澤田 駿(2024年度グラフィックデザイン実习/学生)
今回の講義は京都大学総合博物館の塩瀬隆之先生に行っていただきました。塩瀬先生は現在、京都大学総合博物館で様々な科学の展示の企画などをされています。准教授であり、NHK for schoolなどの番組制作委員を務められるなど、様々なテレビ番組などで活動をされています。今日は塩瀬先生から博物館の役割とはという部分に焦点を当ててお話いただきました。

大学博物馆とは
京都大学博物馆には长い歴史があり、120年にもわたる研究资料がおよそ260万点所蔵されています。京都大学博物馆が大切にしているポイントは「基本的には研究という目で见る」ということです。これは研究という视点から物事を観察する博物馆であるということを示していると私は考えます。大学博物馆にはたくさんの分野の展示があります。どんなものがあるでしょうか?讲义での投票において特に人気が高いものは「恐竜」、「宇宙」、「动物」、「考古学」でした。恐竜は博物馆の中でも特に重要な展示分野だと思います。子供たちも兴味を持ってくれると思います。动物も歴史をたどれば长い年月をかけて発展してきていると思います。动物は共通の祖先から分かれてきたと言われています。どのような过程で进化してきたかは大きなポイントになると思います。京都大学総合博物馆においても「标本から见る京都大学动物学の始まり」と题して、京都大学における动物学の学问がどのように成长したかを绍介する展示が行われていました。このように博物馆は学术的な情报を提供するだけにとどまらず、现在のニーズに合わせた科学技术を绍介しています。

科学技术と展示
「科学技术を展示する」とはどういうことかを考えてみましょう。展示にはいくつかの种类があります。まず1つ目は「物の展示」です。これは物のための展示であり、目に见える物を展示することにつながります。私たちは视覚的に物から情报を得ることができます。次に2つ目は「情报の展示」です。これは物は存在しないのですが、何かから得られる私たちが视覚的に直接とらえることのできない情报を展示するということです。この「情报の展示」は最小限の重要性しかありません。最小限の重要性とは物から得られている少ない情报の量を表します。このように展示にはいくつかの种类があります。
さて、科学技术は展示しにくいという特徴があります。これはどういうことでしょうか?例えば、京都大学総合博物馆には1896年に开発されたX线ガラス管が展示されています。レントゲンのX线の発见は世界中に大きなインパクトをもたらして日本でも追试が成功しています。现在では、医疗など様々な方面において使われています。そのような齿线ガラス管はどれだけ面白がってもらえるでしょうか?やはり、ただ単纯にX线とは何かを説明するだけではあまり面白がってもらえないと思います。こういう意味で科学技术は展示しにくいと言えるのではないでしょうか?では、このX线ガラス管の展示の説明をもう少し発展させてみましょう。X线は医疗のみならず、宇宙や考古学でも使われています。例えば考古学ではそのようなことを専门分野としている先生と协力して鸟ミイラの谜に迫ったということがあり、その结果鸟ミイラの谜が分かったということがあります。もう一つ例を挙げてみましょう。たらこおにぎりと鮭おにぎりは区别がつくでしょうか?実は水分を捨てるご饭が一番通りにくいので简単には见分けがつきません。このように、身近な话题に科学の话题を近づけて问いかけるという「教えない展示」を作るということが京都大学総合博物馆で行われています。
质问と発问と问い
次に、质问と発问と问いの違いについてみていきましょう。一見同じように見えるこれらの言葉、実は違います。では、具体的に何が違うのでしょうか?それは問う側?問われる側それぞれが答えを知っているかどうかと機能の違いです。質問は問う側は答えを知らなくて、問われる側は答えを知っており、情報を引き出すトリガーとして機能しています。次に、発問は問う側は答えを知っていて、問われる側は答えを知らない、考えさせるためのトリガーとして機能しています。次に、問いは問う側も問われる側も答えを知らず、創造的対話を促すトリガーとして機能しています。では、具体的な例で考えてみましょう。「レモン大丈夫ですか?」は3つのうちのどの分類に入るでしょうか?これにも様々な意見がありました。質問と思う人、発問と思う人、問いと思う人、様々な考えを持った人がいました。

ノーベル化学赏展
ここからは具体的な京都大学総合博物館の取り組みについてみてみましょう。まず、2018年に開催された福井謙一先生のノーベル化学赏展が紹介されました。福井先生はアジアで初めてのノーベル化学賞を受赏された方で、量子科学の研究をされていました。その福井先生の功績を展示するのにいくつかの工夫をしたということです。来館者と理論化学との距離をどのように埋めるかなど様々な工夫が行われました。観察日記を並べて森の中から展示室へという流れになったのがこの企画の工夫でした。気づくきっかけを用意することが大切であると塩瀬先生はおっしゃいました。
宇宙の记念展
2011年に京都大学総合博物馆で「はやぶさ」という探査机の帰还の展示会が行われました。この展示会はものすごく人気があり、入场制限をしないといけないほどでした。展示条件が一方通行であったり、立ち止まってはいけなかったり、とにかく来馆者に対するルールが非常に厳しかったのです。そこで、例えば展示ルートを工夫して物を4回见ることができるようにするなどの工夫が行われました。そんな来馆者の一言ですが、「…ではやぶさはどこにあるんですか」。これは来馆者の期待と博物馆の提供情报の差を表していました。そこで、高校生の目线での「はやぶさ」プロジェクトのすごさを语るということも行われました。その结果、比较的伝わりやすかったということです。このことから、来馆者の期待に沿った工夫ということが必要になるのではないでしょうか?
科学技术の対话の必要性
科学技术の対话の必要性についてみてみましょう。対話は国民の夢を科学者が共有するための対話なのでしょうか?科学者の夢を国民に共有するための対話なのでしょうか?答えはありませんが、科学者にとって大切なことは対話を通じて自分と相手の伝えたいことを共有することではないでしょうか?この対話のために大阪万博などで科学技術に関するイベントを開催しているということです。科学技術はこのようなイベントで伝えて関心を持ってもらうということが大切だと私は思いました。

终わりに
今回は博物馆の社会における役割についてお话がありました。その中で、伝えたいことを共有していくことでさらなる科学技术の発展につながると思います。今回绍介できなかったイベントもたくさんありますが、イベントなどに足を运んでみてはいかがでしょうか?きっと目の前の视野が大きく広がると思います。
