りかけてきて、自分の香りに対する感性が鋭くなっていくような感覚になります。そんな未知なる世界へどうぞ!

 

 

野地(片桐)実穂 (2010年度麻豆原创選科生、横浜市)