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モジュール3-2「コミュニケーション要素について」(9/14)森冈督行先生讲义レポート

2024.11.12

生形綾音(2024年度本科グラフィックデザイン/北大生命科学院)

モジュール3では、科学技术コミュニケーターとして実践していく上で、活动を実施するために必要なデザインについて学びます。

第二回の讲师は森冈督行(もりおかよしゆき)さん。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、东京银座にある「一册の本を売る书店」、森冈书店の店主さんです。

讲师の森冈さん
森冈书店とは

森冈书店は银座の外れ、铃木ビルという建物の1阶、5坪のスペースにあるお店です。5坪というと、一般的な书店にとってはとても狭いスペースですが、森冈书店の活动にはちょうどいい広さだそうです。森冈书店は毎週取り扱う商品が変わる「一册の本を売る书店」。取り上げる本が変われば店の见た目も大きく変わります。服についての本なら服屋、花の本なら花屋、文具の本なら文房具屋、などなど……。商业のためだけではなく、売れる见込みが立たないものも取り扱うこともあります。

森冈书店の概要は、「银座で一番小さな书店」小学馆に详しい

そんな森岡書店ですが、現在の店舗が生まれた経緯を語る際には、「Soup Stock Tokyo」などを運営する株式会社スマイルズの遠山正道さんの存在と、「アトム書房」の影響があったそうです

まず远山正道さんは今の森冈书店银座店をひらく后押しをしてくれました。森冈さんは以前、东京の茅场町で森冈书店を运営していました。この时の森冈书店は、古本を取り扱いつつ、空いているスペースでは出版记念イベントなどを行う普通の书店。この店舗が10年目を迎えた际に、森冈さんは次の10年は新しいことを始めようと森冈书店を「一册の本を売る书店」にしようと思いつきます。ただ周りの人にこのコンセプトを话すと、「やめた方が良い」「リスクが高い」と、否定的な意见が多かったそうです。しかし、远山さんにプレゼンを行ったところ、「それはやった方が良い」と賛成してくれたそうです。

远山さんには事业を行う际、4つのポリシーがあるそうです。

  • それは本当に好きなことか。やりたいことをやっているか。
  • そこに意义があるか。
  • 他にやっている人が居ないか。
  • 独りよがりではないか。その事业に公共性があるか。

このポリシーに、森冈さんの「一册の本を売る书店」のアイデアが合致したため、森冈书店はスマイルズからの出资を受け株式会社化し、事业を进めていくことになりました。

また、もう一つの経纬としてあげられた「アトム书房」は、原爆の影响で荒れ地となった広岛に突如现れた书店で、米军相手に古本やガラス片などを売っていました。

2011年の福岛での原子力発电所事故を受けて、森冈さんは、いまこそアトム书房復活のときなのではという思いで、最初の顷は「一册の本を売る书店」+「アトム书房」というコンセプトで事业を进めていたそうです。しかし、远山さんとも话し合った结果、そのコンセプトでは话题性は见込めますが、未だに被爆者手帐をお持ちの方もご存命であることも踏まえて、「アトム书房」というアイデアは切り离して、「一册の本を売る书店」というコンセプト一本で进めていくことになったそうです。ただ、「アトム书房」に対する想いとして、毎年8月は戦争に関する书籍を取り上げることにしているそうです。

 

森冈书店から派生した活动

册の本を売る事业を行っていると、会いたい人に会うことができるというのが一番の喜びだと、森冈さんは语ります。

森冈书店银座店が开店した际、海外、特に东アジアからの反响が大きかったそうです。书店という古くなりつつあるものを新しいメディア、人々とのコミュニケーションツールに昇华したと捉えられたことが、注目されたポイントだそうです。森冈さんには海外からの讲演などの仕事の依頼が相次ぎました。

书店とコミュニティスペース?の间を行き来する森冈书店

また、森冈书店での事业を続けていく过程で、出版社、编集者とのつながりがうまれ、本を书きませんか?と提案されることも増えたそうです。森冈さんはもともと文章を书くことが好きだったこともあり、絵本や随笔、书评など、様々な书籍が出版されています。その一方で、森冈さんは奥颈办颈辫别诲颈补や他の绍介にも书かれがちな「文笔家」という肩书は腑に落ちないようで、书き换えたいと仰っていました。

勘违いや思い込みのちから

森冈さんは勘违いや思い込みから始まる会话や出会いの力についても触れていました。

勘违いや思い込みから始まるコミュニケーションが后々大きなことになった事例は、茅场町にあったかつての森冈书店でも起きました。

当初、ただの古本屋として営业していた森冈书店茅场町店の売上が振るわず、店を畳もうかと考えていました。その折、行きつけの喫茶店に行くと、店主から、「森冈さん!あっち!」とジェスチャーで示されましたそうです。その方向には一人の妇人が座っており、森冈さんはこの方を绍介されたと思い、彼女に古本屋の事业の悩みを相谈したそうです。すると彼女から店の空きスペースで出版イベントを行うのはどうかと提案され、うまく话が进みました。実は喫茶店の店主は森冈さんに邪魔だからどいてほしいとでジェスチャーしたそうですが、この勘违いから生まれた出会いが今の森冈书店の事业につながりました。偶然の出会いは、とてつもない力を秘めていますね。

ソール?ライター日本関係蔵书展について

森冈さんは、展覧会のキュレーションの仕事にも携わっており、、「ソール?ライター日本関係蔵书展」もその一つです。

ソール?ライターという人物は、1940年代から50年代にかけて写真家として大成した后、作品を発表することをやめ、最爱のパートナーのためだけに写真を撮り、絵を描きました。2000年代初头、再度脚光を浴び、日本でも展覧会が开催されました。

森冈さんは、ソール?ライターのように、一人の爱する人のために制作することが、大きな力になると语ります。

まとめ

质疑応答では、森冈さんのそのユニークな考え方や森冈书店の展示についての质问が多くありました。そのなかで、森冈さんが特に强调していたことの中で、

「森冈书店で选ぶ本や人は、偶然の出会い由来のものが多い。远い未来の展覧会の计画をするよりも、今、森冈さんがこの场で话していることが、5年后、10年后に繋がるから、今を一番大切にしている。」と语られたことがありました。

质问する笔者

今回の讲义を闻いて、森冈さんのように、自分のやりたいことを真っ直ぐに突き詰める人は、様々な面白いことを引き寄せるのだろうなと感じました。たまたまのように感じる出会いであっても、远いどこかで繋がっていて、なかば必然的に出会っているように思えます。

森冈さんが、森冈书店やその他の活动を通して行ってきたコミュニケーションは、どれも森冈さんだからこそ出来たコミュニケーションのように感じました。

笔者自身も、先のことを考えるだけではなく、今の、今だからこその出会いを大切に、自分のやりたいことを追いかける人生を目指したいと思いました。