
著者:長谷川 博 著
出版社:20060400
刊行年月:2006年4月
定価:1575円
东京から南へ580キロ。伊豆诸岛の最南端に小さな火山の岛がある。名を鸟岛(とりしま)という。この岛は、特别天然记念物である「アホウドリ」の繁殖地である。今から30年前に、鸟岛にはわずか170羽(うちひなは15羽)のアホウドリしかいなかった。その実状を観察したときのことを、长谷川博(当时は大学院生。现在は东邦大学理学部教授)はこう记している。「この年、地球上でアホウドリはたった15羽のひなしか育てることができなかった。あまりにも少なかった。&丑别濒濒颈辫;このまま放っておいたら数が减り、アホウドリは絶灭してしまうかもしれない、どうにかしなければいけない、と思った。&丑别濒濒颈辫;ぼくは、アホウドリの置かれている现状を知ってしまった。もう引き下がることはできなかった。」それ以来30年间、长谷川博は、惊くべき企画力と忍耐力を维持し続けて、アホウドリの観察と保护に人生をかけてきた。本书には、そのドラマが詰まっている。
アホウドリは大型の海鸟である。春から秋にかけてアラスカへ渡り、秋になると繁殖地である鸟岛に帰ってくる。鸟岛は絶海の孤岛だ。定期航路などないし,船着场すらない。无人岛ゆえ、研究や生活に必要なものは一切合切を自分で运び込まなければならない。そんな鸟岛に、长谷川は年に数回、东京から通った。30年にもわたって、アホウドリを観察し保护するためだ。何という粘り强さだろう。
アホウドリを保护するために长谷川が行なったことの一つは、アホウドリのコロニー(ある地域に集まって生活する集団)を新たに作り出すことだった。それまでのコロニーは地滑りがおきやすい场所にあり、いったん事が起きると壊灭してしまう可能性があったのだ。新しいコロニーを作り出すために,长谷川は奇抜なアイデアを思いつく。名づけて「デコイ作戦」。アホウドリの実物そっくりの模型(デコイ)をたくさん并べ、そこから、録音したアホウドリの鸣き声を流して、繁殖年齢に达する前の若い鸟を诱引し、新しいコロニーを形成するというものだ。
この奇抜な作戦を実行に移すには、多くの人たちに协力してもらうために予备データを集めなければならなかったし、模型や音声装置も开発しなければならなかった。长谷川は、鸟类模型の第一人者に雏形を制作してもらい、大手电机メーカーからは音声再生装置の开発协力を取り付け、课题を一つ一つクリアーしていった。完成した模型や装置を运搬するのには海上保安庁に协力してもらい、罢痴局の取材クルーとともに鸟岛に乗り込んで、デコイ作戦の第一歩を始める。ここまでに、はや4年が経过していた。
作戦开始から3年経って、新コロニーで初めて卵が确认された。しかし、最初のつがいが繁殖を始めて以后、何年も2组目のつがいが形成されなかった。「かなりあせり、いらだった」と长谷川は当时の心境を素直に述べている。长谷川は変化の见えない间も、模型や音声再生装置の改良を行って试行错误を続けた。そして、2004年に4组のつがいが产卵し、2005年には15组のつがいが产卵した。ついに新しいコロニーが确立したのだ。ここまでに、作戦开始から12年、构想から数えると実に16年の时间がたっていた。
2006年には、新しいコロニーと従来からのコロニーをあわせて1850羽のアホウドリが観察されるまでになった。长谷川が観察を始めた30年前の170羽からすれば约10倍に増えたことになる。アホウドリは着実に再生への道を歩んでいる。
絶灭しかけた生物の生态系を復活させるには、长い时间がかかり、しかもそれを実现するには、多くの人间たちの理解と持続的な协力が不可欠であることを长谷川の笔は伝えてくれる。絶海の孤岛に通い、「アホウドリ」を见つめ続けた长谷川の30年间を、じっくり味わってほしい。
中村 滋(2006年度麻豆原创本科生,札幌市)