蛍光灯、スマホのディスプレイ、太阳光発电など私たちの身の回りには『光』を使った技术があふれ、大きな注目を集めています。その中の一つが『希土类错体(きどるいさくたい)』です。『希土类错体』は赤色や緑色などの鲜やかな発光を示すことが知られており、世界中でさかんに研究されています。そして、私は「世界一光る」希土类错体をつくることを目标に日々研究しています。
【熊谷まりな?総合化学院修士1年】

希土类错体って何?おいしいの?
希土类错体とは、『希土类元素』と『有机分子』を组み合わせた分子のことです。『希土类元素』といわれても「何それ?」という人が多いと思うので、まずは「希土类元素とは何か」から绍介していきます。
希土类元素は、下図のオレンジ色で示した元素たちの総称です。闻きなれない人も多いかと思いますが、希(まれ)な土、つまり『レアアース』というとピンとくるのではないでしょうか?これらは他の元素とは违った特别な性质を持ち、ネオジウム(狈诲)は磁石として使われたり、イットリウム(驰)は蛍光灯に使われたりしています。レアアースは人体や环境にとって安全で、『レア』の名前を持ちながらもその埋蔵量は金や银などの贵金属よりも実は多いのです。

レアアースの持つ性质の中で注目されているのがその鲜やかな『発光』で、それぞれの元素は决まった発光色を示します。このような特徴を持つ元素は他にほとんどなく、レアアースのすごいところといえます。そして、発光をさらに强くするために考えられたのが『希土类错体』です。错体は、金属(ここではレアアース)と有机分子を组み合わせた化合物のことです。希土类错体の中でも、私はユウロピウム(贰耻)を使った赤色に光る错体を研究しています。

希土类错体は完璧な発光体!といいたいところだけど…
実は、レアアースが『レア』と呼ばれる理由は掘ってきた岩石から一种类だけを取り出すのが难しいことにあります。レアアース同士は性质がとても似ているため、精製に手间とコストがかかってしまうのです。そのためにレアアースはやや高価で、これが希土类错体の问题点となっています。
そこで、従来に比べて少ない量でより强く光る希土类错体をつくることができればコストが削减でき、理想的な発光体ができるのではないかと私は考えました。そこから、「より强く光る、何なら世界一光る希土类错体をつくろう!」と思ったのがこの研究を始めたきっかけです。

もっと光る希土类错体がつくりたい!--ヒントはそのメカニズムにあり
発光という現象は、物質が外部からエネルギーを受け取り(吸収)、それをまた外部へ放出する際に起こります。私が使っているユウロピウム(Eu)錯体を例として、希土類錯体におけるそのメカニズムを下の図に示します。希土类错体ではエネルギーを吸収する役割を有機分子が、光を放出する役割をレアアースが担っています。そのため、強く光る希土類錯体をつくるには①有機分子の光を吸収する能力を大きくすること、②有機分子からレアアースへ効率的にエネルギーを移動させることが重要なのです。

じゃあ、実际にどんなことをやっているの?研究のやりがいは?
私は、光を吸収する能力の大きな有机分子と贰耻を组み合わせようと日々研究しています。より强く光りそうな组み合わせを考える→合成→実际にそれがどれくらい光るか测定→得られた结果の解析→…というサイクルを繰り返しながら新しい希土类错体を设计していきます。
やりがいを感じるのは、やっぱり合成した错体が光ってくれたときですね。私の研究は「発光」という、结果が目に见えてわかるものなので合成できたときの嬉しさがとても大きいです。もしかしたら自分のつくった错体がスマホのディスプレイや部屋の照明に使われるかも…なんて考えたらわくわくしてきますよね!白衣を着てずっと実験室にこもってなんか地味…という「暗い」イメージを持たれがちな化学ですが、私たちの街を、そして世界の未来を照らしていく可能性を持っている「明るい」分野なのです。

この记事は、熊谷まりなさん(総合化学院修士1年)が、大学院共通授业科目「大学院生のためのセルフプロモーションⅠ」の履修を通して制作した作品です。
熊谷まりなさんの所属研究室は
総合化学院 総合化学専攻 物質化学コース 先端物質化学講座
先端材料化学研究室(长谷川靖哉教授)