白井愛美(2021年度 選科/学生)
はじめに
モジュール5の2回目の讲义は北海道議会議員の渕上綾子先生による「実験室から议会へ~性的マイノリティの课题解决を目指して~」でした。渕上先生は性的マイノリティの当事者としての目線から、その問題に拘わらず様々な立場の人へ理解を推進するための活動をされています。ある面でマジョリティであった人が他の面ではマイノリティになったり、あることをきっかけにマジョリティ側にいた人がマイノリティになったりと、社会の中での位置は流動的でかつ多面的なものであるため、全員が自分の問題としても捉えるべきだとの話が讲义の始めにスタッフからありました。これは今回の授業のテーマに限らず、様々な立場を理解する際に必要な視点だと思います。

议员になるまで
讲义内容と切り離すことは出来ないため渕上先生が讲义の中でお話してくださったご自身の略歴を少し紹介します。渕上先生は出生時に男性性を割り当てられましたが幼稚園のころから性別に違和感があり、家族や友人に性自認とさらに性的指向も隠して、男性らしい身体になっていくことに困惑しながら学生時代を過ごされました。北海道大学の大学院で研究されたあとは農業試験場で働き始めますが1年ほどで辞め、その後20年弱、すすきのの「ニューハーフ」キャストが在籍するショーパブで働かれました。仕事の性質上長くは働けないため引退後の生活を考えるさいに、不動産投資をされたりその関係で宅建の資格を取得されたりしました。その後先生のショーパブでの経験と不動産に関する知識を生かした相続のセミナーが面白いと偶然話題になり、それを目にした政治家がパブに訪れ渕上先生に出馬を勧めたことが政治の世界に入るきっかけになったそうです。ホルモン投与が家族に知られたときの母親とのやり取りの話もしていただき、当事者の周りがどのように対応?協力すべきかを考える機会にもなりました。

政治家としての取り组み
政治家として渕上先生は特に北海道人権施策推进基本方针の、性的マイノリティに関する项目を追加する改订に积极的に関わってこられました。これはあらゆる施策の基本となるもので、住宅や教育など様々な局面で性的マイノリティに対する配虑を促すものです。

さらに制服の选択肢や学校でのいじめ、教科书での性的マイノリティの取り扱いなど教育现场での性的マイノリティに関する问题、パートナーシップ制度の改善、问诊の性别栏の廃止、骋滨顿クリニックの混雑解消などに取り组まれ、当事者でなければ见えにくいような问题を可视化し、性的マイノリティの人がより暮らしやすい社会になるようにご尽力されています。

尝骋叠罢蚕がいる前提の社会を目指す
渕上先生が目指すのは性的マイノリティの存在を前提とした社会です。実际には少なくはなく、左利きの人の割合と同じくらいの割合で存在すると言われる性的マイノリティではありますが、社会の制度はそもそも少数者をいないものとして扱ってきました。そのためマイノリティを可视化しようとする努力でさえ、マジョリティ侧には「権利の主张ばかり」と映ってしまうことがあるようです。それに対して渕上先生は政治家としてプラグマティックな戦略を取ります。性的マイノリティへの理解増进に取り组むことのメリットや取り组まないことでのデメリットを强调することで、市や公司の态度改善を促すというものです。例えば尝骋叠罢ツーリズムという言叶があるように性的マイノリティをターゲットにした市场などの経済的なメリットがあることや、公司として积极的に取り组まないことによって性的マイノリティに属する顾客や被雇用者とのトラブルが生じやすいこと、优秀な人材を知らぬ间に排除してしまっている可能性があるといったデメリットがあります。もちろん経済的な効果に拘わらず、多様な性のありかたを人権问题として扱うことが大前提になるとは思いますが、渕上先生がおっしゃていたように、実际问题としてマジョリティ侧を「味方につけ」て剥夺されてきた権利を取り戻すことが政治においては第一の课题なのだと思いました。
渕上先生ありがとうござました。
