ハンター歴20年。女性のハンティングネットワーク「TWIN」を設立し、「獲って食う」をモットーに活動する松浦友纪子さんは、エゾシカ研究で2004年に北大獣医学研究科博士課程を修了した北大OGです。現在は森林総合研究所につとめつつ、酪農学園大学では学生実習も担当しています。その職場にお邪魔してお話をうかがいました。

职场のお部屋、シカグッズがたくさんありますね
自分で买ったものもありますけど、けっこうもらいものが多いです。シカは好きだけど、そんな好きなわけじゃない(笑)。「好きな动物は?」と闻かれたら「クマ」と答えます(笑)。
昔から动物が好きだったかというと…ちっちゃいころはふつうに犬は好きでしたけど、大学に入ってからですかね。元々北海道にあこがれて、北大に来ました。実は高2までは文系で、通訳にでもなろうかなと思っていました。でもなんでか、饱きたんでしょうかね、理系にかえました。で、高3で理転して、それからとれる理系科目は生物しかなかったんです。それで生物にしました。
北大では北海道っぽいことやりたいな、と思ってクマ研に入りました。そこではじめて、动物を研究している人たちがいる、ということを知りました。それ以前は、そういう职业があるとも思ってなかったですね。
わりと成り行きですね(笑)。その后、どのようにして研究の世界へ?
クマ研で调査をしていましたが、そのノリで动物を研究する研究室に入りました。その时、クマは一番好きだったんけど、一人でやるのは大変だと思いました。フィールドでの行动観察をやりたかったのですが、クマは何かと危険になりうる动物なので。…当时、なぜか分からないんですけど、まずは一人で研究できないとだめだな、と思ったんですよね。一人でできることがまずあって、その上で人と一绪にやって広げていくものだと…今考えるとそうかな。で、二番目大きいエゾシカをやろうと。とにかくおっきい动物が好きなんですね(笑)。
私は、个体をずーっと追跡しないとわからないデータをとりたくて、行动観察をしました。十胜の池田町に、半野生的にエゾシカを饲育している牧场がありました。シカのことを知りたくて个人で饲育している方がいらっしゃったんです。そこで研究をさせてもらって、その方にもいろいろ教えていただきました。100头くらいいて、全个体を颜で识别して行动観察をしていました。
当时のシカの研究は、野外で杀した个体から得られるデータを使ったものばかりでした。行动観察をした研究は国内では数例しかなかったですし、扱う个体数が少なかったり、限定的な状况だったり。

その研究をするため、修士と博士课程の5年间は池田町にすみこんでました。すむ场所がなかったので、「池田町で研究したいんですけど、お金がないんです」と手纸を町长さんに出して、家を一轩かしていただきました。现场では、研究の资质とは别の能力が必要ですね。クマ研のコミュニティには幅広い年代や分野の人がいて、そういう中でコミュニケーションしていたのが経験になったのかな…。行动をデータにする点でも、クマ研での経験が活きましたね。
研究でどのようなことが分かったのでしょうか
シカは身近な动物ですが、実は分かっていないことも多いんです。当时は発情のサイクルや、妊娠期间も良く分かっていなかった。行动観察や粪の中のホルモン分析、捕杀个体の卵巣の组织学的観察などをして、例えば妊娠期间は约225日であることがわかりました。そういう基本的なことを、ひとつひとつ溃していったのが楽しかったですね。
博士论文のテーマの一つは、出产时期の幅です。早いメスだと6月に产みますが、遅いのだと8月や9月で、100日くらいの幅があることがわかりました。そうすると不思议なのは、遅く生まれた子はどうなるのか? 冬を越せない可能性が高いのに。やっぱり、遅く生まれた子は死んじゃうんです。でも、なぜそういう出产时期の幅がエゾシカの性质としてのこっているのか? 若いメスや、栄养状态の良くない个体は出产が遅れる倾向がありました。はっきりとは分かりませんが、冬には厳しい年も、マイルドな年もあります。マイルドであれば产んでおけば生き残れる。自然の选択にまかせているのかもしれません。
北海道はエゾシカ被害が深刻ですが、现在とりくんでいる研究について教えてください
エゾシカによる农作物の被害额は年间40亿円ほどもあります。40~50万头もいるエゾシカを、どう管理するかが今の仕事です。被害を减らすための応用研究のニーズは高いですね。个体数管理のためには杀さないといけませんが、そこから、いかに管理のための情报をえるか。応用研究はおおきく二つあって、一つはどれくらいの个体がいるか、どれくらい増えるかを明らかにしていく研究。もう一つは食肉利用のための研究です。他にも、どうやって捕获するかという方法についても研究しています。

