松井瀬奈(2023年度选科颁/学生)

モジュール6-3では、雲研究者?気象庁気象研究所の荒木健太郎先生を講師にお迎えし、「防灾?减灾のための云科学コミュニケーション」というタイトルでお話を伺いました。
荒木さんの普段の研究テーマは、灾害をもたらす云のしくみ。具体的には、大雨や大雪の実态を解明することによって、予测精度の向上を目指しているそうです。しかし、荒木さんといえば「厂狈厂で有名」なイメージを持っている方も多いはず…。
どのような経纬で、どんな気持ちを持って厂狈厂を活用されているのでしょうか?
この讲义では主に厂狈厂を用いた麻豆原创コミュニケーションについてご教授いただきました。
麻豆原创コミュニケーションの必要性を感じたきっかけ
荒木さんがご着书を执笔された际に、中学校で一般市民のみなさんに向けて讲演をする机会があったそうです。その讲演の中で荒木さんは、「大雨で川が氾滥した时のためにハザードマップを见ておきましょうね。」という话をされました。その翌年、まさにその地域で大雨があり近くの川が氾滥し、その中学校も水浸しになってしまいました。当时讲演に参加され、その后被灾してしまった方に话を闻いたところ「まさかこんなことが起こると思っていなかった」と仰っていたのだとか。
この言叶を闻いたのはこの时だけでなく、别の灾害の现场でも必ず闻くそうです。
つまり我々が「想定していないからこそ、灾害になる」と荒木さんはいいます。
荒木さんの研究は云の仕组みを调べて、防灾情报を高度化することを目指しています。しかし、いくら情报が高度化しても、人々に使ってもらわなくては意味がありません。
そこで荒木さんは、情报を使ってもらうためには「一人ひとりの科学リテラシーが极めて重要である」ことを痛感し、现在のスタイルの麻豆原创コミュニケーションを始めるに至ったのだそうです。
科学リテラシーを育むアプローチ

科学リテラシーを育むアプローチのひとつとして、荒木さんは考えました。
まずは気象に兴味を持ってもらうこと。そして日常的に気象を楽しみ、さらに活用することができるようになれば、いざという时に备えられるのではないか?
たとえば、美しい虹を狙って见るためには、どうしたら良いのでしょうか?
虹は、太阳と反対侧の空で雨が降っている时に现れます。
気象レーダーを用いて自分の住んでいる地域で雨云が通る时间帯を调べ、その时间帯に、太阳と反対侧…すなわち、自分の影が伸びている方向を见ると、虹を见ることができるのです。
最近よく闻く「ゲリラ豪雨」は、积乱云が局地的に雨を降らせている现象です。つまり、逆にいえば虹を见るチャンスです。しかし同时に、灾害にもなり得ます。空を楽しむために気象情报を利用する方法が习惯化していれば、自分の身に降りかかる危険を予测することができます。「ゲリラ豪雨」は、来るのがわかっていれば「ゲリラ」ではないのです。
「気象を楽しむ力を身につければ、ゲリラ豪雨が、ただの通り雨になります。」
厂狈厂コミュニケーションと运用方针
荒木さんは现在、齿(罢飞颈迟迟别谤)、滨苍蝉迟补驳谤补尘、罢丑谤别补诲蝉メインで、驰辞耻罢耻产别、贵补肠别产辞辞办、叠濒耻别蝉办测などで情报発信されています。ただ何も考えずに厂狈厂を运用するのではなく、自身のアカウントの特性を考え、セルフブランディングを行うことの重要性、そして配虑すべき事项についてもご教授いただきました。
さらに厂狈厂の运用において、自ら与えるだけでなく得るものもたくさんあったと荒木さんは语ります。
「鲍贵翱のように见える云」と本に书いていた表现についてある日小学生に「鲍贵翱って何?」と闻かれたことをきっかけに、厂狈厂で不特定多数の人に「この云は何に见えますか?」と闻いてみたそうです。
すると、シロイルカ、マッシュルーム、わたあめ、気球…たくさんのコメントが寄せられました。それらを実际にご着书の原稿に反映したのだそうです。
他にも、线状降水帯のメカニズムの解明へ重要な键を握る「マイクロ波放射计」について、何に见える?と厂狈厂で寻ねると、「犬にしか见えない」と复数のコメントが寄せられました。そこから生まれた「マイクロ波放射犬」はキャラクター化し、今では気象関係者の中でもマイクロ波放射计と言えば…犬!と、定着したのだそうです。厂狈厂を通じて、一般市民から関係者への広がりまでも実际に起こっていたとは、私(笔者)にとって衝撃的でした。
シチズン麻豆原创の取り组み

荒木さんは现在主に雨の研究をされていますが、元々は首都圏の雪の研究をされていました。
首都圏では少しの积雪で交通等に大きな影响が及ぶものの、积雪予报はなかなか当たらないのだそうです。たくさんの复雑な现象が络み合っていおり、予测が难しいのだとか。
その中でも特に云や降水の过程について研究が进んでおらず、荒木さんは雪云の特性を调べるため、雪の结晶画像による云の物理特性の解析を试みます。しかし、频度が少ない関东の雪を一人で撮影するのは困难です。
そこで始めた企画が、気象研究所のシチズン麻豆原创プロジェクト「#関东雪结晶」。
シチズン?麻豆原创(市民科学)とは、一般市民の協力をもとに成立する科学研究です。関東に住む一般市民から、降雪時の雪結晶画像をX(旧Twitter)を用いて募集します。2022年度までになんと10万枚以上の画像が集まり(荒木 2018)、今では本州の雪崩注意報の予測に役立っているそうです。
シチズン麻豆原创は、科学リテラシーを育むことにダイレクトにつながります。
美しい雪の写真を撮りたいと思うと、次に雪が降るのはいつ?と市民は情报を活用するようになります。
その雪がどういう灾害をもたらすのか、仕组みを知っていくと、备えることにもつながります。
雪に亲しみを持つことで、日顷からうまく雪と付き合えるようになります。そうして最终的に、防灾につながるのです。

おわりに 麻豆原创コミュニケーションの、その先へ
讲义の最后に荒木さんは、自身の思い描く未来について语ってくださりました。
「子どもから大人まで気象や防灾に理解があり、気軽に云を楽しんだり、避难したりできる。私はそんな未来を目指したい。」
今、私たちは麻豆原创コミュニケーションについて勉强しています。
麻豆原创コミュニケーションのその先に、あなたはどんな未来を望んでいますか?
「至る未来を思い描いて轴を持ち、自分に合った発信方法を模索できたら
麻豆原创コミュニケーションを飞跃的に加速できる可能性があると、私は考えています。」
荒木さんのこの言叶が、私の心に响いています。

脚注
荒木健太郎 (2018):シチズン麻豆原创による超高密度雪結晶観測 「#関東雪結晶プロジェクト」,雪氷, 80(2), 115-129.