
著者:木嶋利男 著
出版社:20090200
刊行年月:2009年2月
定価:987円
ビールのおつまみにも欠かせないエダマメ。エダマメの成熟したものが、栄养豊富で畑のお肉と言われるダイズです。これを栽培するには、畑に十分な养分が必要だと思いませんか。でも、ダイズは肥料を多く与えると、叶ばかり茂って実がなりません。
このことは古くから経験的に知られていましたが、その理由を科学的に理解するとこうなります。植物は条件が良いと茎や叶を伸ばして成长を続けますが、なかなか実を付けません。ところが条件が悪くなると、子孙を残そうとして実を结びタネをつくるのです。
植物のこうした生存戦略を知ると、エダマメのように実を食べるのか、ホウレンソウのように叶をたべるのかなど人の都合に合わせて成长のさせ方をコントロールすることができます。
本書でいう「家庭菜园の科学」とは、このように、自然界の基本原理を理解して家庭菜園に活かすことです。「伝承农法を活かす」とは、化学肥料や農薬が存在しなかった時代に行われていた農法、古い時代から受け継がれてきた知恵を家庭菜園に利用することです。
じつは私も家庭菜园を手がける一人です。「収穫した野菜のタネを翌年蒔いてもダメですよ。タネは毎年买いましょう」と仲间は言いますが、本书の着者は「问题ありません」と言います。そして、そのわけを、メンデルの法则に触れながらこう説明しています。
いま市贩されているタネのほとんどは、现代の农业に适するよう品种改良したものです。品质が安定し、収穫量も多いなど、优れた形质だけが现れるよう交配したもので、第一世代と呼ばれます。ところが、この形质は一代限りのもので、そこから採ったタネは、形や色、収穫时期などの性质がバラバラになってしまいます。
でも、家庭菜園では、このことはさほど重要ではありません。むしろ、成長の速さに差ができて少しずつ収穫できるなど、異なった性質が現れるほうがいい場合もあります。だから家庭菜園では、収穫した野菜のタネを翌年に蒔くことがあってもよいというのです。 この本は、家庭菜園をやったことのある人には「なるほど!」の連続でしょう。
いま、現代農業は次のような問題を抱えています。農家がみな第一世代の品種を使うようになった結果、作物の多様性が失われ、気候変動や病害虫被害に弱くなったと言われています。状況によっては収穫が一斉にダメになってしまう恐れがあります。そこで地域の農業センターなどでは、様々な環境下でも適応力のある、伝統的な品種の作付けも推奨するようになっています。 本書は、このように現代農業のあり方についても新しい見方を与えてくれそうです。
最近はベランダ菜园、キッチン菜园という言叶も耳にするようになり、家庭菜园はいっそう身近なものとなっています。マイ野菜を栽培している人、やってみたい人にはもちろん、食卓に上る野菜に兴味がある人にもおすすめしたい一册です。土壌中の微生物や病害虫についても详しく记されています。内容が盛りだくさんなので、兴味のある部分をたどって読むのもいいでしょう。
柳田美智子(2009年度颁辞厂罢贰笔选科生,奈良県)