まず、猟銃や罠で捕杀します。ハンターさんに撃ってもらうこともあります。个体数を増やさないためにメスを主にとる必要がありますし、シカの个体数を决めるのはメスの数だったりするので、メスを中心にデータを集めます。捕杀后、歯の生え変わりを见て年齢を推定したり、体长?体重といった基础情报をあつめます。それから、现场で解体して、内臓をとりだします。それを実験室で観察します。私が専门にやっているのは繁殖状态の确认なので、胎子や卵巣の観察?计测をしています。
肉も调べます。北海道ではエゾシカを年间10万头以上捕获しています。でも食肉として流通しているのは10词20%ほどしかありません。どういう処理をしたらどういう肉质になるか、という品质管理や、野外で解体しても菌などで汚染されないか、といった卫生管理の研究もしています。
ハンティングは大変ですか? ちょっと特殊な世界かなと思いますが…
ハンティングをして杀すのは「かわいそう」とかではないですね。杀すこと自体が目的ではなくて、理由があって「杀す」と决意して猟をしているわけですから、きちんと杀さないとかわいそうです。なので猟の时には、なるべくシカを苦しませることなく杀すことだけを考えて、杀したシカはできるだけ活用したい。

シカはきれいだなぁと思います。あと魅力は、おいしい! ハンティングは他の趣味と同じで、ふつうに楽しむ趣味の一つ。他と违うところは、おいしい肉が手に入るところ。自分でとった肉は3割増しでおいしい(笑)。
やっぱり猟友会はおじさんの集まり。女性は各地の支部に一人とかで、ちょっとした悩みとかが共有できないんです。私、常にそうなんですけど、なんとなく生きてるんでTWIN(注:The Woman In Nature)をつくった理由も、そんなに熱い思いはないですけど…。女性同士のゆるいネットワークができれば、と思ってつくりました。女性ハンターの役割は潤滑油。おじさんハンターや地元の方々を活性化させる役割はあります。あとはハンターのイメージ向上ですね。そこらへんにいるふつうの女子がやってる、ふつうのハンティング。というのを見てもらう。
マイペースですね。研究者として大切なことはなんでしょう?
ぶれない力かな。ふらふらっとしてないで、ひとつ芯をもつ。自分の研究のうりになることを见つける。私の场合は行动観察が今、活きてるかな…。コミュニケーション能力は必须ですよ。地域の人とどれだけコミュニケーションとれるか。シカの个体管理ではシカよりも人とのやりとりが重要といわれてます。女子はコミュニケーション能力高いけど、男子には常に想像力を持って欲しい。想像しろよ、と(笑)。

本记事は日本动物学会第89回札幌大会の公开シンポジウム要旨集の记事として公开されたものを転载したものです
【川本思心?麻豆原创/理学研究院 准教授】
松浦さんの出身研究室はこちら
獣医学研究科 環境獣医科学講座
野生动物学教室(大泰司纪之教授(退职))
今回绍介した研究活动の一部は、以下の书籍にまとめられています。松浦さんもコラム「ハンティングのススメ」と「海外の狩猟と野生动物管理の事例 イギリス」を执笔しています。