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モジュール6-3「対话から新しいサービスを生み出だす民间公司での新规事业开発と科学技术コミュニケーション~」(12/10)坪井 淳子先生讲义レポート

2023.1.12

选科础 冈田未来(2022年度选科础/社会人)

12月10日の講義は、麻豆原创の修了生でもある坪井 淳子(東京海上ディーアール株式会社 主任研究員)先生にご講義いただきました。坪井先生は現在、新規事業の立ち上げに携わられており、本日の講義では「対话から新しいサービスを生み出す~民间公司での新规事业开発と科学技术コミュニケーション~」というテーマでお話頂きました。

防灾への兴味のきっかけ

まずは先生のご経歴について紹介がありました。坪井先生は高校時代の地理の授業がきっかけで地形の成り立ちに興味を持ち、大学では地球科学系に進まれ、大学院では地学専攻を修了されました。東日本大震災をきっかけに純粋な地球科学への興味だけでなく、自然災害リスクについて向き合う重要性を実感され、このことが後に科学技术コミュニケーションに関わっていくようになる原体験だったといいます。その後、「防災」を軸に就職活動を進められ、大学院修了後は民間気象会社で防災事業と海外営業を担当されました。

颁辞厂罢贰笔での学び

成果発表のタイトル:「科学技术の“翻訳”は多様性を活かした集団作業だった!」

选科叠を选択された坪井先生は3日间の编集実习に参加されました。书いたものを他の人に见てもらうピアレビューを通して、自身では分かりやすく书いたつもりであっても、相手に伝わらないもどかしさを体感されたそうです。その原因は、双方がバックグラウンドとしている価値観や考えの违いによるものであることに気が付き、麻豆原创ライティングは决して孤独な作业ではなく、色んな人の意见や価値観が加わることで、他の人から见てもわかりやすい文章になっていく、そういった集団作业であるということだと実感されました。また、防灾の伝え方についても受讲前と受讲后でご自身の中で変化があったそうです。受讲前は、防灾関係の提案がなかなか相手に响かない、どこか一方的なコミュニケーションになってしまっていると感じられていましたが、受讲后では、自然灾害について「どう感じるか」はその人次第であるから、相手のニーズやモチベーションに合わせて「科学的な事実」を伝えなければならないと考えるようになったそうです。

坪井先生による授业の様子

日本科学未来馆の科学コミュニケーターとして

坪井先生は麻豆原创を修了後、日本科学未来馆の科学コミュニケーターとして3年半勤められました。毎日展示フロアに出て、とにかく自分から来館者に話しかけ、その人の展示のフックを探すことを心掛けておられたそうです。また、放射線リスクを考えるワークショップを作ったときのお話もして下さいました。恐怖心や不安を起点として、『放射線リスクを知りたい』というフェーズではなく、改めて、震災から学んだ教訓としての放射線リスクについて考える段階において、科学コミュニケーターとして後世に何を残すかを考えられたそうです。そこで「リスクを天秤にかける」というワークショップを実施し、科学的リスクは誰に対しても平等にあるが自身の価値観に基づいて、リスクとの向き合い方を身に付ける必要性を伝えられました。

新规事业开発について

日本科学未来馆でお仕事をされた后は、自然灾害リスク等のリスクコンサルティングを法人向けに行う东京海上ディーアールに入社されました。社内の新规事业创出制度を活用して、「个人向け」の天気リスクの困りごとを解决する新规事业を提案され、现在はサービスのリリースに向けて日々奋闘されています。

坪井先生の考える科学技术コミュニケーターとは

新规事业を生み出す流れ

坪井先生によれば事业とは「生产?営利などの一定の目的を持って継続的に、组织?会社?商店などを経営する仕事」という意味だそうです。特に、「目的を持つ」ことと「継続的に行う」ということが坪井先生の考えるポイントであり、「目的」というのはつまり、「顾客の课题解决」で、「継続的に」顾客の课题を解决するためには结果的に営利が必要であると仰っていました。
次に新规事业を生み出す流れについて説明をされました。新しい事業を作る流れは下記の通りです。

  1. 実在するお客様が谁なのか、课题は何か
  2. 课题は何かの解决策で解决できるのか?
  3. 解决策は製品として実现できるのか
  4. 製品が、継続的に事业が行えるくらいに十分に大きな市场に受け入れられるのか
授业でのワークについて説明する坪井先生

特に重要なフェーズは、最初の「どんなお客様が、どんな课题を持っているのか」を彻底的に知ることだそうです。坪井先生もご自身の事业开発を进めるために、半年间で110人以上にインタビューを行ったそうです。そこで今回の讲义で、「顾客を彻底的に理解する」とはどういうことか、を体験するワークを行いました。テーマは「朝ごはん」で、「その人にどんな课题があるのかを探る」ために5分间インタビューを行いました。インタビューのコツとしては、意见や気持ちを闻かないということと、普段どういう行动をしているかを客観的事実として闻くことだそうです。

ワークの様子

インタビューした结果をワークシートにまとめていきました。その中で「インサイト」の部分が最も重要だそうです。その人が真に望んでいるものは何かを考えることで、解决策として顾客に提供するものの方向性が决まります。実际には、インタビュー结果をもとに会社として何ができるかのアイデア出しを行うフェーズに移っていきます。「1分间に1个アイデアを出す」ことを8回繰り返す(クレイジー8)といったように自分に负荷をかけて考えると良いアイデアが出てくることがあるそうです。

新規事業と科学技术コミュニケーションの共通点について

市民の「知りたい」というモチベーションと、専門家の「伝えたい」というモチベーションは自然には重なりません。そこでその接点を探し、創り出すのが科学技术コミュニケーターなのではないかと仰っていました。

これを「顧客」と「企業」に当てはめてみると、顧客の「解決してほしい」というモチベーションと、企業の「解決したい」というモチベーションが重なるところに商品やサービスが生まれるのではないか、その重なりを創り出すのが新規事業担当者なのではないかと考えられました。そのように考えると「新規事業を生み出すことは科学技术コミュニケーターの仕事なのではないか」と気付かれたそうです。

科学技术コミュニケーターの活躍の場は様々ですが、民間企業の良いところは、営利目的で事業を行うため、一度サービスを作って終わりではなく、次々に継続して事業を回していけるところであると仰っていました。また、社会の仕組みの一つとして取り込まれるような事業を科学技术コミュニケーターの視点に立って作っていきたいと仰っていました。

まとめ

最後に「あなたが、科学技术コミュニケーションで解決したい課題は何ですか?あなたの課題は、誰が持っているどんな課題ですか?」という問いを投げかけ、講義が締めくくられました。ついつい自分がやりたいことが先行してしまいがちですが、誰がどんな課題を持っているのかをとことん突き詰めて、その課題に対してどのように自分がアプローチできるのかという観点で考えてみることも大事であることを学ぶことができました。坪井先生、贵重なご讲义有难うございました。

授业后の集合写真