岩野 知子(2019年度 本科/社会人)
モジュール6「多様な立場の理解」の2回目は、特定非営利活動法人ミラツクの西村 勇也 先生による讲义です。「知らない人たちに知り合ってもらって、こういう話があるんだったらどうしたいか。ここに行きたいのであればどうしたいか、というのを一緒に考えるのが僕の仕事です」と西村先生。自己紹介と領域を超えた活動のお話から、今日のテーマ「共创型人材としての科学技术コミュニケーター」へと進みます。
人格的成长の観点から社会に兴味を持ち、はじめたのは「対话」
もともと西村先生は心理学を学び、人格的成长についての研究をしているうちに、社会侧をどう変えていけばより楽に健康な人格になっていくのかについて兴味を持ったそうです。狈笔翱を始めるにあたっての最初の问いかけは、「本来、人が持つ可能性を発挥できる社会はどうつくられるのか」というもの。そして、はじめたのは「対话」です。対话を支えるプロセスを扱った狈笔翱の初期の活动を経て、「情报」について関心を持つようになります。共创やオープンイノベーションという文脉においては、详しくない人でも参加できるようにしなくてはいけない。そこで取り组んだのが、物事を知っている人とそうでない人の差を小さくするための、最小限の価値ある基盘となる知见を集约した「情报基盘」をつくること。さまざまな公司や団体からの依頼でプロジェクトを実施する中で、详しくないけれど関心はあるという人が乗れるような台をつくっていったというのが、狈笔翱のここ5年ぐらいの仕事だと话してくださいました。
未来を考えるためのもとになる情报をまとめる
狈笔翱の活动を通して、未来を考えるための情报をまとめてみよう、ということでつくられたのが「未来予测情报」です。未来を考えるためには过去の歴史に详しい方がいいと、様々なテーマごとに人类の歴史をまとめたりもしたそうです。ここで例示されたのが比叡山。最澄が比叡山を开いた结果、日本に6つの宗派が生まれ、时代ごとの社会の问いに応えていく。その源泉は比叡山に収蔵されている経典群です。そこからヒントを得て、「时代を超えて社会を支える、1000年続く基盘をつくる」というミッションを掲げた别会社を设立。ニュースではなく、世界を支えるような知见を扱うメディア事业にも取り组んでいるとのことでした。
共創型人材としての科学技术コミュニケーター
共创型人材とは、协力と共に新たな価値を生み出す人のこと。ヨーロッパでのオープンイノベーションについてのリサーチプロジェクトから、リビング?ラボ(テーマに基づいて地域やコミュニティで、市民やユーザーが主体性を持ちながら、サービスやプロダクトの开発を共创する开かれた“ラボ”)の実践者の特徴をまとめて集约した16个の资质に沿って话が进み、カオスやストレンジアトラクタの话题にまで発展。コミュニケーションのデザインにおいては再现性が必要ですが、そこで提示されたのが「対话に至るステップと4つの话し合い」。ここからは颁辞厂罢贰笔教员の西尾先生との対谈形式のやり取りも加わりさらに话题が深められていきます。
分野を超えたつながりは、いま役に立つかは分からない、というのがすごく大事
普段使っているパソコンのキーボード配列や、人类が工夫を重ねてきた道具の进化の事例から、新しい文脉が异なる価値へのジャンプを生み出してきた様子が示されました。イノベーションのプロセスでの発展のポイントは、委ねることと、いまは役に立つか分からないということ。西村先生は理研の未来研究室で各分野の研究者に100年后の未来についてインタビューを続けていらっしゃいますが、「未来のことを考えるのに基础研究の研究者ってその分野の一番远くまで行ける。これはすごいなと」。目の前にあることから100年后を考えることはとても难しいため、未来に向けた挑戦を集めることが重要であり、大切な情报が大量にある中で的确な情报をつなぐ技术を持つ人もまた重要とのことでした。
讲义の最後には、「科学?技術の探検者として、情報をあつめ、つなぎ、未来を実現する、という人たちが増えるといいなと思っています」と話されました。この言葉から、科学技术コミュニケーターとは何だろう?と自問を繰り返す受講生の多くが、自分なりの答えに近づくひとつの指針を得たのではないかと感じました。





