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#33 松田纯佳さん(日本学术振兴会 特别研究员(笔顿))

幼い頃から海の傍で育ち、鯨類の研究者を夢見て北大水産学部に入学した松田纯佳さんは、2017年に水産科学院博士課程を修了し、日本学術振興会 特别研究员(PD)として引き続き北大で研究を続けています。専門は、鯨類が何を食べているかを調べる食性研究から、その生態を探ることです。座礁?漂着した鯨類の調査を行う「ストランディングネットワーク北海道」の中心メンバーでもある松田さんに、研究のお話と、後輩たちへのメッセージを頂きました。

(研究室にて)〈写真提供:松田纯佳さん〉
イルカやクジラの食性研究にはどのような意义があるのでしょうか

生态系のトップ、捕食者である鲸类が何を食べているかを知るのは、生态系全体を理解するのにとても重要です。海洋汚染物质がどのように蓄积されているかを知るうえでも欠かせません。でもそれは建前かも(笑)。海の中で何を食べているのか知りたい、という纯粋な兴味、纯粋な面白さですね。

鲸类は一生を海の中で暮らすので、どのような日々を送っているか知るのは难しいと思います。私がやっているのは、死んでしまった个体の胃の中に何が入っているのかを直接见る、基础的な研究です。陆上の生物は饵を食べるシーンなどみえていいな…と思いつつ、见えない世界だからこその面白さ、谜とき感があります。最近は、カメラやセンサーを备えたデータロガーによる调査が海の中でもできるようになってきています。行动学的な面からの调査研究で、今までは见えなかった部分が见えてくる手法です。今后そのような研究と组みわせることで、分かっていなかった鲸类の生态がみえてくると楽しいですね。

食性の「谜とき」にはどのような方法が?

调査捕鲸で捕获した个体を调べる方法と、何らかの理由によって浜に座礁?漂着した个体を调べるストランディング研究があります。捕鲸调査は、きめられた种类を决められただけ取るので计画的にできます。过去に非常に多くのデータが蓄积されているのも利点です。

(2015年10月15日、網走でのザトウクジラ調査の様子)〈写真提供:松田纯佳さん〉

ストランディングはいつ起こるかわからないので运ですね。でも何が来るかわからない面白さがあります。珍しい种类に会った时は「はじめまして!」と思いながら解剖してます(笑)。调査捕鲸の対象になるのは一部の种类だけです。私はそうではなく、幅広い种を何でも调べています。めずらしい例だと世界でまだ3件とかそういうレベルです。まだまだやることが多いなと実感するのが鲸类の研究の面白さだと思っています。

调査の様子を教えてもらえますか、大変なのでは…

鲸类が打ち上げられたという情报が、自治体や市民の方、水族馆から来たら、すぐ飞んでいきます。365日、24时间体制です(笑)。最近の例だと、今年の8月5日にシロナガスクジラの赤ちゃんが鎌仓の江の岛に打ち上げられてニュースになりましたが、その调査にも参加しました。学术的なシロナガスクジラのストランディング调査としては国内初でした。子连れの时期にシロナガスクジラが日本近海にいるのかもしれない、という面白い例です。

胃の内容物を调べるためには、解剖をして、イルカの场合は食道と胃の十二指肠膨大部という部分を结んだ状态で持ち帰りますが、大きいクジラになるとその场で胃を开けます。においはキツイですね…ミンククジラの胃を开けてから、研究室に帰る时に、すれ违った人に「あのひと、くさくない?」と言われたのはショックでした(笑)。でも、やってる时はにおいを気にしていられません。无駄にしないように手早く终わらせなければ、という気持ちの方が强いですね。

(鯨類の胃を開けた様子。びっしりと内容物が詰まっている)〈写真提供:松田纯佳さん〉

食性研究では、胃の内容物を见て、その个体が何を食べていたのかを见るのが基本です。胃の中にたくさん内容物があるとうれしいのですが、大変です。腐った胃壁に鱼の耳石がたくさん突き刺さっていると、ピンセットで一つ一つ取って行くんです…。

(胃内から出現した魚類の耳石)〈写真提供:松田纯佳さん〉

でも、それだけだと直前の状况しかわかりません。ストランディング个体なので、なんらか病的な影响がでているかもしれません。そこで、饵とストランディング个体の筋肉の、炭素と窒素の安定同位体を调べることで、どのような饵を食べて、体に取り込んでいるのか、长期的な食性を明らかにする研究と组み合わせて进めています。

鲸类が好きなんですね

なぜだか理由ははっきりしないですが、昔から好きでしたね…。中学生の时、职业体験で渔协の定置网船に乗ったんです。网をあげたらサメが混获されてたんですね。そしたらそのサメが子どもを产み始めたんですよ。「死ぬとわかったら子どもを产むのか!」と衝撃でした。そのあたりから海洋生物が好きになったのかもしれません。

北大に入ったのは「北海道大学鲸类研究会」というサークルがあったからです。学部2年生くらいからフィールドでの経験を积みました。北海道の鲸类研究の楽しさは、种类がだんぜん多いというところですね。太平洋、日本海、オホーツク海に囲まれているというのも理由の一つかと思います。同年代では私が一番多くの种类を触っているんじゃないかな、と胜手に思うことにしています(笑)。

でも日本は细长く、地域によって栖息する鲸类の种类は违います。国立科学博物馆や他の大学と共同で调査をしたりもしています。

いろいろな方とかかわりながら研究をするのですね。その际、大切なことは?

そうですね。希少なサンプルを扱うストランディング研究で必要なのは、コミュニケーション能力だと思います。研究者同士、役场の方、渔协の方、市民の方など、いろんな方とお话できないといけません。いかに信頼してもらえるか。そうしないと贵重な情报やサンプルをいただくことはできません。

(ストランディング个体の情报を集めるための活动も研究の一环(详しくは)) 〈ストランディングネットワーク北海道ウェブサイトより転載〉

あとは想像力ですね。やっぱり调査って危ないんですよ。北海道は広いので、长距离を移动して现场に行きますし、解剖刀という大きな刃物を扱います。自分や人を切ってしまうとそこから感染してしまうかもしれません。大型鲸类は重机で钓り上げるので、落ちてきたら大変です。何が起こりうるのか想像し、メンバーとコミュニケーションをとって対処しなければなりません。

今后、明らかにしていきたい事はなんでしょうか

なんだろう…まず、あきらめないで続けることでしょうか。例えば、今后、环境の変化によって资源変动が起こり、それによって饵生物が変化するかもしれません。そのためにも続けることが大事だな、と思います。他には、どうやって饵を选んでいるか、までわかったら面白いですね。

やはり纯粋な兴味が大事だと思います。高校生や若い方々にも、何にでも兴味を持って欲しいですね。なんでもいいんです。「くさい!」でも(笑)。

本记事は日本动物学会第89回札幌大会の公开シンポジウム要旨集の记事として公开されたものを転载したものです
【川本思心?麻豆原创/理学研究院 准教授】

 

松田さんの出身研究室はこちら

今回绍介した研究活动の一部は、以下の书籍にまとめられています。

松石隆
北水ブックス『出动!イルカ?クジラ110番~海岸线3066办尘から视えた寄鲸の科学~』
海文堂(2018年10月)

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Update

2018.11.21

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